少し気障
4 の例文
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私は大分腹が立って来た。然し怒り飛ばす気にはなれず、為方なく、 「君みたいのは、少し気障だぜ」と出来るだけ冷淡に云った。そう云う意味が芳枝に通じるとは勿論思っていないのだ。
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その晩、開幕前に、シガーのけむりや香水の匂いが、クル〓〓と魔宮のように渦巻いた廊下に立っていた私が、ふと、棕櫚のかげからきた三四人のつれに目をやると、まんなかにいたのがうたがいもなくT・Nではありませんか。「やあ」と私が云うと、彼も又早足に近づいて、からだを引くようにして少し気障《き ざ》な、しかしそれがこの場合その人に取って決して不似合ではない鷹揚な礼をしました。この時、ドキンと私の胸を打ったのは、そんなサロン式の挨拶ではありません。
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どうしてくれよう。それから、おれは小早川夫婦のことをあれこれ訊いてみたが、あまり人前に姿を見せぬ以外は、少し気障だが極めて温厚、良識のある人物としてそれなりの敬意を集めていることがわかった。
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若い女にありがちな、しまりのない甘さや媚態の現れではないか、と疑ったのだった。それで、あるときは、「君みたいのは、少し気障だぜ」と、つっぱなすように云ったこともある。しかし、だんだんとそうでないことが判ってきた。
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