紐帯
231 の例文
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ただ、彼等は、共通な主義や綱領への同意は、人々を結ぶ紐帯としては薄弱であり、或種の欺瞞をかくしている事を看破しているだけだ。教養と呼んでいい、もっと強い生きた紐帯を信じ、これを求めるだけだ。論駁の空疎が見えないものには、説得の現実の力は掴めないと考えているだけだ。
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不毛の夫婦ではあっても、冷えてはいない。最近は、精神的な紐帯のようなものが二人の間にできかかっている。表面の夫の劣位と内側の妻の欠陥がしっくりと噛み合って家の中に和やかな調和をつくりだしている。
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しかし、今次大会は、この空気はようやくその姿を消して、もはや、この量、この質にあっては、人々を結ぶものは心理的紐帯でもってつなぐには、あまりにも巨大なるものに発展してしまったのである。かかる段階の結集をつなぐ紐帯は、もはや他のものでなくてはならない。「論理」と「現実」に密着するよりほかに、もはや人々をつなぐ術はなくなったのである。
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みずからが第二分隊長になった今でも、コリク・マイスンの心の中では、依然としてガリン・ガーバンが分隊長でありつづけているのだろう。そうした紐帯を、ぼくたちはいまだに保持しているということであった。敵弾飛来が終っても、われわれは気をゆるめるわけには行かなかった。
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私は、家族より深い紐帯で結ばれていた四人の仲間を失いました。
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カラザーはヴイザーにアッタンの管理権を与えて独立を認め、ヴィザーが自由に自己の知能を開拓することを許した。もっとも、ヴィザーとその創造者とを結ぶ紐帯が絶たれたわけではない。近い将来、そしてまた何世紀もの未来にわたって、人類とガニメアンは相携えて銀河系に領域を拡げるであろう。
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このため「もののけ」の外見はあくまでその状況下で安定して取れている姿であって、本質的には固定されていない。このように人間の意識との紐帯が非常に太いため、人心の変動に弱い。特に現代にあって人心が荒れがちになっている状況は致命的で、濁った感情や負の感情の流入により体調を崩したり、力を発揮出来なくなったり、性格が変わってしまったり、ひどい場合暴走してむくつけき姿となり暴れ回ることもある。
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両腕を逆八の字に縛りつけられたままの形で、がくッと前へ真依は首を垂れ、その口からは鮮血がなお止まらずに溢れつづけていた。紐帯が切れて舌は咽喉の奥まで捲くれ込み、気管を閉じてしまっている。窒息死であった。
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勝美はそれまで、仕事によってのみ、自分の存在を主張し正当化してきた。仕事によってのみ、社会との、そして他の人間との紐帯の存在を確信してきた。だが彼の退職によって、それらすべては行方を失った。
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然し彼は戸棚から大きな籠に似た箱を引っ張り出し、その中から若干の陶器の標本を出した。この箱には人が背負うことが出来るように、紐帯がついていた。
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宗教的共同体とは、ある宗教を紐帯として人々が形成する共同体である。つまり同一の信仰を持つ人々による共同体のことである。
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革命後に権力を掌握した人々は「一にして不可分」というスローガンに象徴されるような近代国民国家の樹立を目指した。そして権力者たちはその紐帯の役割を教育に担わせようと考えた。アンシャン・レジーム下で支配的なイデオロギー装置であった教会を駆逐することには二つの意味があった。
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またこれらとは別に家兵などと呼ばれる節度使の私軍を抱えることが多い。これら家兵は節度使と仮父子関係を結ぶことで個人的紐帯を強くした。藩鎮の中核を為す支配機関が使院と呼ばれる機関で、ここに所属する官を幕職官という。
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帝政ロシアでは結果として、国家と人民のあいだに相互不信と疑心暗鬼がもたらされた。権力者と貴族は権力を濫用しつづけ、ロシア人民の紐帯は破壊された。イリインは、いかなる国家も、国民が一定の権利と義務を有する一員として存在する集団として確立されなねばならないと考えた。
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社会の影の部位で目立たぬように黙々と働いていても見ている人は見ていてくれるのだとおもうと、嬉しさが込み上げてくる。そんなとき、都民との間に心の紐帯ができたような気がする。あえかな紐帯であるが、それは確かにある。
