お茶を濁す
65 の例文
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だがとにかく今はこう答えてお茶を濁す以外にできることはない。
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しかしこうやって書き始めてしまった以上は、何も話さずにお茶を濁すわけにもいかない。基本的に小説家なんてものは、恥を切り売りして生きていく厭あな商売なのだから、ここはひとつ厚顔無恥な勇気を出さねば。
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実は私も当時狗邪韓国の比定については疑問を抱いていたので、ぜひ現地に赴いて調査したかったが、なにぶんにもその頃はまだ韓国内の事情がゆるさず、あきらめざるを得なかった。それで従来の説に従いお茶を濁す結果となってしまい、申しわけなく思っている。その後、念願かなって大韓民国国際観光公社や講談社の好意で、たびたび渡韓し、旧帯方郡から韓国の西海岸及び南岸地方をつぶさに踏査することができた。
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だからメルルは、当たり障りのない言葉でお茶を濁すしかないのだ。
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バックス・フィズと来たからには、缶詰めや瓶詰めの、ミカンジュースでお茶を濁すわけにはいかない。それにお茶を濁すようなやり方は、彼の趣味でもなかった。極上のしかも出来るだけ新鮮なオレンジを絞って、フレッシュで使う必要がある。
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仕事を変えたくなったり、浮気をしたくなったりした時に、どう我慢するか、どう行動するか。大きいギャンブルをしたいと思いつつ、駅前でパチンコを打ってお茶を濁すか。有り金持って、二度と戻れない旅に出るか。
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その金の立て替えをルイが引き受けたのは、別れても好きな人にツケで飲む姿を見せられない、そんな沖村の見栄を応援したいからだ。負担にならない愛情生活でお茶を濁すよりは、とびきり美しい女の餌食になって人生の幾分かを無駄にするほうがいい。沖村の男心を、ルイは文字通り、買ったのだ。
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どのみち、もう一時間もすれば辺りは明るくなる。行方不明者たちが生きているとは思えないので、あとは道路が再開してから、捜索隊を半日ばかり入れてお茶を濁すことになるだろう。そしてまた神隠し谷の伝説に新たな一頁が加わるのだ。
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一身の幸福これより大なるはなけん。小説家その筆漸く意の如くならずその作また世に迎へられざるを知るや転じて批評の筆を取り他人の作を是非してお茶を濁す。事は四本柱の監査役と相同じくしてその実は然らず。
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離婚届を提出しようものなら、今年は僕が赤色にラッピングされてしまう。抱擁以外にもお茶を濁す手段は、一縷の望みながら存在する。けど、いいのかな。
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A面にはレオン・ラッセルとのセッションからのビッグ・バンド・バージョン、B面にはアコースティック・バージョンを収録。当時のアメリカの放送局では歌詞に問題がある曲の場合は、そのシングルのB面をかけてお茶を濁すのが慣例であったが、このシングルはB面の方が歌詞がより鮮明に聴こえて逆に効果大であった。
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あとは、おざなりの問いをいくつか投げてお茶を濁すと、尋問の終りを告げた。裁判長と陪席裁判官が、日本における被告人の仕事の内容とギャラについていくつか再確認の質問をした。
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昨今の日本語の姿は、七百年前に書かれた鴨長明の『方丈記』の一節を思わせる。それを一語だけ変えて、お茶を濁すとすれば、現今の日本語の情況は、こんな姿になり果てている。
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ここで本心の、などといったら血の雨が降るのは確実なので、 「そうだね」 といってお茶を濁す。こういっとけば彼女は満足なのである。
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大学院学生、助手、講師、助教授という定石コースを辿ったようなアカデミー的学問は私には全くない。といって、専門以外はできぬなどという我儘は許されぬ以上、にわか勉強でなんでも、とにかくお茶を濁すよりほかはないのである。なんともはやお寒い限りだった。
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大道易者をしたこともあります。人相や手相の一通りで、お茶を濁すぐらいのことは、何とかやってのけられます。変人の占師としての、私の評判を聞きつけた、謹一氏は、ある時私の荒屋を訪ねて来ました。
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今ここに長文のエッセイを書く余裕はとてもないから、私の感慨の由って来るところを随筆ふうに記してお茶を濁すことにしたい。
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話を久野久に戻すとして、教師となった久はその性格からいっても、尋常ならざる熱心さで生徒たちを教えたことは想像にかたくない。決して妥協せず、適当にしてお茶を濁すといったやり方は彼女の性格に反していたから、それは生徒たちにとってみればこの上なく厳しい先生であった。更にまた、彼女における教師としての厳しさの手本は、あくまで邦楽の世界のそれだった。
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その穴は、またわたしたちが埋めることになる。そんなに描けるキャラクターにバリエーションがあるわけでもないので、既に分けてしまったポスターのキャラの向き違いや姿勢違いでお茶を濁すしかない。きょうのわたしの服は、ポケットがいくつもついたカーキ色のジャケットに人民帽。
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さらに院長は、べつに家族の者がぼくの監禁に手を貸したわけでもないのに、どうして自分の身の上を家族の者に知らせる気にならなかったのか、と訊ねた。ぼくは、そんなことを知らせれば父親の苦痛の種になる惧れもあり、それにぼく自身でも恥ずかしいと思っているくらいだから、とかいろいろの理屈を並べてお茶を濁すだけにしておいた。とうとう彼は、その足で警視総監のところへ行こう、と約束してくれた。
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いきなり気の利いた答えが返せるものではない。お茶を濁すように周囲を見回したオーリャが、ふと、目を留めた。街灯の柱に、一枚のちらしが糊付けされていた。
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若いころから、義太夫を好きで語って来たけれども、素質がなかったのか、大して上達もしない。本物にもならず、酒席の座興で、お茶を濁すのが関の山だった。しかし、金五郎は、語りながら懐旧の念に耐えなかった。
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でもって、こういう計画性のない旅行では何かとハプニングが起きるものであります。というわけで、今回のあとがきではそういったエピソードを適当にピックアップしてお茶を濁すことに決めました。時間に余裕のある方はお付き合いください。
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いずれにせよ、こんな条件の元だ、分量については大体の目安でお茶を濁すしかあるまい。さて、次は玉子大のダイヤモンドを手にする番だった。
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ガキじゃあるまいし、なんだよその「えー」っていうのは。こういう無神経な手合いには、曖昧にお茶を濁すという態度は通用しないのだろう。「あんまり好きじゃないんです、そういうムダな人付き合い」 きっぱりと言ってやった。
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北が南へ浸透してゆくだけというのに、北爆は許されず、退屈極まりない哨戒と、形ばかりの訓練で、お茶を濁す日々の連続だった。アメリカの厭戦気分に付け込んだ北の挑発行為は、パリ和平会談を実り無きものとし、ベトナムは、まったくの手詰まり状態にあった。
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すぐに記事にできるネタといえば、以前取材したままお蔵入りになっていた産休補助教師を取材したメモくらいしかない。次週発行の『リリアンかわら版』は、またしても面白味のない記事でお茶を濁すより他にないのか。三奈子は悔し紛れに、キーボードをバシバシと乱暴に叩いた。
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本当は大好きだけど、なんだかそういった趣味を知られるのも恥ずかしい気がする。ここはうまくお茶を濁す程度でごまかそう。
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