生兵法
32 の例文
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しかし私としても、いつまでもこの方面の科学にそっぽを向いている気はない。ただ生兵法は困るが、栄養学もそろそろ信用していい頃であろう。というのは、アメリカ人の平均寿命の統計には、実は内心舌を捲いたからである。
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手並のほどは全坂東の人の十分に知っている所だ。再びこの生兵法の小冠者大将の募りに応ずる者があろうとは思われないのだ。度しがたきばか自信だと思った。
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ところが品質の方をその都度科学的にきめるとなると、結局またいろいろの条件で出してみなくてはならぬことになるので、一度条件をきめておけば良いというふうに簡単には片付かぬのである。これに似たことはいくらもあるので、生兵法の科学的方法を振り廻すのは或る場合には危険である。しかしこの議論は本当の意味の科学的方法が悪いというのでは決してない。
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基本的にストレート一辺倒の投手だが、チェンジアップやカーブといった変化球も使えないことはなく、緩急も使い分けられる。ただ真っ向勝負が持ち味であるため「生兵法」である駆け引きは使わない。四死球は多いが、弟や西村同様にスラッガー相手でも敬遠はしない。
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軍事については君が専門家だ。素人の生兵法で真実を見誤らせる結果になるのも、時間を無駄に消費するのも、この際好ましいことではないな。では仮に君が考えているようにワルシャワ条約軍が侵攻してくるとして、その時機は?
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何でそない危いまねしなはるんや。生兵法は大けがのもというやないか。私が護身術教えたの、そんなことのためやあらへん。
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しかしどれくらい気長に待てばいいというのだろう。生兵法とは思ったが、私は仕事の合間に図書館へ立ち寄り、難しい医学書を読み耽ったりもした。自分と同じような症例が、どこかに見当たらないものかと、闇雲に探してみたのだ。
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それからどうも、ユリはあんな変な子になってしまって。大作が催眠術を使って精神障害を治療するなどと言っていますが、何の素人の生兵法、ろくなことはありません。私はあんなものは大嫌いです。
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ひとえに主君から国を奪った奸臣山下定包に誅罰を加えるためでござります。さりながら、思えばその主君の失せられました直接の原因は、私の弟子の生兵法によるものでござりました。
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しかし、やっぱりダメだろうね。戦争の要領を覚えたツモリでも、新手を打つのを天才といって、生兵法は大怪我の元という通りだ。習い覚えた要領も、次の戦争のドサクサには役に立ちそうもないらしいや。
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右手から剣が弧をえがいて空を斫り、遠藤の遅鈍な抜き打ちを鍔元から叩いた。「生兵法はよすがいい」 遠藤の刀が、地上に落ちている。
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修行といふことは、今日隣組のやうなものでも、その他あらゆる職域でいはれてゐるが、修行的なことをやつても、生兵法の自信は却つて邪魔になる場合が多いと思ふのである。自分の好きな道であるとか、或ひは自分の短所と思ふことは常時において、絶えず修行、反省して行けば必ず生きて來るといふ例を戰場でもいろいろな人から聞いた。
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科学も何も知らないあひるは、本能に教えられて最も合理的な行動をすると見える。人間はどうかすると未熟な科学の付け焼き刃の価値を過信して、時々鳥獣に笑われそうな間違いをして得意になったり、生兵法の大けがをしてもまだ悟らない。科学はまだまだ、というよりはむしろ永久に自然から教えを受けなければならないはずである。
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故に、シーツを汚し、手近かのもので、自分のことは自分でせよとばかり始末し、洗濯屋ばかりもうけさせる。必要にして十分なる性知識は、どの程度までをいうのか知らないが、初夜にして、お定さんもびっくりみたいな、技巧弄するのは、生兵法怪我のもとで、尿道亭主を笑うことはできない。最近は、枕絵どころではなく、両親がまず営んで、範を垂れることもあるとか、親心といえばそうかも知れないけれど、あるいは回春効果狙ってるのかもわからないぜ。
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生兵法が邪げていたのだ。もいちど、七歳の初歩にかえろう。
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あるいは無闇と長時間ゆでて、なんの味も風情もないものとして、かろうじて食っているようなものもある。この肝の美味さを生かし、しかも、危険のない法を心得ないでもないが、余計なことを披露したために生兵法をやられても大変だから、特志があれば直伝することとする。ふぐの肝をすりつぶし、醤油に混ぜて、ふぐの刺身につけて、美味がる向きもなしとはしないが、これは全然素人食である。
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尚武の国であつてみれば、それは当然であるが、たゞ、そのためには、言葉を武器として使ふほどの用意がいりはせぬかといふことを、私は近頃、ふと気がついた。修練を欠いた言葉の操作は、それが武器のつもりであればあるほど、生兵法の危険を伴ひ、相手を戸迷ひさせ、何か間違ひではないかと、頭を叩かれながら訊ねるやうなことにもなる。ところで、単刀直入は、やはり、禅などの影響もあり、人が眼をぱちくりさせることは勘定に入れず、極めて象徴的な一言を放つて、相手が応と受けとめてくれることを期待するところがないではない。
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とこれが僕の意見ですがね。ユリちゃんが悪いわけじゃなく、赤沼さんの生兵法が、自ら招いた災難というものです。あなたはどう思います、鳥飼さん?
