鼻つまみ
全て
名詞
117 の例文
(0.00 秒)
-
彼らはそうやって敦隆を慕う素振りを見せ、この館に入り浸っている。一族の中では鼻つまみ者となっている彼らを、敦隆はよく世話していた。気づいたときには、すでに部屋に酒の臭いが漂い始めている。
...
-
茂一によくなついていた。寄ってたかって鼻つまみにしたら、立ちなおるチャンスも失ってしまう。
...
-
こんどまた戦争に負けたからと言って、大いそぎで一時のがれのごまかしを捏造して、ちょっとうまい事をしようとたくらんでいる政治家など無ければ幸いだが、そんな浅墓な言いつくろいが日本をだめにして来たのだから、これからは本当に、気をつけてもらいたい。二度とあんな事を繰り返したら世界中の鼻つまみになるかも知れぬ。ホラなんか吹かずに、もっとさっぱりと単純な人になりましょう。
...
-
つまり、日本という国は「初めはいい」のである。それがやがては調子に乗って、世界の鼻つまみ者になる。ずっと後の一九七〇〜一九八〇年代において、「経済大国」を実現した日本が、「金儲けだけの日本」としか言われなかったのも、これと同じだろう。
...
-
彼の体臭が気にかからないのかと、ひとごとならず気にかかった。婦人たちもこの我がホテルでは鼻つまみの男に、一斉に歓迎の表情を見せた。もっと歓迎したのが、犬たちで、何十匹もの高級なテリヤやコリーたちが、一斉に尻尾をふりたてて、スイートの方へ向って吠えたてる。
...
-
-
あいつは昔から有名な女蕩しで、劇団でも鼻つまみだったのよ。
-
その時彼はたった一撃でインドネシアをたたき殺した。殺された男はこの近在でも鼻つまみの、性質の悪い奴だったので、みんなかえって喜んだ。そしていっそう彼を尊敬した。
...
-
昔から乱暴者だったわけではない。馬五郎が裏店の鼻つまみになったのは、女房と別れた六、七年前からである。十二年前、馬五郎は若い女房と二人で浅草から深川永倉町の、このほおずき長屋に越してきた。
...
-
どこへ行っても、おれは嫌われ者の鼻つまみなんだから。
-
偽善でさえも、その最上の卑劣も、彼の気をそこなわない。彼は文学者であるから、バジルの前にも鼻つまみをしない。プリアポスの「しゃくり」を気にしなかったホラチウスのごとく、タルチュフの祈祷をも怒らない。
...
-
私は高校を受験して入ったが彼女は小学校からその私立の学校に通っている、いわゆるお嬢さまであったが、見てくれもそうだし、口から出ることばを聞いても、とてもじゃないけどお嬢さまとは思えない人なのだ。当時から彼女はみんなの鼻つまみ者だった。高慢ちきで見栄っぱりで、成績だって中の下のくせに、いうことだけは百人分くらいいい、人の意見には全く耳を貸さない、どーしようもない女の子だった。
...
-
取るものも取りあえず慌てて駆けつけたハルにも厳しく容赦のない言葉がぶつけられる。正に鼻つまみ者だった母の死を心から悼んだのは皮肉にも近所の小中学生たちだった。子供たちは変わり者だったハルの母親を魔女と呼んで慕っていたのだった。
...
-
塩の一部は背をむけた吉次の肩にもかかったが、吉次は振りむきもしなかった。あづま屋のおかみの話のとおりで、吉次は世の鼻つまみ仕事を引きうけているのである。吉次の行く先はさまざまだった。
...
-
ただし、気楽にといったところで、いろいろの意味がある。本人だけがそううぬぼれていて、相手の方で、鼻つまみに思っていた、ということだってあり得る。広太は、過去にいくたびか、 「俺のいちばんもてる家へ連れてってやる」 と、先輩から自慢げにいわれて、その気になってついて行ってみたら、話がまるで逆であった、という経験をしている。
...
-
不二楼へあらわれても、以前は飲み倒し食い倒して、そのあげくにいくらかの金を亭主から巻きあげて去る。こうした「鼻つまみ」の御家人は、いまの世に掃いて捨てるほどいるのだ。
...
-
妥協と言う名の敵共に、偏見という悪党か、次は卑怯未練の鼻つまみめだな!
-
千葉県のある小さな漁村。サメこと碇鮫吉をリーダーとする5人の漁師グループは村の鼻つまみ者だった。そんな中、グループの中でも汚れ役をさせられていたイワシは漁業組合長・磯右エ門の娘で恋人の鮎子と共に、村で興業をしていたあかね一座に弟子入りして逃亡しようとする。
...