築山
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名詞
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そのために、私はもう発とうと決心しました。夕方、築山の上で、そこに集まった家族の人々に私は別れを告げました。みんなは球戯場のところまで送ってきてくれましたが、そこで私の馬がいらいらと地面を蹴あげているので、みんなはそのそばから離れました。
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ホテルの横手を通って、広大な裏庭を奥に入っていった。林のなかに築山もあれば池もあったし、小川には太鼓橋がかかっていた。ところどころに淡く常夜灯が青い灯を投げ、木戸の緑を幻想的に染めていた。
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彼女は忽然と消えてしまったのだ。この広大な庭園の一帯には、木や藪の生えている築山がいくつもあった。それらはさして高くはなく、二メートルもあったろうか。
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土塀で囲まれた広い庄屋屋敷の三方は藪である。通は庭の築山を駆け上がったり、屋敷の傍らを流れる川でよく遊んだ。きれいな流れには雑魚がたくさんいた。
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まだ格子は上げられずに人も起きていなかったので、中将は源氏の寝室の前にあたる高欄によりかかって庭をながめていた。風のあとの築山の木が被害を受けて枝などもたくさん折れていた。草むらの乱れたことはむろんで、檜皮とか瓦とかが飛び散り、立蔀とか透垣とかが無数に倒れていた。
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平安時代末期から鎌倉時代初期に記されたと考えられている日本最古の造園書である『作庭紀』は、庭の主たる構成要素として築山、池、島、南庭白砂、鑓水を挙げている。これが転じて、池や築山のある日本庭園のことを島と呼ぶこともある。
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畝源三郎に対して、林芳明の用人はあまりいい顔はしなかったが、裏庭を通って奥の茶室へ案内した。そこからみると築山と池のある立派な庭には巨石がいい具合に配置されている。半刻ほど待たされて、林芳明が来た。
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そして築山の周囲に植えられた木や藪が、その上に生えているやつと密にまじりあっていたので、築山はほとんど目立たなかった。だがわたしのまっすぐ前方にある築山には出入口がついているのに気づいた。で、それを見ていると、五人の男が養兎場から出てくる兎のようにそこから出てきたのだ。
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さっぱりとした気分で奥座敷にもどると、開け放った障子の向こうに見事な庭が広がっていた。二百坪以上もある広大な庭で、築山には谷川の水を引いて滝を作っている。滝から落ちた水は、曲水となって池にそそぎ込む。
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三人は、グリース・ガンとズックの袋を建物の地下室に運んだ。車を築山の腹にある地下駐車場に隠した長谷見も地下室に入ってきた。三人のグリース・ガンや予備弾倉を預かって武器庫の部屋に仕舞いにいく。
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次郎は離室や座敷の方をそっとのぞいてから、池の水を両手で掬って、顔にもっていった。が、それと同時に彼は悲鳴に似た声をあげ、再び築山のかげに走って来た。彼の顔は、ところどころ鮪の刺身のように真赤だった。
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築山の下に隧道が掘りぬかれてあったのだ。いや、その築山そのものが、掘り出した土で築かれたものであったのだ。はるか下にぼんやりと灯影さえみえた。
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次郎はほっとして、立ち上った。そして大きく背伸びをしてから、そろそろと築山の陰にまわって見た。老英雄は、夢にも予期しなかったわかい反逆者のために、そのながい間の支配権を奪われて、ひっそりと垣根に身をよせている。
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彼は心おだやかで、豊かな気持ちを満喫しており、少しはなれたところから、それを意識していた。あたりに見えるのは黒い粘土で作ったふんわりとした築山だけだった。それに気づく者もおらず、その下に何が横たわっているのか考える人もいない。
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その縁側は一間以上もある幅で、そして何処まで行けばしまひになるのか一寸解らないやうに思はれるほど長く続いて居るのです。築山も池も花の植つた所も子供の目には見渡し切れなく思はれました。
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客間からの眺めを考えて、小さな池の周囲に、岩や、松の木や楓、雪柳などが配されていた。築山の前を通り、表門に向かっていた美希の目が、木瓜の木で止まった。肉厚の赤い花が、茶色の枝に無数に咲いている。
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「もう大丈夫でしょうか」と能島さんの奥さんが云い、私たちは沢蟹が岩の間から這い出すように、すこしずつ岩かげから頭をのぞかせた。そうして築山から出て行くと、門のところに駈け寄って広島市街の方を見た。煙は上空たかく昇って、上になるほど大きく広がっていた。
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