料簡
557 の例文
(0.02 秒)
-
それでも普段から自分の弟のように思っている源三郎に対して、今まで出来るだけの堪忍をしていたのであるが、眼の前で自分の女を手あらく投げられた、自分の膳を引っくり返された。彼はもう料簡が出来なくなって、大きい声で相手を叱りつけたのである。源三郎も行きがかりで彼に無礼を詫びようとはしなかった。
...
-
お兼ちゃんは自分の一料簡でどこへか姿を隠したんじゃないかねえ。
-
徳義上もう少しは遠慮してもよさそうなものだと思った。ついに先がそう云う料簡ならこっちにも考えがあるという気になった。
...
-
いかに大切の宝なりとも、人ひとりの命を一枚の皿に替へようとは思はぬ。皿が惜さにこの菊を成敗すると思うたら、それは大きな料簡ちがひぢや。
...
-
夜のあけるまでには屹と帰って来ます。あなたが何うしても承知してくれなければ、わたくしにも料簡があります。わたくしにも口がありますから、お白洲へ出て何をしゃべるか判りません。
...
-
-
もしこの話を聞くものが、嫉妬だというなら、僕には少しも異存がない。今の料簡で考えて見ても、どうもほかの名はつけ悪いようである。それなら僕がそれほど千代子に恋していたのだろうか。
...
-
いかに大切の宝であろうとも、人間一人の命を皿一枚に換えようとは思わぬ。皿が惜しさにこの菊を成敗すると思うたら、それは大きな料簡ちがいだ。
...
-
眼のまえの脚立のようにつったっている男はだれだろう。どういう料簡で人を殺害させ、それを身動きもせず見物しているのだろう。そういえば部屋の模様もなんとなくへんだ。
...
-
その折の選者委員の長が理財局長といふのだつたが、世事に疎い私は、その局長がその後すぐさまに次官になるほどの人物とは知らなかつた。次官になつたからといふので慌てゝ駆付けたのでは料簡が卑劣すぎやう。先見の明を欠いてこれは手後れである。
...
-
またどうする気もなかった。かえって想像に困難なものとして父の料簡を、お秀の前に問題とした。
...
-
神はそんなあさはかな料簡で売った魂など、お買い上げになりゃせんぞ。悪魔は買うかもしれんがね。
...
-
政吉 そんなら何故、死なねえんだ。他人の垢を浴びた体で、のめのめと俺に近づいた、その料簡が俺あ憎い。憎いよりは悲しくなる。
...
-
帰ったのか、下駄箱へしまわしたのか、または気を利かして隠したのか、彼にはまるで見当がつかなかった。表へ出るや否や、どういう料簡か彼はすぐ一軒の煙草屋へ飛び込んだ。そうしてそこから一本の葉巻を銜えて出て来た。
...
-
言いつけを果たせなかった分際でわたくしに質問とはどういう料簡です!
-
こんな大事な質問してるときに居眠りしてるとはどういう料簡だ!
-
ゆうべは誰にも言ってくれるなと堅く頼んで置きながら、けさは自分の方からその秘密をあばくようなことをする。お島さんの料簡がどうして急激に変化したのか、僕には想像が付かなかった。
...
-
-
そのわけをお妻によく言い聞かせて、当人の料簡次第にしたらどうだ。当人が承知なら決める、いやならば断わる。
...
-
こう、親方の前だがね、つい過般もこの手を食ったよ、料簡が悪いのさ。何、上方筋の唐辛子だ、鬼灯の皮が精々だろう。
...
-
比田の手前勝手な気性がこの一事でも能く窺われた。それを傍で見て澄ましている姉の料簡も彼には不可思議であった。血が続いていても姉弟という心持は全くしなかった。
...
-
李中行 遊んでいるのではない。こうして黙って坐っていても、おれには又おれの料簡がある。燕雀いずくんぞ大鵬のこころざしを知らんと、昔の陳勝呉廣も云っているのだ。
...
-
どういう料簡だか、僕が豊子さんと話す時は必ず側に控えている。烏に頼まれたのかも知れない。
...
-
李中行 祟られるなら祟られても好い。幾度云っても同じことで、おれの料簡はおまえ達には判らないのだ。まあ、打っちゃって置いてくれ。
...
-
わたしはユリアさんを疾うから好いている。決して悪い料簡で今のような事をしたのでは無い。娘さんの恥にならないように、わたしが立派に女房に持つと云った。
...
-
わたしはユリアさんを疾うから好いてゐる。決して悪い料簡で今のやうな事をしたのでは無い。娘さんの恥にならないやうに、わたしが立派に女房に持つと云つた。
...
-
お前はそれで己れの義務、主人の命令を守っている料簡か?ぼけ犬め、わしはお前を、真実を隠して若い者を甘やかしおった罰に、豚番にしてくれるぞ。
...
-
悪いのは手前でございます。奉公人の分際で手前がお嬢さんに思いをかけたのが料簡違いでございました。
...
-
玄鬼様はもうその料簡にならしゃった時に死んでいなさったのじゃ。
-
自分は念のためこの堅いものをぴちゃぴちゃ足の裏で敲いて見た。大丈夫なら手を離してこの堅いものの上へ立とうと云う料簡であった。
...