悦に入る
全て
動詞
58 の例文
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まさか、今悦に入ったりしてはいやしないでしょう?悦に入っているなどと思ってお書きにもなっていないでしょう。素朴な合理主義をより成長させるための努力。
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その指先から、いきなり意地悪く本をわきへ引き離されたりしても平気です。少しうしろへ下がって、本のかわりに奥さんをながめて悦に入っています。奥さんは本を読むか、読みたいところを探すかしていました。
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「親魏倭王」の金印を卑弥呼がもらったのも、同年十二月となっているから、洛陽では、公孫氏を鎮圧して帰還した将兵が凱旋の喜びに沸きかえっていた時であった。魏の明帝も喜色満面、大いに悦に入ってこの称号を与えたことであろう。考えようによっては、御祝儀相場といえないこともないのである。
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彼は、明らかに目くばせをしながら、僕の方を向いて、天国の法廷に友人を持っていることは、すばらしいことだとつけ加えた。それを祝うかのように、一人で悦に入りながら彼は次のように話しつづけた。いっさいの社会のおきてに従い、時々教会を維持するために寄付したり、ミサに出たり、告解したり、罪の赦しを受けたりすることは、一般の人々には必要なことである。
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フライが上がると毛糸が尾を引いて行く。「糸を引くような打球とはこのことだな」 池田一人が悦に入っている。キャッチボールだけは藤太が見つけてきたゴボゴボボールでやり、二、三日中に大人がもう一個ずつ作ってくることになった。
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尾形がここに朝鮮人ありと叫びながら玄竜を指差した時、実のこと、朝鮮の文人達は全く唖然とせざるを得なかった。が、当の玄竜はいかにも得意そうににたにたと悦に入っていたのである。田中は僅か一両日の滞在でしかも酒にばかり追い廻されて観察どころではないが、尾形に負けない程辛辣独特な観方をして書き送らねばならないと決心していた矢先なので、寧ろ代表的な朝鮮人と角井から太鼓判を捺された玄竜にひょっくり再び会ったことを幾らかは悦んだ。
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我ながらうまい芝居だったと悦に入りながら、再度春美に電話をかける。
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その声は、唇の間から、いかにも悦に入っているように流れてきた。
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モーリスは、こんな時ならぬ朝のうちに歩いてやって来たことも、新妻の病気のせいなのだと、まことしやかに言いつくろった。そして心のうちでは、自分の巧みな芝居にひとりで悦に入っていた。しかしバボア伍長は、モーリスほどには安心していなかった。
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高木直一郎は時折り思いついて応接間のある家の外壁をペンキで塗り替えた。真白に塗っていた壁を一夜にして真緑に塗り替えて一人で悦に入っていた。
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舌はきわめてわずかしかそれにあずかることができない。自分にかまけることは、ひとり悦に入っているように彼らには見える。自分と繁く交わることは、あまりにも自分を愛することのように見られている。
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「さて、諸君、どうやらこれで、ぼくらに対するグローヴナー君の腹蔵のない意見を、聞かせていただいたわけだね」 かれは、侮辱そのものには無関心なようすだった。その態度は、皮肉にすっかり悦に入っているといったふうだった。総監督代理として、会議の場に品位と節度を保たせる義務があるなどということは、すっかり忘れてしまっているようだった。
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するとこちらは、自分だけに女が挨拶をしてくれたのだと思つて悦に入つたものである。しかしながら、他人ごとにおせつかひ好きな人はたちどころに、ソローハが誰よりも哥薩克のチューブに対して一段とちやほやしてゐることに気がつくだらう。
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あと少しであの美しい宝石が手に入る。手の中の懐中時計を弄びながら少し先の未来を思い悦に入っていて。
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見物席のそこらここらから笑い私語く声が聞えたが、有繋は紅葉である、少しも周章ないで舞台へ来ると、グルリと後ろ向きになって悠然として紺足袋を脱いだ。「これだからシロウトは面白いよ、」と学海先生は大に悦に入っていた。無論内輪の催しであったが、学海翁が『読売』で劇評を発表したのでパッと評判となって、この次には是非切符を貰いたいというものが多勢あった。
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「トガンジャ・ザーカに目をかけてもらっておる者なら、きっと優秀なザニにちがいない」 「優秀なザニはただ一人しかおりません」わたしは答えた。彼は自分のことをいわれたのだと考えて悦に入った。
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こんなに必死で走ったのは、中学生のころの運動会以来かもしれない。しかし、結構僕の足もしっかりしたもんだな、と良二は一人で悦に入っていた。
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