手を焼く
154 の例文
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「ドクター・ワッツに言われたとおりにしました」 ドクター・ワッツは開業医で、検屍官に任命されている州内の五百人の医者の一人だ。彼はその中で、私が最も手を焼いている十人のうちの一人でもあった。さきほど警察から連絡を受けるとすぐに、彼は私に電話してきた。
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雑魚は別にして、おまえが斬った者たちは、それぞれに毒を持っていた。それらの毒が集まって由比正雪になっては、公儀も手を焼くことになる。毒はまとまらないうちに始末すべきだ。
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いじめにもあう。食事に手をつけず、外に出て行こうとするジニにスタッフは手を焼く。やがてジニは年長のスッキに生理があるという「秘密」を知る。
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クラシックは、ひとりひそかに聞くものだという考え方になってしまっていたのである。そのうち私の父が死に、その借金だらけの会社のあとしまつに手を焼いた。それが一段落するころ、私は碁に熱中していた。
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あっちへ行ったら、こいつがどんなに力がなくたってあんたは手を焼くよ。突っ走りはじめて、どこへ連れて行くかわかりゃしないよ。
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こんなふうに一人で波のように切れ目なく喋った後、すうっと黙ってしまうのは、姉にとってよくない傾向だった。彼女が自分で自分の神経の強張りに、手を焼いている証拠だった。姉はまた、近いうちに二階堂先生の所へ駆け込むことになるだろうと、わたしは思った。
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きちんと刈りとられた緑の下草のところで、アヤは宿の召し使いに両側から取りおさえられていた。大の男がふたりがかりなのに、この小柄な少女には手を焼いている様子だ。
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こいつは厄介な患者でして、おとなしくさせておくのに手を焼きましたね。長いあいだ、アザミしか食べようとしなかった。
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寒すぎる地方は冬になると水の確保に手を焼くことになる。雪が降るのに水に困るとは皮肉だな、と思ったものだ。
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信長が、いかにこの間を、焦々思っていたことかは、今、その譴責状となってから、初めてみな、 「ごもっとも」 と、思い当った。相手は、十一年余も、信長自身ですら手を焼いて来た門徒の本拠である。これが佐久間勢の一手で陥ちなかったからといって、ただそのことのみでは、そう責めもしまい。
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それは丈夫な子どもだった。今ではしきりと動き回るようになって侍女たちに手を焼かせている。この子が将来、王冠を戴くことになるのかどうか、ポーラにはわからない。
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あの中には火が吹き上っている。きっと彼の烟突の鉄は焼けていて、手を焼くに相違ないなどと思った。
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いわゆるシットコムのテレビドラマ。手を焼きたがる母親と兄弟および弟の息子を中心に描く。
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それは確かにキャシーも、私がこれまで手がけた子どもの中にも見たことのないほど癖の多い子でございました。一日に五十ぺんはおろか、それ以上も、私どもみなに手を焼かせます。朝起きて来たときから夜寝るときまで、一分間も嬢さんのいたずらがやんだと思って気を許せるときがありません。
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隆兼は城の眼前の犬飼平や可愛河岸の石見堂の渡しを中心に防衛線を張り、尼子軍を食い止めた。予想外の抵抗に手を焼いた尼子軍は、この方面からの侵攻を諦め撤退した。家督は嫡男・家兼が継いだ。
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二人ともばあさんの遠縁に当たるのだったが、だからもう少し円満にいってもよいはずであったが、どうしてどうして、村いちばんのやっかいな家庭だった。始終なにやかやとごたごたを起こしては、村の人たちに手を焼かせていた。主としてそれはばあさんの、人並外れた貪欲と吝嗇とからくるのだったが、そうかといって彼女ばかりも責められなかった。
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あまりの剛直さに手を焼いた幹部や官邸筋は彼を更迭しようとさえしたほどだ。この橋本の存在に田中は目をつけたのだろう。
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グワールは、やつらが上帝のご機嫌をそこねたことを知っていた。おれの追跡に手を焼いて、何度も裏をかかれたことがあったからだ。
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育成時代には人の手を焼かせることはなかったという。
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迂闊な開け方をすると、ヒデマルが外にとび出すのだ。一度だけだが、逃げられて捕まえるのに手を焼いたことがあった。体を横にしてドアの中にすべりこんだ治美の足首のところに、ヒデマルが首すじをすりつけてきた。
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「金が手を焼くように思いはしませんか」との古藤のいった言葉が妙に耳に残った。
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「金が手を焼くように思いはしませんか」との古藤の言った言葉が妙に耳に残った。そう思い思い布の一方を手早く縫い終わって、縫い目を器用にしごきながら眼を挙げると、そこには貞世が先刻のまま机に両肘をついて、たかって来る蚊も追わずにぼんやりと庭の向こうを見続けていた。
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おふたりさんの憎悪をむきだしにした目つきには、ほとほと手を焼いた。しかし、この悪魔の土地、くそいまいましい血の砂漠をてくてく十五、六キロも歩くうちに、むこうもだいぶおとなしくなってきた。
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もう、こんな仕事はやめちゃったらどうなんです、お父さん。そろそろ隠居して、ぼくらに手を焼かせてもいい頃だと思いますよ。もう、働きすぎるほど、充分働いてきたではありませんか。
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だがその答えを待たず、ふたりは夜間に宝玉の保管場所を襲い、シルマリルを奪って逃走した。ついに誓願の宝玉を得た兄弟だったが、シルマリルはかれらの手を焼いた。これまでに多くの血を流してきたかれらは、すでにシルマリルにふさわしくない者に成り果てていたのである。
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出来の悪い息子に手を焼く母親のような声で、彼女は言う。
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アニメ『ポケットモンスター』ではカスミのポケモンとして登場。おとぼけな性格でカスミは手を焼いているが、大切に思われている。声優は愛河里花子。
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ユニクロン討伐に向かった際はウルトラマグナスらのシャトルに同行。この時、シャトルに乗らず戦おうとするダイノボットに手を焼いていた。最後のユニクロンとの戦いでの所在は不明だが、ラストシーンには登場していた。
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