海千山千の商人
5 の例文
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異教と正教の地をつなぐ重要な貿易港の町ケルーベで、ローエン商業組合の利益を代表する機関だ。そこには海千山千の商人が何人も集い、そんな連中を束ねる人間がいる。彼らを出し抜くことすら至難の業だろうに、ロレンスはこれからキーマンの命を受け、他の組合を出し抜き、北側の地主たちを出し抜こうとしている。
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呪文さえ使われなければ、世間なれしていない魔術師を騙すなど、リウイには造作《ぞうさ 》もないことだ。酒場で働く女の子の機嫌を取ったり、海千山千の商人を相手に値引きの交渉をしているのだから。もっとも、フォルテスにとっては、ラヴェルナのたったひとりの直弟子であるリウイが忠誠を誓ったのがなにより満足だったのだろう。
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細い腕で一生懸命に頑張っているような、そんな感じがひしひしと伝わってくるのだ。口先一つで軽く海千山千の商人を手玉に取ってしまう隣の狼も少しは見習って欲しいものだと、つい思ってしまう。そうすればもっと可愛げがあるだろうに、という言葉は胸中ですら呟くのをためらったのだが。
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「お楽しみのところ大変申し訳ありません」 周りの談笑よりもやや小さいくらいの控えめな声でそう言うと、海千山千の商人たちはロレンスが一体誰に用があって来たのか即座に見抜いたらしい。無言で酒に口をつけながら、ちらりとバトスに視線を寄越す。
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伝説の生き物であるイッカクが漁師の網にかかったことにより、その高価な生ける伝説を巡って海千山千の商人たちがしのぎを削っていたのだ。ロレンスの元々の目的は、ケルーベで狼の骨、ホロと同じような狼の右前足についての情報を追いかけることだったのだが、紆余曲折があってその事件のど真ん中に躍り出ることになってしまった。
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