奢侈廃止
4 の例文
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さればもし世間の金持ちがいっさいの奢侈ぜいたくを廃止するならば、たとい社会には依然としてはなはだしき貧富の懸隔を存し、また社会の経済組織もすべて今日のままに維持せらるとも、私のいうがごとき貧乏人は、すべて世の中から跡を絶つに至るべきはずである。これ余が、富者の奢侈廃止をもって貧乏退治の第一策となすゆえんである。
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その心がけとは、口で言えばきわめて簡単なことで、すなわちまずこれを消費者について言えば、各個人が無用のぜいたくをやめるという事ただそれだけの事である。私が先に、富者の奢侈廃止をもって貧乏退治の第一策としたのは、これがためである。思うにこのぜいたくということについては、今日一般に非常な誤解が行なわれているようである。
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頭脳の鋭敏なる読者は、私が貧乏退治の第一策として富者の奢侈廃止を掲げおきながら、その第一策を論ずる中に、私の話は一たびは富者を去って一般人のぜいたくに説き至り、さらに消費者責任論より生産者責任論に移りしを見て、ことに私の脱線を怪しまれたであろう。しかしこれはただ論を全うするためで、私の重きを置くところは飽くまで、富者の奢侈廃止である。すなわちこれを生産者の責任について論ぜんか、すでに述べしがごとく、需要と生産との間にはもとより因果の相互関係ありといえども、しかもそのいずれが根本なりやと言わば、需要はすなわち本で、生産はひっきょう末である。
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頭脳の鋭敏なる読者は、私が貧乏退治の第一策として富者の奢侈廃止を掲げおきながら、その第一策を論ずる中に、私の話は一たびは富者を去って一般人のぜいたくに説き至り、さらに消費者責任論より生産者責任論に移りしを見て、ことに私の脱線を怪しまれたであろう。しかしこれはただ論を全うするためで、私の重きを置くところは飽くまで、富者の奢侈廃止である。
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