柔和
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名詞
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立ち上がってそう叫びたくなる。もちろん顔には心とはうらはらに柔和な笑顔を浮かべてはいるつもりだ。
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スミスはその柔和な顔だちに諦観の色が濃くなっていくのを眺めていた。それは解脱した男が死を見つめている表情だった。
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無口で始終何かぼんやり考え込んでいるようなふうで、他の一般に快活な連中からはあまり歓迎されぬほうであった。しかしごく気の小さい好人物で柔和な目にはどこやら人を引く力はあった。自分はこの男の顔を見ると、どういうわけか気の毒なというような心持ちがした。
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ユリアンは一瞬ごとに自信と活力を回復していく自分を発見した。彼にとって、運命はまだ、柔和な老婦人の横顔を見せているようだった。「今日はなぜか体調の悪い信徒の方が多いようだ」 黒衣の集団のなかにあって例外的に白衣をまとった中年の医師がくぐもった声をたてた。
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「あと、頼むで」 敬三は言い、「はい」と礼儀正しく答えた青年に顎をしゃくって、「長男や、常務をしよる」と照れたように言った。しかし、柔和な父親の顔は一瞬のことで、すぐにきびしい表情に戻った。「ちょっと、あんた、ここではなんやから、中に入ってくれんか」 ポケットから出した手を建物の方に向け、先に立って歩きだした。
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「前からそんな男だ」 と思うのだ。現実的な写実に向いながら、定朝様の柔和も残して置く彼のことである。今度、宋様をとり入れても不思議はない。
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シリーズは、1作目を準えた形の2作目に主立った変化はないが、3作目にてよりプレイヤーの遊びやすさを追求した形へ変化している。プレイヤーが世界観への干渉という点では従来より柔和なものになっている。後に廉価版が三作同時にサクセスより発売されている。
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イスラームとて、キリスト教よりも遥かに我々へと適合しただろう。なぜ柔和や軟弱を備えているキリスト教でなければならなかったのだろうか?
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そんな中で、ありふれた紺の浴衣を着た一人の青年がいた。柔和な、上品な感じの青年で、踊りに他の男のような粗雑さがなかった。と思わせる踊りだった。
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いったいこのチチェスターというのは何者なのだろう?大そう柔和な人物に見えるが、外観というのはあてにならないものだ。パジェットに聞いてみるとしよう、やつは何でも知っているのだから。
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色の白い、口髭の生えた、立派な男ではあるけれど、何處か恁う奧のあるやうな、厭なところがある。柔和な眼でそして細長いけれど矢張り何處かに恐ろしいやうな所がある。仔細に見ると餘り感じの宜い男ではない。
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前にはあれほど評判だった君の柔和なところなどまるっきりないじゃないか。だれかに腹でも立てたのかい?
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彼は毎日、家のまわりを、ひとりで逍遥して、独りでニヤニヤしていた。そういう時の彼の笑い顔は、実に柔和で、明るいかがやきが溢れている。人の性格や境遇が、その時々に依って、ありのままに人相にあらわれるものならば、彼は現在、よほど幸福であるにちがいなかった。
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その上を若宮は歩いていた。若宮は、京一の部屋で見た柔和な面持ちとはかなり違う表情をしている。酒でも飲んで正気をなくしているのか、目は赤く潤み怒気をはらみ、口にはふてくされたような嘲笑をたたえている。
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この柔和さうに見える男が、何んといふ結構な智慧を持つてゐることでせう。それから下女のお北に逢つて見ました。
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福岡支店の支店長室にいた。以前よりいくらか顔付きが柔和になり、部下たちの評判が良くなった。近頃は苛立って、いきなり叱りつけるようなことはない。
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趙広漢は聡明で、部下の能力をすべて把握していた。また柔和に人に接し、良い事があれば部下の功績であると言った。そのため吏はみな彼のために危険も顧みず働こうとした。
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