権高
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名詞
91 の例文
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来るのが厭じゃというなら、こっちからそっちへ行くまでじゃ。いやそういう権高者が、かえって俺には面白い、さあ皆も来るがよいわ。
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かなり、裕福な家の女に違いなかった。向い合っていると、威圧されるような権高なものを感じさせる相手である。結局、るいは書状をあずかった。
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田谷たちを待たせて、女は、あや子に手短かに註文をした。そのやや権高な口調からすると、女はこの店では上の部の顧客らしかった。そして、また出直して来ると言い置いて、女は人形を抱き上げた。
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彼女に会ったのはたった一度か二度、多くとも三度くらいのものだったが、一度など彼女と偶然に二言三言言葉をかわしたこともあった。彼女の姿は、美人の、誇りたかい権高な娘として彼の記憶にのこっていた。が、しかし彼をなやましたのは彼女の美貌ではなくて、なにかほかのことだった。
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ミセス・プライス・リドリーの小ぎれいな玄関のドアの前に立つと、スラックがドアをノックし、ベルを鳴らした。警察だぞといわんばかりの権高な鳴らしかただった。器量のいいお手伝いがドアを開けた。
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「それで、源さんにお鉢が廻って来たわけか」 町方同心の中でも要領の良い連中は、こうした捜査を敬遠しがちであった。奥坊主などという種類の人間は権高で不浄役人などは人並みに考えていない。まず、さんざん不快な思いをさせられた上に、なにをいわれるか知れたものではないと誰しもが承知しているからであった。
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そこで姓名を改めると二人の刀を取り上げ、そこから仏殿の内部に案内した。権高な物の言い方をするその男たちは、大目付の配下かと思われた。市左衛門は姓名を名乗ったあとは、無言で堂々と応対していたが、文四郎は男たちの扱いに屈辱を感じた。
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就英には、この上もない屈辱のはずだ。それでもこの権高な男は、文句ひとつ言わずに目を上げ、海原を見渡していた。能島村上が受け持つ殿軍の辺りで、関船を偽装していた光の虚像が幻のように崩れていくのが見えた。
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しかも手には乗馬ムチがある。そのような服装をしていると、妙に権高な人物に見えるものだが、ドミニクは特にそうだった。変貌したというより、もともとがそうなので、これまでは演技していたということだろう。
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そして、その後も彼女はツンケンしたまま権高に突っ張って生きて行ったとします。すると、もう少しするとこの町には、あの詐欺師のかたがいらっしゃるんですよね?
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そしてデイヴィッドもまた私に、たくさんの執拗な技巧を要求し、私に対して短気で容赦がなかった。それに彼は私が、権高なパリの娼婦のように振るまうのが、とても好きだった。別れの苦汁といったものはなかったが、寂寥感が私の顔の上に出ていたのに、違いない。
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衣服には、埃がついて縞ができ、自動車の油の汚点がついていた。権高に顎をつんと高くあげて、すこしはなれたところに立って、憎々しそうに母親のほうを見ていた。とうとう女は近づいて、「こんにちは」と冷たい声で言った。
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指定どおりの品を五日以内に揃えるそうで、今後もひいきにしてくれるなら代銀はあとでもよい、と大和屋の主人が云った。紙屋というのは権高であることが通例のようであった。産地の遠近を問わず、上質の紙を数多く揃えるのは、多額の資金と選別眼が欠かせない要件であるし、なによりも紙が貴重な品であったことが、他のしょうばいとは違った気質を生んだものらしい。
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彼女は羞恥と得意とをかわるがわる味わった。が、その暇にも権高な伯爵夫人の顔だちに、一点下品な気があるのを感づくだけの余裕があった。舞踏室の中にも至る所に、菊の花が美しく咲き乱れていた。
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彼女は羞恥と得意とを交る交る味つた。が、その暇にも権高な伯爵夫人の顔だちに、一点下品な気があるのを感づくだけの余裕があつた。舞踏室の中にも至る所に、菊の花が美しく咲き乱れてゐた。
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足音で、廊下から誰かが部屋に近づいてくることを察していた七花は、こちらは人に見られるのはよくないというくらいのこともわかっていなかったので、なんだよ急に変な奴だなと、首を傾げながら、それでも言われた通り、足の裏を自分の主人の背からどける。「なんだ」 と、とがめは一瞬で作った権高な声で、廊下の外へと問いかける。
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姿は見なかったが、権高な物言いの感じから、役人であることはわかっていたし、なにしをにきたのかも察しはついていた。エサルが、すぐにその役人と引き合わせなかったのが気になったが、なにか考えがあってのことなのだろうと、あえて尋ねずにいたのだ。
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