味をしめる
12 の例文
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しかし、それは麻薬と同じである。一度、その味をしめると次も同じことをしようとする。それで鳥羽の船は沈んだのである。
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からだがとろけるようで、しかも強烈な刺激。その味をしめると飲むのをやめられなくなる。夢のような日々。
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伊藤にとってロンドンは曾遊の地だし、高杉も前に上海へ行ったことがある。外国旅行というものは、一度味をしめると病みつきのようになるもので、これは今も昔もかわりはないらしい。高杉は、前に大阪、讃岐方面へ逃げ出したときにも、外国へ行くと称して、藩の金を千五百両も引き出し、その清算をまだしていなかった。
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彼はそこの遊戯場にあったさまざまな珍らしいカラクリや室内遊戯に、たまらない魅力を感じたものであった。彼の父はこの温泉の経営している電鉄会社の顧問だったので、彼は一度来て味をしめると、そののちは母にねだって書生を伴に、毎日のように遊びに来たものである。しかし書生はカラクリや室内遊戯をあまり好まず、坊ちゃん、そんなに遊戯に夢中になっていると身体が疲れますよ、そうすると僕が叱られますから向うへ行って休憩しましょうと、厭がる荘六の手をとって座席の上に坐らせたものだ。
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今なら多少経済的な余裕があるけど、買うのもったいないというか馬鹿らしくて。それにゴミ拾いって、いったん味をしめると面白いんだ、これが。もう今じゃ趣味だもん。
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チェルケンやこうした助手たちを放っておき、不気味な力を有している装置が存在するならば、近い将来ありえることではないかと。ナクシット教団に対しては自己防衛といえる一面もあるが、もし石の装置によって大きな勝利をおさめれば、味をしめる者も現れるだろう。すでに助手のケラスは、そうした先を楽観的に思いえがいているようだ。
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晋吉は、怒りよりも、絶望を覚えた。ゆすりというのは、一度味をしめるといつまでも続く。それと同時に、ゆすりの金額は、どんどん増えていくことも知った。
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このような事例から浮かびあがってくるのは、まず保護者の無知ということであろう。当時の貧弱きわまりない福祉政策のもと、貧困のゆえにやむなく長女一人を売らねばならない事態が起こり得たにしても、一度味をしめるやたちまち二女、三女までも売りとばし、恬として恥じない親が多かった。昭和六年の吉原芸妓六百八十一人の調査によれば、姉妹で芸妓ないし娼妓勤めをしている者は十六名にすぎなかったが、これは申告調査であるから、一家の恥として正直な回答をしていないと推測される。
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しかし、果樹と薬草の名目では、使える金にも限度がある。一方、女遊びのほうは、味をしめるととめどがない。そのうち、江戸家老にさいそくされる。
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何、一度味をしめると飛ついて露も吸いかねぬ。
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さしたる悪気はなくて失敬する。そういうことに味をしめる。すると、泥棒の卵を一人こしらえてしまうことになる。
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