鼻つまみ者
38 の例文
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彼らはそうやって敦隆を慕う素振りを見せ、この館に入り浸っている。一族の中では鼻つまみ者となっている彼らを、敦隆はよく世話していた。気づいたときには、すでに部屋に酒の臭いが漂い始めている。
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つまり、日本という国は「初めはいい」のである。それがやがては調子に乗って、世界の鼻つまみ者になる。ずっと後の一九七〇〜一九八〇年代において、「経済大国」を実現した日本が、「金儲けだけの日本」としか言われなかったのも、これと同じだろう。
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勿論彼を殺すようなことはできないので、思う存分ののしってやりました。たとえばこのことを公にして彼の名前をロンドン中の鼻つまみ者にすることだってできるのだぞ、と威してやりました。もしお前に友人や信用があるなら、それを滅茶苦茶にしてやるぞとも言いました。
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私は高校を受験して入ったが彼女は小学校からその私立の学校に通っている、いわゆるお嬢さまであったが、見てくれもそうだし、口から出ることばを聞いても、とてもじゃないけどお嬢さまとは思えない人なのだ。当時から彼女はみんなの鼻つまみ者だった。高慢ちきで見栄っぱりで、成績だって中の下のくせに、いうことだけは百人分くらいいい、人の意見には全く耳を貸さない、どーしようもない女の子だった。
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取るものも取りあえず慌てて駆けつけたハルにも厳しく容赦のない言葉がぶつけられる。正に鼻つまみ者だった母の死を心から悼んだのは皮肉にも近所の小中学生たちだった。子供たちは変わり者だったハルの母親を魔女と呼んで慕っていたのだった。
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罪が晴れ、許されてからも親族一同が申し合わせ、借牢願を藩に出して、投獄したのである。獄中でも鼻つまみ者だったが、松陰が下獄してから、急におとなしくなった。その人柄に打たれ、たちまち感化された彼は、松陰にすすめられて、獄中で囚人たちに書を教えたりもした。
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その船乗りはエイブラハム船長を尊敬しており、そのためにアンは躊躇の後に結局はミス・セイラにその日記を送った。しかしそこには一族の鼻つまみ者である、同じく船乗りであったエイブラハム船長の弟が、ある時漂流して死んだ仲間を食べたという話をしていた、という内容があった。ミス・セイラはその話が外に漏れるのを恐れ、アンの意図せぬ脅迫に屈し、アンに和解を申し込む。
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憎悪の色が眼を埋めてる。やっぱり、あいつらとその親玉は宮廷内の鼻つまみ者なのだ。
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立派な兄さんが二人いるので、花吉がお店に入る余地はない。放蕩して暮らすのは易しいが、そうして一族の鼻つまみ者になるのは癪に障る。だったら町役所の下でお務めし、立派な働きをして、金儲けしか能のない兄さんたちを見返してやろう。
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鼻つまみ者のキツネどんは幾つかの家を持ち、その家を渡り歩いては辺りに住む動物たちを震え上がらせていた。キツネどんが出て行った後の空き家にはアナグマのトミーが勝手に入り込む事もあった。
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それまでは創業家の厄介な三男坊として社内でも鼻つまみ者であったと本人は述懐している。小西新兵衛以降、武田家以外からの社長が3代続いた間、小西新兵衛の指示によりアメリカ合弁会社に社長として派遣され、武田薬品のアメリカ本格進出に際して上市する製品として、当初の予定であった抗生物質ではなく前立腺癌の治療薬を社内の反対を押し切って投入した。
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いちのは土地の豪農、首藤家の一人娘だ。村人にしてみれば、あからさまに知らん顔をすることもできなければ作田のように鼻つまみ者扱いすることもできない。それゆえ表面的には下にも置かぬ扱いをしていたが、内心誰もがいちのを忌避し、敬遠していた。
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以来、島のあちこちで悶着を起こしてました。こういう言い方をしちゃあ何だが、英明君ってのは、鼻つまみ者ではあったんです。ただ、どうにかしてやろうと思うほど怨まれていたかってえと、それほどの大物じゃなかった、と言うんですかね。
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鼻つまみ者を自認し、押し売りや恐喝などの逮捕歴を隠さずに当選を果たした。
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さらに、この焼殺の態様が、あまりにも異様で常識では考えられない形を持っていたことが、なおさらにちか子を強く惹きつけた。だから、アドバイザーのような形ではなく、もっと深く放火班が捜査に関わるべきだと主張して、鼻つまみ者扱いを受けるような羽目にもなったのだった。刑事たちは、互いに互いの縄張りを荒らすことを、極度に嫌がる。
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「シュルツ大佐の子飼いの者は、みな不貞不貞しいと聞いてはいたが」 大佐もまた、デュータ!と同じく鼻つまみ者のようだ。
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深夜であろうが騒音は垂れ流す。近所の鼻つまみ者であった。散歩に出かけたとねが、美容院帰りの北崎しのぶとすれちがったことが何度かある。
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