気障ったらしい
18 の例文
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本来の調子を取り戻したような、わずかに気障ったらしい笑みを。
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気障ったらしい浅黒い顔に白い歯、香水のにおいをぷんぷんさせている。間違いなくこれからどこかの女をたぶらかしに出かけるのだ。
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そりゃ音比古は顔もルックスもそんなに悪くない。気障ったらしい縁なしの眼鏡も、かける人がかけたらカッコいいかもしれない。でも、自分がいかにお金を持っているか、自分がいかにセンスがあるか、そんな自慢ばっかりしてる男のどこがいいって言うんだろ。
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男の腕が助手席にのび、ドアを閉じた。袖口からのびたカフスの気障ったらしいダイヤもマービンは見てとった。男の年齢は二十七、八だろうか。
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質問というものは、たいてい愚問にきまっているものだし、また、先輩の家へ押しかけて行って、先輩を狼狽赤面させるような賢明な鋭い質問をしてやろうと意気込んでいる奴は、それこそ本当の馬鹿か、気違いである。気障ったらしくて、見て居られないものである。愚問を発する人は、その一座の犠牲になるのを覚悟して、ぶざまの愚問を発し、恐悦がったりして見せているのである。
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小さく咳払いをしてから口を開く。「俺の荷馬車にはお前がいるからな」 あまりにも気障ったらしいといえばそうだが、ロレンスは我ながらうまいことを言ったと笑ってしまう。しかし、笑いながらぶとう酒を飲んでホロのほうを見れば、ホロはその手を止めて呆れ返っていた。
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こんな会話も、繁夫さんたちが聞いたら、さぞ鼻持ならない、気障ったらしいもののような気がするのだろう。そんなら僕たちは、どうすればいいのだ。
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まことに無邪気と悪魔とは紙一重である。苦労を知らぬわがままな処女の、へどが出るような気障ったらしい姿態に対して、ああ青春は純真だ、なんて言って垂涎している男たちは、気をつけるがよい。その人たちの所謂『青春の純真』とかいうものは、しばしばこの兎の例に於けるが如く、その胸中に殺意と陶酔が隣り合せて住んでいても平然たる、何が何やらわからぬ官能のごちゃまぜの乱舞である。
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「さて、いよいよ四人委員会の始まりか」 そう言ったのは、ふたつ目の蝋燭をつけた布瀬呈二である。鼻の下に蓄えた髭を軽く撫でつけながら眼鏡ごしに冷笑的な笑みを向けているその素振りには、少々気障ったらしいところがないでもない。
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気障ったらしい台詞を言わないのであれば、逆に、とことん黙秘権を行使するという手もあるにはあったけれど、身体の動きをすべて封じられている今、敵とのコミュニケーションの中で突破口を見つけるしかない。コミュニケーション。
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地震のニュースが終わり、すぐやかましい音楽がはじまった。深夜ディスク・ジョッキーが、鼻にかかった声で、ぞくぞくするほど気障ったらしいおしゃべりをはじめた。深夜の東京は、伊豆地震も、天城噴火も、相模湾の津波も、ごくお座なりにあつかい、夜ごとかわらぬ倦怠の歌を歌っていた。
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ひょっとしたら、この鉄面皮、ほんものかも知れない。もともと芸術家ってのは厚顔無恥の気障ったらしいもので、漱石がいいとしをして口髭をひねりながら、我輩は猫である、名前はまだ無い、なんて真顔で書いているのだから、他は推して知るべしだ。所詮、まともではない。
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この気障ったらしい箱をよくご覧なさい。それと掌に乗る大きさ。
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浮薄な人気は得るかも知れませんが、そういう面での熱狂的な心酔者でも、どこか心の隅に〃くさい〃とか〃やりすぎ〃とか〃気障ったらしい〃〃軽薄だ〃というマイナス面を嗅いでおり、それが意識下にストックされて行きます。それを見せるなら〃毅然と〃〃安っぽくなく〃なさらなければなりません。
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一曲終ると、高木は、わざとらしく高々と手をたたいた。二曲目の松島音頭が終ると三曲目をまたずに、いきなりつかつかとステージの前にちかより、顔をちかづけて、なにか気障ったらしい調子で話しかけた。
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その狂せんばかりに押し黙っている魂の大爆発を、ゴヤに私は見る。さればこそ、そのゴヤについての、アンドレ・マルロオの「かくて、近代絵画ははじまる」という気障ったらしいことばを、仕方はない、認めないわけに行かないのである。そうして私は思うのだが、外の文化に、やたらと訪れられ放しのわれわれの日本にもまた、狂せんばかりに押し黙っている魂がいるはずだ、と。
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バルゲスが凄ければ凄い程に自動的にダングイスも凄いという事になるのだ。「心置きなく用事とやらをしてきてくれたまえ」 やはり意味もなく気障ったらしい仕草で前髪をかき揚げながらダングイスは言う。
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