断食
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貴族は断食日には肉を食べないようにしていたが、立派な食事を取った。魚がハムやベーコンに姿を変えて肉に取って代わり、アーモンドミルクが本物の乳の高価な代用品となり、卵は高価なスパイスで色と味が付けられた偽の卵だった。
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十六歳で修道会入りをした彼女はまもなく飲食物を受けつけなくなり、二十八歳で聖痕者となる。注目すべきなのは彼女がその異常な断食状態と戦っていたということだ。断食は聖性の現われと結びつけられるよりも悪魔の仕業と見なされることがあった。
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それにまたあの人が故意に断食したのではないと私は信じていました。断食はあの人の奇態な病気の結果であって原因ではなかったと思います。私たちはあの人の生前の望みどおりに葬りましたが、近所の人々みんなから悪評を受けました。
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ムスリムはラマダーン月には、日の出から日没まで断食を行う。こうした断食はイスラム教の信仰の中でも最重要なもののひとつである。断食によって神が命じたことを行い、逆に禁止された全ての行いを遠ざけることでタクワを増やす。
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そして何ひとつお尋ねにならずに、私の境遇を見抜き、私の立場を承知しておしまいになり、私が金に困っていることがおわかりになったのです。どうかこの方の一年中の断食の御利益が、私の頭の上に戻りますように。
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まあ、どうにかなるさと考えた。映画を観るために三、四日断食したおもいでも持っていたくらいだから。清太郎はポケットに、その二千円を捻じこむと部屋を出た。
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なぜ人びとは、もっと断食するという名誉、ただあらゆる時代を通じての最大の断食芸人であるばかりでなく、自分自身を限りないところまで超えるという名誉を、彼から奪おうとするのか。断食する自分の能力にとって彼はどんな限界も感じていないのだった。なぜ彼をこんなにも感嘆していると称するこの群集がこんなにわずかしか辛抱しないのか。
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この年のラマダンには、和崎さんもスワヒリの一員として、断食に参加した。和崎さんの経験によると、昼間の断食は、それほど苦痛ではないそうだ。だが、水を飲まないで暑い日中を過すことは大変困難である。
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父親に一年の母親に六ヶ月の懲役が言い渡された。しかし両親がサラの断食を信じていたのは間違いないとする意見も多かった。彼らが本当に娘を聖女にしたてることで金儲けを企てていたのだとしたら、金蔓である娘をむざむざ死なせるようなリスクは冒さなかったであろう。
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標準は笠を胸にあてて落ちない程度の速さで、爪先で飛ぶように歩いた。五日程度の不眠や断食の状態でも活動できるような体力が要求された。いわゆる「飛び方」には前とび、後ろとび、とび歩き、高とび、幅とび、飛びおりの六法があって、例えば幅とびでは、三間、高とびでは九尺、飛びおりには五十尺が定法になっていた。
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マルト・ロバンの生きた時代と場所から考えるかぎり、若い娘を断食状態に憧れさせるような背景はなかった。ましてや断食者を前にして周りの人々が聖性を感じただろうとは想像できない。マルト・ロバンの断食はむしろうさんくさいか、せいぜいハンディキャップとして見られていただろう。
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そしてむち打ちながらにがにがしげに笑い、そのにがにがしい笑いのために、またいっそうようしゃなくむち打つのだった。他の多くの敬虔な清教徒たちの習慣のように、彼も断食を習慣としていた。
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彼はこうしたことをよく知っていた。そこで、断食していた男のような貪欲さで根掘り葉掘りたずねはじめた。それからしばらく考えこんでいたが、豊年と決った収穫について語るかのような静かな落ちついた声で、要点を一つ一つかたづけながら、巧妙なやり方の計画を伝授した。
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澤地さんが断食をしているようだが、今回の執行と関係があるのだろうか。
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それは、雲も風もない春の日中に、断食をして行なわねばなりません。
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カタリ派の間でもの秘跡を受けた後に断食を行っていた。この断食は道徳的に完全な状態で死亡することを目的としている。脱水によって死亡するには数日から数週間かかる可能性がある。
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ラージクに滞在中、ラマザーンの月が終った。断食あけの祭には、この地の王ヤナンジ・ベクの居城でご馳走になった。この人はルームの諸侯中でももっとも有力な一人であった。
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断食が要求されたのは聖体拝領をするにあたっての「みそぎ」的な意味が主体だった。それでも一世紀の末頃には水曜日と金曜日の断食が定着していたようだ。四世紀頃には復活祭の聖体拝領の前の二日間の断食の習慣ができてきた。
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と答えられ、「自分の人生も、もはやこれまで」という覚悟を決め、1922年春に京都の鞍馬山にこもって断食を始める。修行のための断食と言うよりは、死を覚悟してのものだったらしい。断食に入り3週間目の真夜中ごろ、脳の中心部あたりに落雷をうけたような激烈な衝撃を感じ、そのまま意識不明の状態に陥る。
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最後のキャンプでしとめたカモシカの肉を少々、そいつからはいだ皮に包んで携行してきていた。この肉と果実のいくばくかでかれは、長いあいだの断食におさらばした。それから眠った。
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運用上の厳格な制約が数多くあり、それを守らないと狂暴化する。ラビが断食や祈祷などの神聖な儀式を行った後、土をこねて人形を作る。呪文を唱え、「」という文字を書いた羊皮紙を人形の額に貼り付けることで完成する。
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だが、そうではなかった。自分で意識的に一週間前から断食状態にもっていったのだ。腹の中には何も入っていないから、体も締まってきた。
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何しろ夕食なのだ。これをしっかり食べて、翌日一日の断食に耐えなければならない。料理はクスクス、タジン、レモンチキンとすでにおなじみのものが並びに並んだ。
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これらの過程で患者の抱えるあらゆる病気は改善し、再び元の健康体になると主張する。本格的な断食ではなくとも、午前中のみの断食でも効果があるとする。現代栄養学では、朝食を抜くと脳の機能が落ちるとされる。
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ちなみに一九七七年夏、西ドイツ、ブレーメンの劇場でこのカフカの『饑餓芸人』が脚色実演されたことがある。俳優の一人が四十八日間の断食を宣言して、これを見世物にしたのだ。私はこのときたまたまブレーメン市のすぐ傍にいたので、最終日のへとへとになったやつを観に行こうと楽しみにしていたのだったが、惜しむらくは四十七日目にドクター・ストップが掛かったとかで、折角のフィナーレを見逃してしまったのである。
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断食は世界の諸宗教に広く見られ、食料を摂らないことを「絶食」「不食」という表現が使われることもある。食事は断つものの、「水か茶なら飲んでも構わない」とする断食もある。断食は宗教上の行事としても行われているが、治療面での効果があることから世界各地で続けられてきたセルフケアでもある。
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しかし、もう何ごとも彼を救うことはできず、人びとは彼のそばを通り過ぎていくだけだ。だれかに断食の術のことを説明しようとしてみるがよい!感じない人間には、わからせることはできないのだ。
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クリストは四十日の断食をしたのち、目のあたりに悪魔と問答した。我々も悪魔と問答をするためにはなんらかの断食を必要としている。我々のあるものはこの問答のうちに悪魔の誘惑に負けるであろう。
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