厚顔無恥
161 の例文
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あそこまで厚顔無恥な男になっていたとは思わなかったわ。
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息子の細く柔らかい首を、この手でねじ切ってしまいたいと思ったのは、その時がはじめてであった。自分の厚顔無恥をどこかで悟りながら、それでも夢中で生きている。私の人生はずっとそれであった。
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だがどんな言葉を使おうと、彼の心は傷つけられるような状態になっていたのだ。どんな説明もばかげたもの、厚顔無恥なものになると彼は感じた。そこでルパンは、押し寄せてくる思い出の波につかりながら、さびしげにつぶやいたのである。
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なるほど、かくべつよい男というのではないが、ゆたかな肉付きとたくましい骨組み、みずみずしい膚の色つやは、みょうに肉感的である。中年男の厚顔無恥な色気が、膚にギラギラ浮いているような男であった。さて、もうひとりの被害者は、としのころ三十前後、ちょっとあでやかな器量の女だ。
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そしてその娘が、今さき最も厚顔無恥な言葉を自分に浴びせかけたのである。
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と叫んでいるだけなのです。見ているこちらが恥ずかしくなるような、哀れで、厚顔無恥の人たちです。恐ろしいことに、怒れる女性は、こんな怒れる女性を支持するのです。
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そして後に続く三雲とすれ違うと、 「やあ、お元気そうじゃないですか」 大蔵委員会での卑劣な追及など忘れ果てたように、笑いかけた。三雲は厚顔無恥なその笑いかけを無視し、鉄平の霊前に静かに焼香した。新たな香煙がたちのぼり、鉄平の柩の上にたゆとうように輪を描いた。
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きっと自分の小説に自信がないのかもしれない。小説というものはどこかに厚顔無恥なところがないと書けない。一見派手で、自己主張の強そうな真美子が、小説に関して自信がないというのは面白かった。
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自分は手を下さず優雅に高見に座りながら、人が食用の豚みたいに殺されてゆくのを、眉一つ動かさず平然と見おろしている。そんな厚顔無恥な連中が、今も昔も、うんざりするほど姫倉にはいるじゃない。じいさんだって、これまでさんざん汚い手を使って、目障りな人間を叩き潰してきたはずよ。
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それなりに埒を明けられる作戦だろう、とは思っている。しかし、それを口にするだけの厚顔無恥さはなかった。なのに調律師たちは、正しさを盾に、自分が言い出すのを待っている。
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責任の一端を担っていないと言えるほど、厚顔無恥ではなかった。
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密着した二つの顔のあいだに流れるものは、雨か涙かわからない。傍若無人、厚顔無恥の弾正ではあるが、このときは実際に時のたつのを忘れた。まるで夢幻境で熱い雨に濡れているかのようであった。
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おまえにとって、ぼくは、もう秘密を隠す努力をする必要さえないほど、稀薄な存在になってしまったというのだろうか?それとも、仏面鬼魂で、とほうもない厚顔無恥が、おまえの正体だったのか?
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兄の死を冷眼視するほど、彼女が厚顔無恥であるとしたならば、彼女を思ひ知らせるには、さうだ!彼女を思ひ知らせるには。
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僕はこうした度を越す人込みが死ぬほど嫌いだ。多数の群衆の中には必ずマナーなど学んだこともない、という厚顔無恥なやつらがいて、死ぬほど頭にくることになりかねないからだ。むかついたあげくのはてに、気分が悪くなる。
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願わくは彼らはその態度を改善してもらいたいものである。さもなければ後生のやはり同じような厚顔無恥の者へのいましめとして、あの連中の名前を全部そっくり書くからそのつもりでいてもらいたいものである。
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兄の死を冷眼視するほど、彼女が厚顔無恥であるとしたならば、彼女を思い知らせるには、そうだ!彼女を思い知らせるには。
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しかしね、確かにそんなこと家族には相談できない。亭主が閨に訪れないなどと親に愚痴る程、梗子さんは厚顔無恥な人じゃなかった訳だ。ましてや姉であるあなたになど打ち明ける筈がない。
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私は自分が厚顔無恥であるということを時々意識することによって、自分に不愉快を感じさせられる。
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なんだか人々がみんなで自分を騙してきたような気もする。そう思うと自分に陰毛があって性器があるのが許せなくなり、自分も人々も厚顔無恥な嘘つきに感じられる。フランチェス子にはクリトリスがない。
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それが熟練した夫婦の自信をつくる。奔放に開いた裸身を夫の目から隠そうとしないのも、厚顔無恥になったというより、その自信によるものであった。それは、成熟に達した女のまだ十分夫を惹きつけられる魅力を意識している自信である。
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なぜか顔が赤らんだ。厚顔無恥を任じるこの男が、似合いもしない恥らいを見せたのだ。これには本人が一番驚かされた。
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これが商会との取引で、それも信じられないほど厚顔無恥な契約の値切り方をされるというようなことがあったあとでなければ、フルールはきっとハンスの名前と顔をいつまでも覚えていたはずだ。貪欲なくせに、ひどく謙虚。
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これも君たちんとこの影響、『君たちんとこの風俗の軟化』の影響から生じたことなんだ。それでだれが得をしたかといえば、得をしたのは厚顔無恥な連中ばかりだ、はじめから良心がないとすれば、良心の苛責もへちまもあったものじゃないからね。
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なぜなら、私はいまだかつて、おおわが殿、面と向って女の顔を見たこともなければ、女たちと交際したこともありませんでしたから。そしてこの娘たちときては、淫りがわしさの史録類のなかにも例のないほどの厚顔無恥、大胆不敵振りでございました。そこで私は娘たちの有頂天のさ中で、馬鹿のように、度を失い、恥じ入り、鼻を足の先まで延ばして、茫然としていたのでした。
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マッカーシーはペレスがソ連のスパイであると主張し、軍法会議にかけるよう米軍参謀総長のロバート・スティーヴンスに圧力をかけた。マッカーシーの厚顔無恥な攻撃に激怒した陸軍は、反撃に出た。陸軍は、過去にマッカーシーの事務所で働いていて当時徴募されていた兵士デイヴィッド・シャインについて便宜をはかるようマッカーシーとコーンが軍に依頼していたことを暴露し、さらにコーンとシャインが同性愛の関係にあったとみられることをマスメディアにリークした。
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こんな厚顔無恥な輩に比べれば、こそこそ買春する男性の方がはるかにましである。
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われはここに固く誓おう、われが汝に勝ったならば、汝を平穏に故国たる巫女の地に帰してやることを約束する。その場合、汝は二度と羅刹国に対して厚顔無恥の権利を主張せぬよう約束せよ。
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