手をこまぬく
18 の例文
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娘はわたしが殺される前に会いに来てくれるだろうか?娘が手をこまぬいて全然わたしを助けようと試みないとは信じられなかった。だが思い出してみれば彼女は部落についてからは、まったくわたしと口をきこうとしていなかった。
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それを大山は、自分としてはさして関心のない絵画の話題等を通して、加治木と近しくなり、ようやく七社並みに待遇されるところにまでこぎつけたばかりだったのである。他社が抜くのを手をこまぬいて見ているわけにはとてもいかなかった。十五分ほどして説得に失敗した加治木が戻ってきて、その謎はとけた。
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二十四日にはひとまず停戦協定が成立したが、これが引き金になって発生した石油危機が日本列島を襲った。手をこまぬいておれば、石油危機という名の波にのみ込まれてしまう。そこで業績低下に悩むビクターは、幸之助の助言もあり経営トップを刷新することになった。
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はっきりいうたらビデオ事業は、ソニーに二年遅れてしもうた。ここで手をこまぬいていたら、欧州市場もソニーに先手を取られてしまう。
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欠陥車問題は司直の手に委ねられたので、ホンダはいかなる情報が流れても、意識して評論するのを避けた。といって決して手をこまぬいていたわけではない。焦眉の急は、地に堕ちた企業のイメージをいかにして回復するかにある。
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もっぱら地球の利害のために、偵察のためにだ。たった二十七光年先のところに生じた侵略を手をこまぬいてながめているつもりはない。
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いまや彼女は、海上で魚雷をくらった船のように、苦痛のなかに沈みつつあった。ぼくたちはただ手をこまぬいてその事件を傍観していた。そして少くとも数分のあいだ、太陽はぼくらの人生の真実を冷酷に照らし出した。
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その炎の色を思い出すと、ふしぎに虹七郎や銀四郎の焦燥や不安は凪いで、この神秘な百八歳の老首領への信頼があぶらのようにひろがるのをおぼえる。ただ不満なのは、じぶんら両人が手をこまぬいていることだ。
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このままでは早晩、赤字転落は避けられない。ビクターが危急存亡にある時、高野さんが手をこまぬいているわけがない。
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米国市場における乗用車販売でトヨタの三位転落は、時間の問題となった。といって手をこまぬいていただけではない。社内で侃々諤々の論議を続けた。
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ヤマハから激しく追い上げられているが、四輪車を犠牲にするわけにはいかない。といって手をこまぬいていたわけではない。五十五年に入って、ボストンコンサルティンググループの協力を得て、密かに迎撃作戦をスタートさせた。
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もちろん頻発する水害にただ手をこまぬいていたわけではない。内務省は技術者を派遣し、予算面でも配慮を行い、内務省の技術者の支援のもとで福島県は1890年以降、本格的な堤防建設に乗り出した。
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けれども、迷路のようなユートピア群像について少しでも明瞭なイメージを得るためには、大ざっぱな見取図でもつくって、それを手がかりにして迷路の中に踏みいってみるほかにない。ユートピア群の巨大さに圧倒されて手をこまぬいているよりも、そのほうがまだよい。ひとつ、手はじめに簡単な思想史的な類別を試みてみよう。
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その一方でモータリゼーションの波は、着々と押し寄せてきている。手をこまぬいておればジリ貧となり、四輪車からの撤退を余儀なくされてしまう。宗一郎と藤沢は頭を抱えてしまった。
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二十人は防寨につけ、六人は屋根裏や二階の窓に潜んで、舗石の銃眼から襲撃軍を射撃しろ。ひとりでも手をこまぬいていてはいけない。間もなく襲撃の太鼓が聞こえたら、階下の二十人は防寨に走り出ろ。
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あたしがもっと強く主張すればよかったんだけど、あいにく、その晩からテルちゃんがいなくなったので、どうすることもできなかったの。でもね、あたし、全然手をこまぬいてたわけでもないのよ。せめて、遺族や御親戚のかただけには、先生が無罪だってこと、知らせてあげたいと思って、手紙を書いて、あのお葬いの日に、受付けへ渡してきたのよ。
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ワーテルローの村はただ手をこまぬいていて、戦地をへだたる半里の所にあった。モン・サン・ジャンは砲撃され、ウーゴモンは焼かれ、パプロットは焼かれ、プランスノアは焼かれ、ラ・エー・サントは強襲され、ラ・ベル・アリアンスは二人の勝利者の抱擁するのを見た。
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