竜頭蛇尾
61 の例文
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翌朝、革命は終わった。竜頭蛇尾というか、ズッコケというか、実にさまにならぬ幕切れであった。サン大将はヘリコプターで国外に逃亡し、大佐連中もコーラートから空輸された鎮圧部隊に逮捕された。
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先にタサファロングを離れた南海丸と駆逐艦有明は、その三時間前にショートランドに着いていた。結果を見ると、この船団輸送は、作戦全体として竜頭蛇尾の感がある。
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計画は竜頭蛇尾に終わってしまったが、この数ヵ月、実に楽しかった。あなたを自由に操ることができたのだから。
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何かと書き誌してゐるうちに竜頭蛇尾におち入つてしまつた。読みのこしたものや寄贈された本やまた購読した新刊書などについては別の機会に筆先を新しくして申しのべ度い。
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これ以上詮索しても、つまらない竜頭蛇尾におわりそうな感がした。無意識のうちに劇的効果を考えつつ、きっぱりと背を向け、その場を立ち去った。
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昭和電工問題などはどうでもよかった。あれほど天下を騒がせた昭電事件の最後が竜頭蛇尾になったのは、これもその性格を語っていると思える。それにしても、日野原節三は一個の若い有能な実業家で、もしG2、GSの争いが無かったならば、たとえ政財界方面に運動資金をばら撒いたとしても、昭電事件が起るようなことは無かったであろう。
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他の容疑者については、何もふれていない。事件発生時の扇情的な四段抜き見出し付きとは格段の相違で、竜頭蛇尾とはこのことだろう。当時の法曹界で権威紙として知られた「法律新聞」も二月五日号の雑報欄で形式的に数行報じたきりで、その後判例として用いられた形跡もない。
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評者はプロットを要約した上で「解決は明らかに竜頭蛇尾である」と結論付けている。
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「さあ、よく見るんだぞ」 そう言って、血管にそっと針を入れ液体を押し入れた。結果はいかにひかえ目に言っても竜頭蛇尾だった。耳がガンガンして頭がきりきりと痛んだが、それもすぐにおさまってそれ以外には何も感じなかった。
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屋外燈管制が今夕からはじまって、電車は、ものの読めない暗さで走っているそうです。竜頭蛇尾ということには謂わば芸術的に云ってさえ美がない。だから全く全く恐れ入って小さくなっている。
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心配なのは論文のほうだった。竜頭蛇尾のおそまつな代物であるのは自分でもわかった。もしかすると留年になるかもしれないという不安から、課題を終えた喜びを味わうことが彼にはできなかった。
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竜頭蛇尾に終るが、芝居噺というものは、多くはこんなものである。
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師団全力を挙げての右岸攻撃も成功しなかった。砲兵戦主体の総攻撃も竜頭蛇尾に終った。守勢持久に転換した。
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すべてが奇妙なほど正常だった。竜頭蛇尾という印象を受けざるをえないほど。コンラッドは不意に自信がわきあがってくるのを感じた。
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ここに、笑いと涙を生み出す才能にあふれ、哀愁や悲しみの感受性も豊かであり、さらに道徳的な美しさまで兼ね備えた作家が登場した。彼は創造力にあふれ、彼の作品の登場人物は現実味があり、初めの勢いが竜頭蛇尾に終わるような特徴的な人物が名人の筆でいきいきと描かれた。彼の本は生きていた。
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委員長も笑いつつ政府席を見やれど、首相むっつりとして立つ気配なければ、「答弁はありません」と宣して沼袋すごすご着席。まこと袋の底破れて沼の水干上がりしごとく、竜頭蛇尾を絵にかきたるに似たり。
