日歩
44 の例文
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それを利息を取つて人に貸す。近頃ぢや、仲間の連中に五十銭一円と日歩の金を貸し附けてゐるんだぜ。今日五十銭借りると明日十銭附けて六十銭返すんだ。
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わたしが発見したとおもつたのは衝動だつたのかしら、わたしをさまよはせてゐるのは痙攣なのだらうか。まだわたしは原始時代の無数の痕跡のなかで迷ひ歩いてゐるやうだつた。
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間もなく最初の返済期日の給料日がきた。日歩二十銭で二十万円借りたから、一ヵ月の利息は一万二千円になる。現金の救急車で危ないところを〝輸血〟されたのだからそのくらいの利息はあたりまえだとおもった。
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前はこんなことがなかつたのですが、ともすれば体が重たく水底に沈んでゆきさうになりますので、慌ててさかんに泳ぎ廻りました、それに水が冷めたく痛いほどで動くたびに水の塩が、ぴりぴりと激しく体にしみて苦しみました。その上すこしも眼が見えませんので、どこといふあてもなくさまよひ歩るきました。それから幾日かたつて、魚は岸にうちあげられました、そして白い砂がからだの上に、重たく沢山しだいにかさなり、やがて魚の骨は砂の中に埋もれてしまひました。
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昨日、一昨日、俺を不安がらせた神秘から自由になつたのだ。二三日前、俺は、ここの渓へ下りて、石の上を伝ひ歩きしてゐた。水のしぶきのなかからは、あちらからもこちらからも、薄羽かげらふがアフロデイツトのやうに生れて来て、渓の空をめがけて舞ひ上つてゆくのが見えた。
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中には一面識もない奴の借銭も混っているんだが、俺が議会に命じて作らせた法律というものを楯に取って来るから仕方ない。日歩五銭ぐらいを呉れるつもりで会ってやるんだ。その次が大臣病患者、政権利権の脾胃虚病み、人格屋の私生児の後始末、名家名門の次男三男の女出入りの尻拭い、ボテレン芸者の身上相談、鼻垂れ小僧と寝小便娘の橋渡しに到るまで、アラユル社会の難物ばかりが、ハキダメみたいに杉山博士の診察、投薬を仰ぎに来る。
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これが地獄への渡し舟とも知らず、さし迫った火の手を逃れるために乗り込んだ。今度の金利は日歩三十銭で月九分である。だが一時逃れはあくまで一時逃れにすぎない。
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だが知合いの左官屋の証文に連帯保証の判をつき、その借金を肩がわりさせられたときから、かれの蹉跌が始まった。高利の日歩を取立てるために、毎日のように執達吏が棟方の家へやって来た。
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だが、おまえさんは八十ドルで売ると言ったじゃねえか。おまえさんは日歩とか保険料とかいうものを、まるっきり知らねえようだね。それで、ちっとばかり値が高くなるんだ。
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しかしこの船には、建造のときから不吉な運命がつきまとっていた。ある日ブルージュの造船所で、二人の作業員が一休みしていたときのことである。Uボートの船体にとりつけようと釣り下げていた鋼鉄の大梁が、とつぜんチェーンからはなれ、すさまじい音をたてて二人の頭上に落ちてきたのだ。
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ヤクザには珍しいインターネットに明るい組長としても知られ、2001年に山口組直参組長中で逸早くブログを立ち上げた。一日も欠かさず毎日ブログを更新していたが、2008年1月25日付で終了した。但し、その後もインターネット上で日記形式のコラムは続けている。
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当時は、かやうなものが幾つとなく、彷ひ歩いてゐた。
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そしてまつたくの無一物となつて、この附近に彷徨つて來たのでした。二晩は野宿、そして二日間といふもの一歩も家へは這入れずに彷徨ひ歩いたのです。その間、二度程食物を口にしました。
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但し日歩は十銭がぎりぎりだ、というような商談だけがしるされてありました。大隅には後妻の里があり、戸部の伯父は大きな農園をもそこで経営しているとのことです故さぞ立派な財産をおもちでしょうものを、今更羨やんだところで詮ないことでございます。
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私は彼等を羨んだ。自分にもあゝして、使ひ歩きする用事があつて呉れればいゝと思つた。
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後で分ったことだが、母が日歩の金なんかを内々廻すようになったのも、私が少し学校が出来るものだから、私だけには立派に学問をさせたいという腹もあったらしい。私は寝間着一枚で震えていた。
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妖魔やフェルハーン大神殿の刺客から、他人を巻き込まな いように、カイルロッド達は街や村ばかりか、人の通る道さえも避けていたのである。人 つれ を見るのは三日ぶ。だったので、カイルロッドはなんとなく嬉しかった。
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リリィはジュリアンに思いを寄せていたが、彼女の気持ちに敏感に気づいた有名な映画監督であるブリスに魅了される。ある日ブリスはリリィに、何もかも捨てて一緒にパリに行こうと話を持ちかける。
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とまア、こういう訳で友人からそれぞれ三十万円、五十万円といったカネを借りて行って、二千万近く集めたんだ。もっとも、日歩五銭の利息をつけるといってね。
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またこれによって、望月氏が常に日歩十五銭もの金を使って仕事していることを知り、ああ彼はこの高利のために生命を縮めるのではないかと歎息したが、果たして氏はついに病いに倒れた。私は若き人々に前者の轍を踏ませたくない。
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今日五十銭借りると明日十銭附けて六十銭返すんだ。なんて事あ無え、日歩二割ぢや無えか!みんな、うらみにうらんでゐるぜ。
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霧の深い、暖かな晩だつた。誘はれるやうに家を出たKと私は、乳色に柔かくぼかされた夜の街を何處ともなく彷徨ひ歩いた。大氣はしつとりと沈んでゐた。
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彼はドルヴエを訪ねて行こうとさえ思った。彼はもう全然勉強はしなかった、学校の講義にも欠席がちで、毎日ぶら〓〓と市中を徘徊していた。或る日の午後、彼はリュウ・カシニイ街へ行って見た。
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中田一郎という偽名も、典子の母の実家の者が、世間体をおもんぱかって使っている名前と思った。邦彦は日歩二銭六厘で融通手形を銀行で割り引いてもらった。次の火曜日、邦彦は典子とあったとき、自分の身ぜにを加えた五百万を先づけ小切手で返した。
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兎角する内に夕方も近づいて來る、その間、私は飢ゑさらばふ喪家の犬のやうに彷徨ひ歩いてゐた。畑を横ぎらうとして、ふと前方に會堂の尖塔を見た。
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それからの二日間は松村の手都合の為に白川は空待をした。日歩は払ふと金主に約束して金主をも待たすことにした。此間に松村は借方即ち工事経営者を呼び寄せて担保や報酬の交渉をした。
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新東商事の手形なら信用がある。彼等は手数料を含めた日歩二十銭で喜んで割引いた。邦彦の手もとには一千万を軽く越す現金が入った。
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時代小説『若さま侍』シリーズは有名で、時代劇映画・ドラマ化された。江戸川乱歩は、城を「彼は人生の怪奇を宝石のやうに拾ひ歩く詩人である」と評している。またショートショートの先駆者と称される。
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