阿漕
121 の例文
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そうすれば、誰もあんなあこぎな商売やってるとこなんか行かなくなる!
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他の三人は阿漕荘に向かっているわけだが、彼女だけは逆の方向のはずだった。「うん」腕を組んで歩いていた彼女は、にっこりと微笑んだ。
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林一族は今では黒道から足を洗っているよ。阿漕な真似をして稼いだ金で会社をこしらえて、今じゃ実業家集団さ。
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それをいっこう捜そうともせずわれわれに押しつけてさ。それでいて手当もなんにもねえんだから、ずいぶん阿漕な話じゃねえか。
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だが、こうして面と向かって本人と話をしたことは、もちろん一度もなかった。阿漕荘のすぐ隣に、広大な敷地面積を誇る桜鳴六画邸と呼ばれる屋敷がある。和洋折中の大邸宅で、文化財としての価値も高いと聞いていた。
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正門の外にも警察の車が沢山駐まっていた。三人で阿漕荘まで歩きながら、練無は後ろが気になってしかたがなかった。時刻は三時を過ぎているが、三人ともこの時刻ならまだ宵の口という種族である。
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わたしはそのとき二十を充分過ぎた一人前の男である。いくら父でも師でも、わたしに対し面と向っては阿漕なことはもう口に出せない。彼等はわたしが彼等を裏切るようなことを告げてもたゞ「それもよかろう」「まあ、やるがよい」という大様なポーズを取るだけになっている。
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香具山紫子の部屋は二〇六号室で、練無の向かいの西側になり、表からは見えない。その阿漕荘の前の道路を、一台の車がこちらに近づいていた。だが、三人は気にしないで、それとは直角の道へ歩き出す。
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ムリもないけどね。あたしゃこういうあこぎな商売だし、人に好かれるようなたちでもないからね。いつだって、云いにくいことばかし、ずけずけいうもんだからね。
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はじめ紀文や綱宗時代、勿体ぶって凄い遊興費を取った。それは事実だが、あまり阿漕な勿体ぶりに、この方式はだんだん敬遠された。太夫道中や盃ごとはほどほどにして、本来の目的に突入したのである。
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小森はお宅にいたころ、かなり阿漕に客を勧誘していたらしい。
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その頃私は田端にある小さなアパートに住んでいた。そのアパートは全く掘り出し物といってもいいところで、土地持ちの老人がそう阿漕なことを考えずに建てたものだ。家賃も安かったし、広い中庭もあった。
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死んだ親の借金の肩代わりにね。あこぎなクラブだから、当然お客は酒を飲むだけじゃないわ。
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一人欠けたわけだが、彼を偲んで三人麻雀をしよう、と提案がたちまち可決された。一旦紅子と別れ、紫子と練無の二人は、阿漕荘に戻るため歩き出した。保呂草潤平こと秋野秀和が五年間住んでいた二〇二号室は、既に警察の手によって徹底的に捜索され、幾つもの段ボール箱に詰められて証拠品が押収された。
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この種のトラブルは、こじれて啓一郎がダメージを受けるのは当然としても、薫のほうもあまり得をしない。あこぎなことをやったあとは、やっぱり当人にも傷が残る。薫がそれとなく提案している内容は、啓一郎がつい受け入れてしまいそうな、そんなほどのよさを含んでいる。
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鰯屋じゃ水あたりの特効薬として貝入りの砂糖を扱っているからすこしはくわしいんだが、江戸で出廻っている砂糖の半分以上は薩摩藩から来る。それでいいかい、連中の阿漕なことといったら、そりゃもう恐れ入るほどだ。まず、量目はごまかす、不作の噂をばらまいて出荷を押え、相場をつり上げる、その実、大へんな豊作なんだがね、それを知らねェからこっちは高い相場であわてて買いに廻る、で、結局は相場が下って大損よ。
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我々が口を利くのだ、奴もさう阿漕なことは言ひもすまい。次手に何とか話を着けて、元金だけか何かに負けさして遣らうよ。
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法に触れるようなあこぎな商売はしてないし、向こうも人畜無害だと踏んだんでしょう。
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貸元ならば客人を大切にする。本物のヤクザは、そんなに阿漕なことをしないのである。そこで、僕は、ファン・サービスとして、次のことを提案する。
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そんな、阿漕なことをいわないで、買っておくんなさい。
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自分の田へ水を引くような阿漕な言い草になるかもしれないが、おれの教養はなかなかなものがある。読み書きソロバンなぞはなんの造作もなく出来るし、和歌や俳句の心得も多少は持ち合わせているし、四書五経だってちゃんと心得ている。
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街を荒らす半グレ達に対抗するため、地元の腕自慢達が集まった自警団に近い集団。極道の様なシノギや、半グレさながらの阿漕な金儲けは決して行わない。「コロシの天羽組」の異名を取る武闘派組織。
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近所の人たちもかわいそうとは思うが、さて、どうするという名案もなかった。彼らは伊勢屋のあこぎ《・・・》なことをよく知っていた。おためごかしに、おれんに仕事を与えて、その手まの中から、庄吾の借金をさし引いていく。
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無言亭を出て、小鳥遊練無、香具山紫子、瀬在丸紅子の三人は、桜鳴六画邸の敷地の中を歩くことにした。阿漕荘へ行くには、正門まで庭を通り抜ける方が近道だからである。ネルソンの姿はなく、既に阿漕荘に帰ったようだった。
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紅子とは、今晩、阿漕荘の保呂草の部屋に集まって麻雀をする約束をした。一人欠けたわけだが、彼を偲んで三人麻雀をしよう、と提案がたちまち可決された。
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それでも、開場している喜昇座を目の前に見るまで、角蔵親方などは、吉兵衛を信じたがっていた。長いつきあいだ、そう阿漕な人柄ではないと、角蔵は言うのだった。陽が落ちてから、酒のにおいをさせて三人は帰ってきた。
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それをあどけない目差しで千世子は見て居た。母親達はこないだっから問題になって居る玉川の地所の事や、持主のあこぎな事やら仲に立って居る男の半間な事やらを笑い合って居た。その話をきき本と景色も弟のパンをたべるのをも見してまとまらない散り散りの気持で千世子は停車場に下りるまで居た。
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保呂草が不思議そうに、紫子を見る。結局、阿漕荘のすぐ近くにあるステーキハウスに寄ることになった。道路を見下ろす窓際のテーブルについて、料理を注文する。
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