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待ちくたびれた群集の間から、歓呼にも似たどよめきが、大地を動かして響いた。だが、奇怪にもこの日の大観は、まさにこの瞬間を頂点として、あとは完全に竜頭蛇尾に終ってしまったのである。というのは、このときになっても、相手方のフランシスコ派は、依然として姿をあらわさない。
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トムは、いろいろな運動競技に長じていたが、特にニュー・ヘヴンでは、いままでに最も強いアメリカンフットボールのエンドで、ある意味では国内きっての花形でもあった。二十一歳で早くもこのようにずば抜けて傑出していただけに、その後は万事が竜頭蛇尾の道をたどっているようにも感じられた。
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それから三、四年の後に、お角さんは日光近所の宿場女郎に売られているという噂を聞きましたが、これも噂だけのことで、ほんとうの事は判りませんでした。小説や芝居ならば、浅井親子の捕物や、お角さんの行く末や、いろいろの面白い場面があるのでしょうが、実録は竜頭蛇尾とでも申しましょうか、その結末がはっきりしないのが残念でございます。
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一度に2つ、3つのことをこなすのは得意でも、それらをすべて「パーフェクト」にこなすのは申酉天中殺にとって至難のわざ。ですから「最後の締めくくりでミスをする」ことになりやすく、何事も「竜頭蛇尾」に終わる危険があるので注意が必要です。大きなことを実行するときは、あと処理の上手な午未天中殺にサポートしてもらうと安心です。
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これがやや事を好んだ地名の文字になっているお蔭に、昭和の我々までがこの前代生活の一端に触れ得たのだから、珍重しなければならぬ無形の遺物である。私の地名談は竜頭蛇尾、長いばかりでいっこうだらしがない。蛇のサラギのごとく崩れてしまわずば幸いである。
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逆上家が自分で逆上家だと名乗る者は昔しから例が少ない、これは少々変だなと覚った時は逆上の峠はもう越している。主人の逆上は昨日の大事件の際に最高度に達したのであるが、談判も竜頭蛇尾たるに係らず、どうかこうか始末がついたのでその晩書斎でつくづく考えて見ると少し変だと気が付いた。もっとも落雲館が変なのか、自分が変なのか疑を存する余地は充分あるが、何しろ変に違ない。
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けれども管理事務所のビルの群れの手前の、灌木の植込みのある芝地を鋤き返してしまっていた。宇宙港待機の救急車が何台も赤いランプを点滅させ、サイレンを鳴らしてとんできたが、どちらかというとその騒ぎは、竜頭蛇尾に終わった感があった。わたしたちはコンクリートの地面にえぐられたギザギザの深い溝に好奇の目を向けながら、ゆっくりした足取りで、危うく難破をまぬがれたその船の方へ近づいて行った。
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計画上は会長、会長補佐、中央委員、地方委員、艦隊委員、特別委員を定めることになっていたが、実際には組織的な活動は見られなかった。古賀清志は「竜頭蛇尾に終わった」と証言している。藤井らは大川周明、権藤成卿、井上日召らの影響を受けつつ国家革新の動きを継続。
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ポワロさんもヘイスティングス君も、まるで幽霊を見ているか、あるいは今にも幽霊が現われるのを待っているような顔をしている、そんなに緊張しないで、まあ竜頭蛇尾的結末を待つんですね。さてと、どこまで話したっけ?
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問題はたぶん、ロッカーを聴かせたがるあまり、前半に集中させてしまったことだろう。バランスよく配分すれば、「竜頭蛇尾」などという、古典的な非難は受けなかったはずだ。
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食糧が無く、従業員も食うのに困っていた時代で、その厚生給与としてヤミ米や麦粉などを自社製品と交換していたのは殆ど常識だった。だから昭電の秩父、富山、大町の三工場がそのヤミ事件の摘発をされたとしても、捜査は結局竜頭蛇尾に終るのではないかといわれたくらいである。事実、日野原社長もさまで狼狽ずに、このヤミ摘発事件には楽観していた。
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まだまだ前途悠遠の、序開きといふ段で、がつくりとなる程なら、最初から政治なんぞに、嘴は出せないさ。やうやく政党内閣といつたところで幼稚なもの、まだ二回目の最初一度は竜頭蛇尾、藩閥に回収された跡引受け。誰も初役の、勝手は分らず、議論は多し。
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