冥利
241 の例文
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こんなふうに男に言わせることができれば女冥利につきるというものよ。
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それらの人と会うことができたのは、検事冥利につきると思っている。
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なにも、亭主だけに抱かれていなくてもいい女だぜ。日毎、男が変った方が、かえって、ああいう淫乱には、冥利になるんだ。しっかりしろい。
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また大学で『意味の変容』について、学生たちに話して下さったので、学生たちの間には、複写したものではあるが、『意味の変容』が僅かながらも拡がりはじめた。わたしとしてはむしろ望むところで、冥利に尽きるとさえ思っていた。
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これは山門の中へは持ち込めない。そうかといって、ここへ無下に打捨らかしてしまうのも冥利である。そこで、主膳は門番の戸を叩きました。
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几帳面である反面、はなはだ気難しく、俗物を嫌い気に入らない人物とは口も利かず、筆や杯を投げて帰らせることもたびたびあった。また冥利のためには描かなかったという。雲泉は自らを文人だと称して画人であることを隠しており、画人と呼ばれたら白眼視して返答しなかったという。
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作り手冥利に尽きる、と大半の方は嬉しがるけど、マユは普通じゃない。あからさまに苛立ちながら、焼きそばが二人の口へ吸い込むように消えていく様を見ている、歯軋りをして、腕の皮膚に爪を立てる。
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せっかくの千両を宙に迷わせちゃ、冥利にあまる話じゃありませんか。
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この第四幕とエピローグの垂死の老人の嘲笑には、ぞっとするような怨念と、するどい皮肉と、微妙なあかるい諧謔とが混り合っていて、このマスクは日本の芝居にも外国の芝居にも、ちょっと類がない。おそらく世阿弥を演じる役者にはこの場面は冥利につきる場面である。出来ばえは「世阿弥」に及ばないが、残酷な現代の童話劇「カルタの城」にも、山崎氏の若い才能のひらめきは明らかに示されている。
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今日日、あれほど純粋に魔術師の本道を貫いている人間はそういるまい。他の連中が求めているのは総じて浮世の冥利であろうよ。
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わしのような者でもいじったらば、それだけの値打ちがあるやろうと、たったそれだけの思惑で、身代かぎり放りだしなはった。いわば、茶金の名前を買うていただいたようなもの、わし、商人冥利につきますわ。あんたに、まるぎり損さしては、わしの気がすまん。
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そのあたりのことを、要介は知っているのかいないのか。いずれにせよ、自分のいうままになってくれる男性を一人持っていることは、幸せというか女冥利に尽きるというべきである。いきなり電話をもらって、要介は驚いたようである。
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一人で費っちゃ冥利が悪いから、とりあえず親分に見て貰うつもりで持って来ましたよ。ね、何かこう役に立てるような口はありませんか、親分。
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一人で気の赴くままに回るのも、電球や提灯による仄明るい橙色の灯りに包まれた道が、それなりに雰囲気を演出してはくれるので悪くないのだが。今年は、女の子と待ち合わせ出来るという青春冥利に尽きる展開だった。待ち合わせの相手は、予定調和であればいいなと願ってやまない御船リュウシさん。
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そう考えると、満更でもない気持ちになる。そして、こういう男性を夫に持てたら女冥利につきるのではないだろうか、と思ってみる。相手の男がまだ独身でいることを、最近の週刊誌か何かで読んだ記憶があったからである。
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お母さんは多分、久し振りに女冥利につきたんでしょうね。
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若い女と一緒に暮らせるだけで冥利と思わなければなるまい。友人たちは声をそろえて、 「毎日、いい思いをしてんでしょう」 と、からかう。
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勿論、今日とは違つて、その昔は一文の飴を買ふのもめづらしくないが、所詮一文は一文であるから、それを売ると売らないとが一日の収入の上、左ほどの影響のないのは、亭主にもよく判つてゐたが、彼はその女の来ないうちに店を仕舞ふ気になれなかつた。むかしの人は正直である、商売冥利といふこともよく知つてゐた。したがつて、たとひそれが僅かに一文のお客様であらうとも、毎日欠さずに来てくれる以上、その人の顔をみないうちに店を仕舞ふのは義理がわるいやうに思はれたからである。
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よし、今にみていろよ、あの女がオレと別れたことを百回も後悔するような、いい男にいつか必ずなって見返してやるからな。そんなふうに男を発奮させることができたら、それは別れ冥利につきるというものだ。そのようにいい男の予備軍の種をまいていくのは、人助け、男の質を上げるためにも大いにいいわけで、政府は助成金くらい出すべきだと思う。
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祖先以来荘厳にして置いた名山を、食い物にしようとする人間の浅ましさはさて置き、管理するお宮とお寺とが、これではなさけないと思います。七兵衛は天成に近い盗賊だが、それでも、これだけの冥利は知っているのです。七兵衛はまた、時として、優れたる家相学者であることもあります。
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まあ、そこまで気に入ってもらえればゴミも冥利に尽きるというものだ。
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したが、人間の一生は、旅する人のほんの仮りの休みどころじゃそうな。してみればこの金で、人に憐れみと親切をほどこしてやらんと、冥利がわるい。
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唾液やら、小便やら、精液は、熱き想いの管轄外にあるらしいのだ。それらのために、呼び出しをかけてくれれば、私も欲望冥利に尽きるのだが。こんな主人であるから、キスしたい、などと思われても、どうにも私はやる気が起きずに、だらけて手抜きしている。
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ヴェルハーレンの名声の高さを物語るできごとである。このようにして詩人冥利に尽きる名誉を得たヴェルハーレンであったが、その死はあまりに突然であった。
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今夜もまたすぐに帰ろうとする。なんぼ相手が承知の上でも、それではあんまり傾城冥利に尽きるであろうと彼女も思った。もうひとつには、店出しをしたばかりでまだ一人の馴染みもないお染のために、ああいう頼もしそうな客を見付けてやりたいとも思ったので、お雪は快く承知した。
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道中かかることの万一にもと、丹後守が心添えして附けられたものを、まだその国許を離れない先にこの有様では、なんと申しわけが立つ。人に申しわけではない、大切の守り人を眼前に奪われて、武術の冥利がどこにある。
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いつもいつも醒めている奴は冥利や金ばかりにかじりつく。
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吾を見棄てるか、吾を殺すか、うむ、どちらにするな。何でも負債を返さないでは、あんまり冥利が悪いでないか。いや、ないかどころでない!
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