あわよくば
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副詞
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一座のたれもが、このことに不用心を感じなかった。わずか二十数人で京をあわよくば占領しようという壮士どもが、である。かれらは、近藤の手紙にもあるように「万夫不当の勇士」ではあったが、計画がおそろしく粗大すぎた。
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あわよくば仲間に引っぱり込んで仕事をさせる気でいたのでしょう。
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従来も、あわよくばと、兄高氏の幽居へ近づきかけたことは再々だった。が、どうしてもそこの警固はくぐれなかった。
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顔を洗ってしまうと、私はふとゆうべの唸り声と、それに関連して、土蔵の中の双生児のことを思い出し、深山木氏が覗いたという、塀そとの窓を一度見たくなった。あわよくば、双生児がその窓のところに出ているかもしれないのだ。私はそのまま朝の散歩を装い、何気なく邸内を忍び出し、土塀に沿って、裏の方へ廻って行った。
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それを嫌った世界が、必死になって押し流そうとしている。槍のように強い雨は、あわよくば死を消してしまおうとする世界の涙。枕元の眼鏡をつけ、ひとつ伸びをする。
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気のせいか、目を細めたように見えた。あわよくば、庭掃除の仕事でも請け負いたいと思っているのかもしれない。仏壇の前には、供物が山積みになったままである。
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だから、相手の当惑につけこんで、暴れるだけ暴れた。自分との戦いが楽なものにはならないと印象付けて、あわよくばこの場を撤退させるつもりだった。
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が、彼とても人の子、いや、ゲラダヒヒの子である。性的欲求や、あわよくば自分がリーダーにという野心がないわけではない。常にユニットのメンバーと行動を共にし、リーダーオスに従い続けている彼にとって、唯一の反逆のチャンスは、あろうことかオスグループとの闘争の場面にある。
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さっきのバケネズミたちが、遺体をここまで引っ張り上げたのだ。あわよくば、わたしたちを油断させて殺すつもりだったに違いない。「奥を、見てみよう」 覚は、廊下をさらに右に進んでいく。
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ラムネ八本ぐらい買えるんですから、大きな出費です。ぼくは、あわよくば林間学校で儲けようとしていたのではないかと思いました。ズボンに入っていたあの一ドルだけで開くべきだったのです。
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日本を通過して爆撃しながらロシヤに着陸する。そしてあわよくば日露間に事を引き起そうとするのであろう。支那大陸方面に逃げたなどという当局の発表もその感じである。
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しかし、その事件の計画を耳にした時にだね、これはあわよくばという感じが出たかも知れない。
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リウイは剣と楯を構えなおして、扉に向かっていった。あわよくば、扉から出てきたところを不意打ちにできると思った。しかし、この期待はあっさりと潰えた。
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自分が悪者にされてはかなわないという恐れを抱いていたからである。中にはあわよくば、自分が権力につくことが出来るかも知れないとの思いを抱くものもあった。
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「けっこうな商売でさあ」と、百姓たちは言う。そして、息子を町に出して、あわよくば女郎屋の亭主にしようとする。まるで女学校の舎監にでもするようにである。
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女に声をかけたいという気持が起こらない。あわよくば口説いてみようと、男に思わせる何かが、先週の女にはあった。自暴自棄の感じが、女の媚のようなものでかなり柔らげられ、危険ではあるが、それだけに冒険をしてみたいような気を起こさせた。
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別に自殺を志願しているわけではない。あわよくばこの道路を利用する車を、体を張って止めることができるだろうという考えからだ。全身が悲鳴を上げたのが、一時間前。
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