暗い一隅
4 の例文
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第一の洞窟同様に空であった。宝は、もし実在するとすれば、その暗い一隅に埋められている。苦悩の瞬間がやって来た。
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ダンテスは、外気が流入してこのよどんだ空気が新しくなるまでしばらく待ってから奥に入った。入口の左手に、深く暗い一隅がある。だが前にも言ったように、ダンテスの目に闇は存在しない。
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男も女も真新しいスーツに革靴を履き、これからの大学生活への希望を胸に、そこここで明るい笑顔を弾けさせている。そんな絵のはじっこ、あってもなくても差しさわりのなさそうな暗い一隅をパチンとハサミで切り落としてみました、みたいな場所に、今の自分はいる気がする。ひっきりなしに談笑の群れが目の前を通り過ぎていった。
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気がつくと、姫君の顔が真青になっていた。小次郎から目をそらして、暗い一隅に目を向けている横顔のきゃしゃな線がこおりついたようにかたくなっている。膝においた白く小さい手が、片手が片手の爪先をつかんで小さくふるえている。
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