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コプト教徒にとって、ヨーロッパ人がエジプトで行ってきた行為自体はあまり、許されるものではなかったが、多宗教社会であるエジプトにおいて、同じキリスト教徒であるシリア系のキリスト教徒は、様々な分野でライヴァル視しており、結果として、コプト教徒の一団は、ウラービーを支持する層と紐帯関係を結んでいった。しかし、この紐帯自体は、コプト教徒を十分に満足させるものではなかった。オスマン帝国のスルタンに接触する試みが行われた。
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いまひとり、「疾風ウォルフ」こと宇宙艦隊司令長官はと言えば、ロイエンタールとは戦場での生死や人生の選択をともにしてきた仲であり、たがいに生命の恩人となっている。地位の向上によっても、彼らの紐帯は失われることがなかった。オーベルシュタインに対しては、ミッターマイヤーは、「オーベルシュタインの冷血野郎」とか「酷薄無残なオーベルシュタイン」とかいう類の下品な罵声をあびせたことはない。
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人は今は人間を凡そあらゆる党派から、時には有用な党派からも、あらゆる方法をもって解放しようとしています。同様に人は人間の神の関係を、個人と神とを結び、あらゆる生命の発現の中に結ぶ紐帯から解放しようと試みます。人は愛について、全く新しいことを教えようと云うのです。
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NDFは基本的に地縁的宗教的な紐帯に基づいて組織される。その構成員は、シリア政府の支持基盤であるアラウィー派・キリスト教徒・ドルーズ派・イスマーイール派・十二イマーム派・スンニ派世俗層に属する人々であり、シリア政府に忠実である。
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フランス革命中の1794年にエリート養成機関であるエコール・ポリテクニークや高等師範学校や国立工芸院が作られ、18世紀にはグランゼコールが設立された。フランスは革命で社会紐帯や中間団体を破壊し個人を解放したため、それに代わる統合原理を国が提供しなければならないとされた。こうして、フランスにおいては公教育を代表とする公共サービスが信頼され、「公共サービスがある自由を制限するのは、より優越的な他の権利・自由を擁護推進するためである」と了解されているという。
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これも水に浸して日に当てたほうがいい。かれらは勢いよく空中に舞いあがったので、紐帯をしておいてよかったとジャクソムは思った。ルースはぎりぎり最小限の羽搏きで間隙へ突入した。
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政党簡素化によって成立した2政党は、いずれも諸勢力による寄り合い所帯であったため、主導権争いなどの内紛で、党運営にいちじるしい支障をきたすことになったが、それでもにはイスラームという紐帯があった。それに対してにはまったく何の紐帯もなかったため、党発足当初から困難な歩みを続けていくことになった。インドネシアの総選挙法の規定では、2政党・ゴルカルによって提出される候補者名簿について、各級の選挙管理委員会が審査し、不適格者に対して出馬を拒否する権限を持っていた。
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この日、ラインハルトは茶飲み話をするために、ふたりの青年提督の訪問を受けたのではなかった。ようやくえた盟友との紐帯を強めることが、その目的であった。最初に、秋におこなわれる予定の出兵計画について語り、「それは楽しみ」との反応をえると、話題を転じた。
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ロシアは満州からの撤兵の約束をしたが、なかなか撤退しようとせず、むしろ南の朝鮮半島にも触手を伸ばすようになった。これにイギリスと日本は警戒を強め、両国の間に対ロシアという共通の紐帯ができた。この頃、日本の政界では、伊藤博文や井上馨らがロシアとの妥協の道を探っていたが、山縣有朋、桂太郎、西郷従道、松方正義、加藤高明らはロシアとの対立は遅かれ早かれ避けられないと判断してイギリスとの同盟論を唱えた。
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実際の家族は、時には激しくかきむしり合い、罵り合い、憎み合って生きていくものではないのか。愛憎が縄のように糾われて、家族の紐帯となるのではないのか。それが羽室家では、家族はしっくりと相和し、さざ波一つ立たない。
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紅巾の乱は、中国の元末の1351年に起こった宗教的農民反乱。白蓮教を紐帯とし、目印として紅い布を付けた事からこの名がある。反乱軍は紅巾賊または白蓮教徒が弥勒に焼香をするため香軍と呼ばれる。
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しかしその一方で、農業耕地はわずか1割ほどしか増加しておらず、必然的に1人当たりの生産量は低下し、民衆の暮らしは苦しくなっていった。そうした民衆は匪賊となり、白蓮教を紐帯とすることで政府に対する反乱となった。このような反乱は乾隆末期から起きていたが、中でも天理教徒の乱ではわずか80名足らずながら反乱軍に紫禁城にまで踏み込まれ、矢を壁に射立てられた。
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彼らが打算の観点をかえれば、きわめて容易に反対の算出をし、敵に寝返りを打つこともあり得る。結合の紐帯はいたって弱いといわねばならない。つまりは烏合の衆だ。
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