隠匿する
77 の例文
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金はまだ赤線に達しなかったが、スペイン人たちは待ち切れなかった。ここでぐずぐずしている間に土人たちは財宝を隠匿してしまうであろう。早く分配をすませて首府へ進出しなくてはならぬ。
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私はそれだけをポケットに収め、後は元に戻した。私が証拠の品を隠匿したのを見ても、ミュリエールは何も言わなかった。下に降りた私はキッチンを覗いた。
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故に魔術師は姿を隠す。協会とやらが奇跡を隠匿するのは淘汰を恐れているからに他ならない。だが、その強者たちの中に紛れ込んでしまえば、淘汰されるのは弱者だというのに。
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おそらくアリの寄生は臓器に限られている。だから目的はもちろん各臓器に巣食っていたアリの存在を隠匿するため。
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お美代の方は強敵多喜の方を仆した登美の手柄を買い、お末から引き上げて彼女を自分の味方にした。それはよいが、肝心の踏台が、隠匿した場所にどうしても無いのである。踏台には登美の秘密と罪とがある。
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史館員数名しかその存在を知らぬものとして隠匿したのである。家老たちの誰にも知らせていない。
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己れ自身が消失することが恐ろしかった。何か一つだけ隠匿して死ぬまで持ちつづけて置きたかった。それが無ければ、とても生きてゆく気力は無いように思われた。
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埋めておいた金銀が、土と共に掘り出された。盗むたびに、ここへ隠匿しておいたものとみえ、それは夥しい額であった。
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籾を入手しようにも、手だてはない。籾があったにしても、住民はそれを巧みに隠匿して、山中へ逃亡している。部隊は、飢えに飢えを重ねながらの撤退をつづけねばならない。
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国連の監察官を名のるこの男によれば、樹先生がいまとても危険な立場にいる。今回のプロジェクトに関し、データを意図的に隠匿しているという疑いがかけられている。プロジェクトは国連の最高機密に属する。
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腐臭と饐えた水気の臭いが立ちこめる、深海のような緑の暗闇。深山町の丘の頂に聳える間桐邸が、地下深くに隠匿している蟲蔵である。
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臨安の市尹は後に尚書となった趙という人で、名奉行のきこえ高い才子であったが、何分にも証拠がないので裁くことが出来ない。どこかに賍品を隠匿しているであろうと詮議したが、それも見あたらない。さりとて迂闊に放免するわけにも行かないので、そのまま獄屋につないで置くと、その囚人がある夜ひそかに獄卒にささやいた。
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成一郎は、そこから、東海道を下って、帰府している。そのあいだに、どこかへ十二万両という大金を、隠匿したのだな。おもしろいのは、副頭取天野八郎と決裂してからの、成一郎の行動だ。
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内心、自分たちのルートに合流すると言い出されることを恐れているのだ。そうなれば、隠匿してあるアイテムから分け前を出さなくてはならないからだろう。だが、藤木も藍も、前と同じく北のルートへ進むと明言したため、ほっと弛緩した空気が流れた。
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その死体をどこかに隠匿したあと、雨村が乗ることになっていた飛行機が墜ちた。殺人者が雨村にその凶悪な触手を振ったのは、飛行機へ搭乗する直前だった。
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犯罪秘密結社〝Cグループ〟の大物、劉漢城が射殺されたことで、従来から噂のあった黒い活動が明るみに出、その妻である劉美郷の供述から、あすなろ芸能マネージャー、永谷達也の名が旅券法違反容疑に関して浮び上ったのだった。劉美郷は、ひた隠しに何かを隠匿しながら、一方でさかんに媚を売った。最近、永谷達也の依頼で、フィリピン人、ロードラ・E・ヴィラリアル名義の偽造パスポートをつくったこと。
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その男は疑わしいし、あなたの家具を隠匿したふしもありますからな。あなたはこれから夕食へ行って、二時間後に、またここへ来てください。
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