平穏無事
147 の例文
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ゆえにイル・ユースのニックネームも付いたのであろう。計器は平穏無事を示していたが、穴は底がないようにいつまでも続いていた。これほどの探査になるんだったら、ソピアが同行してくれればよかったとムーは思ったが、いまだシンが本調子でないのでソピアは出動できなかった。
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生まれ育った土地に戻っても、また追われて捕らえられるかもしれない。あるいは家族や理解者の協力を得て、平穏無事に暮らせるかもしれない。いずれにしろ選ぶのは彼女自身、俺達には強要することはできません。
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私は、お凛が帰ってゆくと、それで一日が終ったような気がした。つまり、私が六歳のころ、私も、私の一家も、平穏無事に暮らしていた。七歳の春、三月の風の吹く朝、私が店で、丁稚の五郎衆が父の吸い残しの煙草をうまそうに吸うのを眺めていると、巡査がぬっと入ってきた。
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その後五月十一日から八月二十二日まで、凌霜隊は会津藩日光口総督山川大蔵の指揮下に入り、塩原に駐屯した。この間、敵はあらわれなかったから平穏無事の日々をすごすことができた。だが八月二十三日に官軍が若松に侵入したと翌二十四日に知らされ、塩原から会津西街道経由横川まですすんだ時、官軍大部隊の猛追を受けた。
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子供の松太郎も美しく生い立ち、前途の憂などは更に無かった。しかし此儘彼の生活が平穏無事に過ぎ行くとしたら物語に綴る必要は無い。果然意外の災難が彼の一家に降って湧いた。
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無関係な人間が、生きようと殺されようと、まったく関心がない。自分の生活の平穏無事さえ保障されていればそれでよいのだ。だから、それを少しでも脅かす虞のあるものは、徹底的に忌避する。
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新しくオープンした阿蘇の温泉施設の紹介を若い女性レポーターがやっている。テレビで見る限り、熊本という地域は平穏無事を絵に描いたようなものである。
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病気がちではあったが、平穏無事に本を執筆し続けた。
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当時は小太郎、小次郎等の名がよくつけられていた。名前とすればごく平凡であり、平穏無事に育って行くようにとの願望がこめられていた。「小太郎か、これはいい名だ」 由良の館から、祝いに来た基氏が言った。
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好きで魔道書の主になったわけじゃないんだ。妖怪アパートに住んでいてこう思うのもなんだけど、平穏無事に暮らしたいんだ、俺は!
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割れたかけらが鬼の牙に見えることから「オンノキバ」と呼ばれる。残り半年の平穏無事や健康を願い、江戸期には珠洲の各家庭で盛んに行われていたとされる。カリポリとした音で体内の邪気を祓う意味もあると言われている。
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司法解剖の結果、女性の死因は気道熱傷による窒息死と判明した。女性は、伊勢神宮へこれまでの平穏無事のお礼参りに向かっている最中だった。この他、乗客26名と乗務員2名の計28人が煙を吸うなどして重軽傷を負った。
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ただいわゆる事件を起さなかったか、あるいは起しても甚だしく小さかったために、それが年代記の上に顕われていないだけである。彼等が平穏無事の間に積み上げたものは、土地とその利用状態とであるがこれは物を言わぬ。物を言うのはおそらくは地名のみだが、これが次々の先祖の足跡を遠望する唯一の目標であることを、今はまだ心付かずにいる人が多いらしいのである。
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泰平は人の心から昔の覇気を失わしているし、元来物を所有するということは、それを失うまいとする心持を必ず伴って、自分がそれを失わずにいられる現在の境遇を、それが正しくあろうが正しくあるまいが、唯一無二のもののように思い込むことになる。領土があり位があって、平穏無事で行けばこれをなくすることのない御親戚がたのことである。内蔵助達の暴挙を嫌うのは、むしろ当然すぎることではないか?
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そうこうするうちに、船はトーラックに着き、積荷を下ろしてジャパル向けの別の船荷を積みました。帰りの旅はジャパル湖にはいるまでは平穏無事でした。船は習慣どおりに、暗くなってからマイポスを通過すべく湖の下流の端で一時、停船しました。
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ダイヤモンドさながらの霊剣の刃は、魔王サフィアーンの眼前にたちはだかる万有を斬り、裂き、塵のように払い捨てて、ジンニスタンに破滅の秋をもたらしていました。この人物が通るところ、怪異たちに平穏無事はございません。蛇のジンニーアの栖に棲みついている生命を見舞う責め苦、想像をはるかに凌駕した痛み。
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そして帰宅はいつも夜明け間ぢかでした。私と彼との関係は平穏無事でした。私達の間にはいささかの誤解もありませんでした。
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雑踏に混じっても、 油のように浮かび上がる。昨日の今日とはいうものの、他の誰かであれば、 一日を街に埋もれて平穏無事に終えられたかも知れない。追われたのは花鶏だからだ。
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だが、その間、日見加村の村人たちは、のんびりと幸せに生きてこられた。他の山村のように、過疎化に頭を痛めることもなく、平穏無事に生きてこられたのだ。真希は目を見開いた。
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すべてのものが、人を倦怠にさそいこむ。この熱帯の捕鯨生活は、たいていは崇高な平穏無事のうちに過ぎる。何の噂も聞かなければ、新聞も読まない。
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全世界が注目する格闘大会であるため、優勝チームには莫大な賞金と格闘家として最大級の栄誉が与えられる。しかし「平穏無事に終了したことは一度も無い」と言われるほど毎回決勝近くではトラブルが起こっている。これは大会主催者がルガール・バーンシュタインのような裏社会の権力者やオロチ一族のような存在だったり、ネスツといった秘密結社など後ろ暗い者たちが大会を利用したりするためである。
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この新しい乗り物は見ばえはなかなかよかったのだが、アフリカ帽のことを考えると、タルタランもプリンスもラクダに乗りつづけるわけにはいかなかった。そんなわけで、いままでどおり、歩いて旅をつづけることになり、一行は南へ南へと少しずつではあるが、平穏無事に進んでいった。タルタランが先頭、プリンスがしんがり、そしてあいだには、武器箱を積んだあのラクダ。
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これは、平穏無事の航宙を約束してくれた。しかも、深宇宙では、平穏無事の航宙は例外的というよりあたりまえのことなのだ。
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プランシェはロシュフォールの好意で、親衛隊の軍曹になった。ボナシュー氏は、細君がどうなったか知らず、また気にもかけないで、平穏無事に暮らしていた。ある日、彼はかるがるしく枢機卿殿のごきげん伺いにまかり出たが、枢機卿からは、将来、何不自由ないようにはからってやろうという返事があった。
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彼はそこに突立って、はあはあ、あえぎながら、生命のうしろ姿をじっと見送っている。生命は別に倒れもせず、平穏無事だった。タイヤアも裂けず、石一つ道をさえぎることもなく、はずみながら疾走してゆく。
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おかげさまで、平穏無事に高校生活初日を過ごすことができました。
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歩く時間と、歩く難易さにおいては神戸近郊の山と大差はなかった。この道がヒマラヤへつづくものだとすれば、それはあまりにも平穏無事であり過ぎるように思われた。燕山荘には、老人がひとりでランプを磨いていた。
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彼はゲーテのように、絶え間ない衝動によって動かされ、探求の方に絶えず押しやられていた。魂の平穏無事や逃避は、彼のとらないところだった。不安、創造的な懐疑、無限の真理探求が、彼の領分だった。
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