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「血の気の多い奴だな」 東吾が笑い、伊太郎は大きな体をすくめるようにした。「生兵法は怪我の基と申すではないか」 しかし、昨夜の伊太郎の出現は、東吾にとって、まことに都合がよかった。賊は思いがけない助っ人によって足並みを乱し、大事な銭箱まで放り出して逃げた。
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世に推事というは出来ぬもので、これがな、腹に底があってした事じゃと、うむと堪えるでござりましょうが、好事半分の生兵法、豪く汗を掻きました。
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若い者が起きていれば、組手もやった。もちろん、生兵法は怪我のもと、ということわざは知っているが、ハンダノに移ってからのジョクは、中学時代を思い出してトレーニングをつづけていた。生まれながらの戦士などはいない、というニーの教えが、一層、ジョクに厳しい肉体的な訓練をさせることになったのだが、なによりも、毎日、死と隣り合わせの生活を送っているという強迫観念が、ジョクの格闘技を上達させた。
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いくらトレーニングしても、生兵法は生兵法だよ。
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行ってみなければ分らないことなのだ。生兵法の推理はこの場合禁物である。機にのぞんで、咄嗟の肚を決めるほかに兵法はないのである。
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しかし、実は性来粗忽者のわたくしが、しかも言語の通じない慣れない土地へ参つて無事なはずはなかつたのでございます。したがつて帰国早々には容易に発表の出来ない珍談も、幾多出来したのでありますが、法律にも時效というものがあるように、すでに四十年近くも経過致した今日となりましては、もはや公々然と自白致しても差支えないと存じまして、ここに「生兵法は大怪我の基」という一珍談を発表致します。或る日、ロンドンの郊外近くの某夫人のお宅で私のために催して下さつたお茶の会に参つた時のことでございます。
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グインの心に攻撃をかけ、あわやその炎を消しかけただけではおさまらず、こんな余分なことをしてさ!あのグラックの馬といやあ、けっこうとり扱いやなにかが厄介なんだよ、えい、この生兵法が!
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「奇跡の村」で北斗神拳を医術に応用して病人の治療を行なうトキの評判を聞き、自分も同様のことができると老人の足に秘孔治療を行なうが、失敗した所をトキに発見される。制止する際にトキに顔を軽くぶたれた上に生兵法を咎められ、自尊心を傷つけられたアミバは、トキに対し異常なまでの恨みを抱く。しかしトキとの力の差が大きいことも悟ったため、彼になりすまして悪事を働き、罪と悪名をなすりつけようと企む。
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嫁か娘か二十三、四の美人がいて、薙刀と鎖鎌を使う。飛入りは非番巡査や近所の若者、または他の道場の生兵法連中、三番抜きに手拭一本の褒美を無二の光栄として汗だくの奮闘。少々手強しと見れば、例の美人がたすき鉢巻かいがいしくお相手に現われる、満場緊張。
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再び冗談でからかわれた男は隠居宅を飛び出したが、気が収まらない。誰かを「ぬかに首」でかついでやろう、と友人の家を尋ねるが、言葉をよく知らないため「腕が利いた」を「腕が切れて手がボロボロ」、「柔道で柔の修業」を「十三で柔らかい焼き餅の修業」、「生兵法は大怪我の元」を「生麩は焼き麩の元」「生煮えは半煮えの元」と言うなど、しどろもどろになって一向にうまくいかない。
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