ほんの一隅
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つまり、ローダビア公の宮殿だが、他の国の王宮などと同じように、単にローダビア公の住居というだけではない。それは奥向きのほんの一隅のことで、宮殿そのものの機能は、まさに政府の中枢である。ローダビア公国の行政の中心そのものなのだ。
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そして、その山のその場所に、その花がもうなくなっているという報告を幾つも受けた。本文の中にも書いたことであるけれど、私はもう、三十年以上も前に中軽井沢の一つの林のほんの一隅を求めた。そこには山の花、野の花が、じつにゆたかに咲いていて、その花を毎年の夏に見たくて、ちいさな家をたてた。
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大陸のほんの一隅に疑似日本のミニチュアをつくって王道楽土だと自画自賛していたのである。しかし、行なったことはこの広大さに匹敵する非道の凝縮であった。
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だがすぐにべつの光が、障子から射しこんでいるのに清左衛門は気づいた。小鹿町は紅梅町のような茶屋町というわけではなく、町のほんの一隅に一軒の料理茶屋、数軒の小料理屋がかたまっているだけである。しかしそれでも、並みの町家がならぶ場所とは異るにぎわいがあって、夜はおそくまで軒行燈が通りを照らす。
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たとえばジョイスの『ユリシーズ』だって舞台はダブリンの町のほんの一隅、しかも、たった一日の出来ごとだからね。