御利益
412 の例文
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そして何ひとつお尋ねにならずに、私の境遇を見抜き、私の立場を承知しておしまいになり、私が金に困っていることがおわかりになったのです。どうかこの方の一年中の断食の御利益が、私の頭の上に戻りますように。
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当人自身に救ひがなきや、人を救ふ御利益のでてくる道理はねえからな。だから、あなた、私が彼女は美人だといふ、御当人が信じないといけないから、さういふお顔が好きなんだ、と云ふ、これは口説です。
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すべてが偶然だ。なにも御利益でなんかないぞと云ってやりたかったが云えなかった。右衛門が、おそるおそる播隆に、村の観音堂に籠って、今年の豊作を祈念してくれないかと頼んだ。
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私はこっちのひろい室へ大きい本棚を立ててね、あの白木のよ。その御利益に守られて大いに活力のある座敷にしようと思って居ります。今のようなときこそ本当の落付きがいるということ、実にそう思います。
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この観音堂の観世音菩薩は、奈良県桜井市の古刹・真言宗豊山派総本山長谷寺・本尊の観世音菩薩と同木で作られたもので、真木宗成が、三河・牛久保に持ち帰ったものである。御利益が高いとされ、かつて牧野家の守本尊の一つであったとされる。この観音堂は、現存していないが、仏像は、豊川市の長谷寺にいまも安置されている。
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だからこそ吉兵衛は大枚をはたいて朝廷の官位を得たのではないか。それでもし何の御利益もないのであれば、すべてはまやかしだったことになる。眼前に迫る東山、遠くに霞む北山、西山と首をまわし、最後に川の流れの先を望んで、元助は心中深く期するところがある。
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また、伊勢神宮への参詣では、道中で無一文になっても沿道の人々の援助によって旅が続けられるという「抜け参り」という風習もあった。これは、援助をした人も参詣した人と同じ御利益が得られると考えられたためである。歴史的には天皇が神社を参詣する場合には、行幸の語が用いられる。
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ただし、ここのところを理解していただきたいのですが、病苦から解放されるという報酬目当てに、あるいはそれを条件として信仰しよう、モノカミと契約を結ぼう、と考えてもそれは駄目ですよ。モノカミ教は信仰と引替えに御利益を約束する宗教ではありません。
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私の願はもちろん司法試験の合格だが、妙子さんは何を願掛けしたか言わなかったし、私もまた敢えて訊きはしなかった。御利益があったかどうかはわからないが、五月の択一式試験は突破できた。ヤマがあたり勘も冴えて、思ったよりも危なげのない合格だった。
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無謀なことはでけんけど、それなりに希望をかなえたり、かなえはできんでも、ちょっと楽な気持にさせてやったり、そういうことはできるわけや。けど、御利益があったからいうて、人間はずっと信心してくれるわけやない。のど元過ぎればちゅうやつや。
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あの慚愧にたえぬ出来事も、思いもよらぬ御利益があったというものだ。
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彼は、自分の唯一の食料を、 「たふ」 ということだけを知っているので、村の者達は皆何かの祟りに違いないと云っている。何でもよほど前のことだけれども、町へ大変御利益のある女の祈祷者が来たことがあった。そのとき、狒々婆も白痴の孫を連れて行って見てもらうとその女が云うには、幾十代か前の祖先が馬の皮剥ぎを商売にしていたことがあって、その剥がれた馬の怨霊の仕業なのだから、十円出せば祈り伏せてやるとのことだったそうだけれども、婆にその金の出せよう筈はない。
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内容はその「新吉原改良論」より巻末の「脚本白拍子祇王」に至るまで、一々「独創の識見」に満ちた御作です。先の「女の話」と並せて読めば更に沢山な御利益があることゝ存じます。
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そのまま暫く進むと、行きでは左側にあった神社が右手に広がっていた。僕が以前に利用した神社とはまた別物の御利益を掲げる場所だ。ここはイボに効果があると住民の間でまことしやかに噂されている。
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厄除け・家内安全などの御利益があるとされ、玄関に飾られることが多い。
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被害者が皆無だからだ。今も長生きを続けている老人たちは皆、ここの御利益にあずかったと信じている。その御利益を振りまいた当人、白川幸介は今、拝殿を通過し、本殿に駆け込んでいった。
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津軽三不動尊信仰が確立されたとする伝承がある。「一日のうちに三不動を参拝すると御利益が大きい」とされている。中野神社境内に、川柳句碑が5基、ミニ句碑が40基、青森県川柳社や黒石川柳社の有志の手で建てられている。
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たくさんの人々にとりかこまれた古い聖マルティンの尊像がしずしずと近づいて来ていたのです。その御利益で二人の病気はもうなおり始めていたのです。二人のかたわ者はかたわがなおりかけたと気がつくと、ぺたんと地びたに尻もちをついてしまいました。
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何の目的で使用しているカードか、どんな御利益があるカードなのか、持っていればわかるのだろうか。マスターが口をはさんだ。
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御利益がありそうなので秀麗はきちんと飾って毎日拝むことにした。楸瑛からも早々に早咲きの見事な梅の枝が届き、黄尚書も約束通り椿の一枝を贈ってくれた。
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客は皆、ここで猫を定期的に量っているようだが、何か御利益でもあるのだろうか。よく分からない。
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こんなことになるのもやはり仏様の御利益かも知れないよ。不動様には済まないが、しばらく下手人になって頂くんだ。
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お前の方の八幡様は贋物だって話だが、矢っ張り御利益があるのかい?
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最早、入鹿が口出し出来る状態ではなかったのだ。それに入鹿も仏の御利益を心の何処かで信じていた。「入鹿、そちは大臣の代理として、西国に使者を出せ、阿曇連比羅夫が適任じゃ」 疲れ切っていた蝦夷は再び寝所に戻った。
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あたしは寺を崇めてたからって、御利益があるとは思わないけど。
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「この井戸へ落ちて、よくまあ助かったねえ、ほんとに水天宮様の御利益だろう」 附近の親たちはその無事であったことを賀するやら、自分の子供たちが危ないところで遊ぶのを叱るやら、井戸側はまるで鼎のわくような騒ぎになってしまいました。「ほんとにこれこそ水天宮様の御利益だ」 いい面の皮なのは米友であります。米友の背が低いから子供に見誤ったものか、或いはこの驚きに紛れて逆上てしまったものか、誰ひとり米友にお礼を言うことに気がつきませんでした。
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当りまえだという顔でいる者が多かった。悪いことをした者に、如来様が御利益を与えるはずがねえではねえかと大きな声でいう者もいた。
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御利益をさずける必要もない、そこにいるだけの神としてだ。おかげで、無責任な暮らしが、鱗のすみずみにまで染み渡っている。
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