述懐歌
9 の例文
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此歌は、鹿・蟹の述懐歌らしいものになつて居るが、元は農業の、害物駆除の呪言から出て居る。即、田畠を荒す精霊の代表として、鹿や蟹に、服従を誓はす形の呪言があり、鹿や蟹に扮した者の誓ふ、身ぶりや、覆奏詞があつた。
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さうして其外に数百の述懐歌を詠んだ。
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かく各も各も玉泉の傍に立ちて述懐歌を謡ひ終り、静々と奥まりたる御殿に入らせ給ひぬ。
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元は、鹿や蟹に誓はす形であつた呪言が、早く芸能化して、鹿・蟹の述懐歌らしい物に変化して行つたのである。即鹿・蟹に対する呪言及び其副演の間に、当の田畑を荒す精霊に扮した者の誓ふ身ぶりや、覆奏詞があつたに違ひない。
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かく互に述懐歌をうたひつつ、久美戸におこして、右り左の神業を行ひ給ひ、その夜は安く寝ねましぬ。
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玉葉・風雅は共に清新自然な風体を特色とするが、風雅集においてその純度は一層高く、繊細な自然観照と深沈な心境の描写を本領とし、南北朝の乱世に生きる人々の感慨を映している。閑寂な境界を現出した冬歌や、内省的な述懐歌に秀歌が多く、恋歌にさえ孤独な哀感が漂う。
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かくの如く、神々は大宮居の前に比女神の無事を祈りつつ各自述懐歌をうたひて、静かに定めの居間に就かせ給ひける。
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と述懐歌をうたひ、しとやかに舞ひ納めたれば、竹野姫は又もや起つて、長袖ゆたかに歌ひ舞ふ。