一日千秋
全て
名詞
91 の例文
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高熱が全身を煮えたたせ、意識も蒸気のように頼りなく揺らぎつづけている。こんな状態にある時は、援軍がくるのを一日千秋の思いで待ちつづける。だが、孤立無援の百合川にとっては、援軍は求めても得られないものであり、ただ熱に浮かされて悶えているしかなく。
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私はこの発表を心待ちにした。一日千秋の思いとは、こういうときの思いではないかとも思った。待ちわびた二十日の夜明け、私は飛び起きて桐生駅へ走った。
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私はすべての事情をしたためて、彼に航空便を送った。そしてその返事の到着する日を、一日千秋の思いで待ちわびていたのである。その返事はやがて到着した。
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拙作ながら私も応募させていただき、一日千秋の思いで待っておりました。私は、清爽とした森に暮らす森パンダの愛らしい姿を表現したくて、『モリリン』を思いつきました。
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荒木家の武将の妻子たちが残された本丸は、信長の甥である織田信澄がその包囲を縮めていた。多くの残された女房たちは、援軍の訪れをまだ一日千秋の思いで待ち続けていた。しかし、主のいない荒木家の崩壊を止めることはできなかった。
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おたがいに恋いこがれ、この夜を一日千秋の思いで待っていたふたりなのだ。とはいえ、主馬も田鶴も、武士であり武士の娘である。
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わたしの飛行船を動かす燃料は、てのひらに載せられないくらい小さい、しかも、その建造に使われた材料をもってすれば、船の推定寿命は、建造に従事した物理学者によって、五十年近くだと計算されている。そのような驚異的な船の完成を、わたしが一日千秋の思いで待つのも無理からぬ話ではないか!とうとう船は完成した!
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八月十五日午前六時バーンズ国務長官は、日本政府の発した最終回答をうけとった。「これで一生を通じての一日千秋の待ち遠しさは終った」と思った。そして、すぐにロンドン、モスクワ、重慶との間の無線電話をつながせた。
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しかし、それも本人に会って承諾をとってからでないとだめだという。その日からというものは一日千秋の想いで待っていた。はやく面会に行ってきてほしい、などとは絶対にいえない。
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いいか、『都』じゃ、おれたちの報告を一日千秋の思いで待ってる人々がいるんだ。海でも川でも、あれば渡る。
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これから起きる明智との戦をそう見通していた。六月八日の終日、ある知らせを一日千秋の思いで姫路城で秀吉は待っていた。それは池田、中川、高山勢らの寄騎の合否であった。
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そして同志とともに一日千秋の思いでその報告を待った。一方、長祐之は桐生、大間々を経て、渡良瀬川に添って溯ること十数里、三日に足尾に到着した。
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先ず、禅堂で夜坐をしていた和田慈行が知客寮の覚丹貫首の許に訪れた。山下は応援の到着を一日千秋の思いで待っていたから、当然眠れるものではない。桑田と加賀も中島が殺されたと云う動揺は隠せず、次の間で夜坐を続けていた。
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どうかお骨折り下さい、しかもできるだけ早く。まったくどうなることかと、不安のなかに、その日を一日千秋の思いで待ちわびています。すぐに、同氏の助言を仰がなかったのは、氏の手腕を認めなかったのではなく、事件の打撃をうけて、なすべきところを知らなかったゆえであると、念を押しておいて下さい。
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次にはこちらから送った魚ですが、至急料理しないと腐敗するおそれがあります。野村大使以下一同首を長くして魚を召上った感想を一日千秋の思いで待っております。松岡 ああ、わかっちょる、わかっちょる。
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わたしとしましては、彼女なしには生きていけません。なつかしいお母さん、一日千秋の思いでご返事をお待ちしています。そして、二人して、心からの接吻をお送りいたします。
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長いあいだ、部落の様子を見ていたのですけど、兄もまだ帰還していないことがわかりましたので、わたくしはそのまま一族のものがめったに足を向けない谷間のそばにある洞窟で暮らしていました。兄が帰って来て、わたくしをジュバルから解放してくれる日を一日千秋の思いで待ちわびていたのです。ところが、もしや兄が帰っているのではないかと思って、父の洞窟へこっそり近づいたところを、とうとうジュバルの狩人の一人に見つけられてしまいました。
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