四分六
全て
名詞
29 の例文
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どこの会社も雇ってくれないような、余ってる人しか求人で来ないんですよ。来るのは四分六で男性が多いですね。女性が支配人とかに応募してくることはほとんどなかったですね。
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コンビ別れする漫才の、原因のほとんどは、それだった。例えば四分六に分けた場合、六分を取るベテランのほうは、半分ずつにしたときよりも、わずか一分だけ多いと計算してしまう。ところが四分しかもらえない新米の側から見ると、相方は自分よりも二分も多く取っている。
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手術の可能性を、四分六と低く見た彼が、手術を一応の成功と認めた後、参観者たちに行なった説明は、輝やかしい成功のあとに残る最低の障害への、自らの権威のための弁護であったに違いない。もともと手術は四分六で、死ぬか、よくて聾と決っていたのだ。しかし、子供の生命がともかくもとりとめられた今、子供の聴覚は、母親にとってもう一人別の子供の生命のようなものに違いなかった。
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まず相対では四分六、残念ながらあんたが四で先方が六じゃ。
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お前の所には百円の馬券が九十円で入ってるんだろう。その十円のうち、集配所と話し合って四分六くらいの率でさやをとっているはずだからな。
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至るところにあるのである。糸川の女は、とりまえは四分六、女の方が四分だそうだ。しかし食費などは置屋が持つ。
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それからまもなく大広間へ入ってゆくと、懐中電灯で四方の壁や天井を照射しながら、やっぱりここにちがいないと思わざるをえなかった。この部屋は正方形にできているのではなく、四分六のわりで縦の長方形になっており、短いほうの一辺に観音開きの大きなドアがついていて、それが正面入口になっている。そして奥まったところの左右の壁にむきあって、それぞれドアがついているのだが、いま金田一耕助が入ってきたのはむかって右側のドアである。
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「でも耳のほうが全然、何をいっても、全く聞えないようなんです」 治夫は、宮地教授が手術後参観者に向ってした説明と、手術前、高野教授の部屋で断層写真を手にしていった所見を思い出した。手術の可能性を、四分六と低く見た彼が、手術を一応の成功と認めた後、参観者たちに行なった説明は、輝やかしい成功のあとに残る最低の障害への、自らの権威のための弁護であったに違いない。もともと手術は四分六で、死ぬか、よくて聾と決っていたのだ。
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この試験に受からないと一生課長になれない。試験の成績と平素の上役へのゴマすり成績のかねあいは四分六だとか三七だとかの噂がある。また合格率は六パーセントか七パーセント、たとえ合格しても課長の椅子がなくてダブついてるのが七、八人もいるということであるが、とにかく合格しなければお話にならないので、久瀬は『憲法精解』を持って寝床にもぐりこむ。
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私は子どものころから、『JJ』をはじめ、いろいろなファッション雑誌を見てきたから、自分ではできないにしても、人がやっていることを見る目はあったと思う。高校生くらいになると、四分六くらいに構えてニッと笑うという、日本人のモデルの伝統的な表現法に、どことなく不自然さを感じるようになっていた。私は鏡を見て、ありきたりのポーズをつくって、笑顔をつくって、というような練習をする気にはなれなかった。
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それでも賄夫をふたりやとってその月給も、寄宿料の中から払っていたのであるから、食事が粗末になるのも当然であった。飯は四分六の麦飯であって、それがたんつぼのような白い陶器の器に盛り切りである。朝はみそ汁だけ、それも塩を半分入れた薄い汁である。
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最初の東京監獄の時は弁当の差入れがあるのだから別としても、その次の巣鴨の時にも、二度目の巣鴨の時にも、刑期の短かかったせいかそれほどでもなかったが、こんどは自分ながら呆れるほどにそれがひどくなった。好き嫌いのずいぶんはげしかったのが、何でも口に入れるようになったのは結構だとしても、以前には必ず半分か三分の一か残ったあのまずかった四分六の飯を本当に文字通り一粒も残さずに平らげてしまう。
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なお東京市内ではないと存じますが、場末の蕎麦屋なり駄蕎麦屋では、鶏卵も薯類及び葛粉などを用いないで、米利堅粉を「つなぎ」に多く入れるところがあるかのように聞いています。その内ひどいのになると、蕎麦粉四合につき米利堅粉六合、即ち「四分六」の割にしているのもあるそうです。次は蕎麦粉五分の米利堅粉五分の半々位のものもあります。
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宣伝が利いたのか、面白いほど流行った。婆さんは便所に立つ暇もないとこぼしたので、儲けの分配が四分六の約束だったのを五分々々の山分けにしてやった。狭山で四日過し、こんな目のまわる様な仕事はかなわん、元手が出来たから博奕をしに大阪に帰りたいという婆さんを拝み倒して、紀州湯崎温泉に行った。
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蒔絵師で有名だったある人に頼まれてやった献上品の書棚なんかは、あれだけのものはちょっとありません。「シブイチ」というつくりで、銀とクルミ銅を四分六にまぜた仕事ですが、まったく良い仕事でした。
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「今のところ、四分六です」 「いい方に六か」 「ええ」 すると社長は隣に坐っている島村専務の手からメモをとりあげ、眉を寄せて眺めた。「相模製薬がうまく行けばなんとかなりそうだな」 専務の島村はテーブルの上に体をのりだすようにして佐伯に微笑を向けた。
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ただし、五分は譲れよ。いや、四分六ではいかん。それでは儂が笑われる。
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