驚く
全て
動詞
15,579 の用例
(0.01 秒)
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僕は、永いこと無理やりに距てられた恋人同志が会うときのように胸をわくわくさせて受話器を取り上げました。
彼がそれから簡単に僕に送って来た信号の文句は僕を一層驚かせました。
彼は祖国の危険を報ずることが出来て大変嬉しいこと、尚これから先も敵国人の行動を報告すべき一層重大なる責任を負っていることを一寸語りました。
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海野十三『壊れたバリコン』より引用
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打ち開けてはならぬ秘密の深さが隠されてでもゐるやうな、妖しい絢の匂ひもした。
父の用ひた本であつたときかされて、少年は秘密のなさに驚くのだつた。
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坂口安吾『母を殺した少年』より引用
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私はその巨大な勢力が飛びだしてきたときのことを考えると慄然といたします。
多分その驚くべき巨大な力は簡単に人類に操縦されはしないでしょう。
私は想像します。
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海野十三『放送された遺言』より引用
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母子ともに無事だという話だったが、その後はいかが。
実は大ぶ心配しいしいはいったのだが、僕がはいった翌日とは驚いたね。
早く無事な顔を見たいから、そとでができるようになったら、すぐ面会に来てくれ。
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大杉栄『獄中消息』より引用
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この恐ろしい場所の架台の上に悲しい荷を置いてから、二人はまだ螺釘をとめてない棺の蓋を細目にあけて、なかなる人の顔をのぞいてみた。
兄と妹との驚くほど似ていることが、そのとき初めて私の注意をひいた。
するとアッシャーは私の心を悟ったらしく、妹と彼とは双生児で、二人のあいだには常にほとんど理解できないような性質の感応があった、というようなことを二言三言呟いた。
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ポー・エドガー・アラン『アッシャー家の崩壊』より引用
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もちろん、ソナーに使う音波の周波数はかなり低いものになるのに対し、距離の短い人体ではきわめて周波数の高い超音波を使うといった差はある。
しかし両者は、技術の基礎的な部分では驚くほど以通っていたのである。
こうした発想から、大内はソナーという軍需技術を超音波診断装置という医療用機器に転用することを目指した。
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富田倫生『パソコン創世記』より引用
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むつは、身輕るな風のように飛びあがって雲へ乘りたくて仕方がありませんでした。
雲へ乘って村のひとたちを驚かせてやりたくて仕方がありませんでした。
首が痛くなるほどあおむいていると、ぐらぐらと後へたおれそうになります。
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林芙美子『クララ』より引用
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両腕を前へ差し出しながら私は落着いて入って行った。
私は自分の場所に寝ていて、朝になって皆が私を見て驚く顔を見てやろう。
私の足が何か蹴ると動くものにぶつかった。
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スティーブンソン・ロバート・ルイス『宝島』より引用
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この肩書は彼にはすぐ自然なものに思えたが、それでも驚いてしまった。
「そうよ、クラムから派遣された者たちなのよ」と、フリーダはいう。
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原田義人『城』より引用
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そういって三吉は地盛をした一箇所に鋭い指を向けた。
ああ、一体そこにはどんなに驚くべき事件の正体が暴露していたろうか。
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海野十三『地中魔』より引用
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そのいきさつは簡単なものではあったが、しかし驚くべきものであった。
テムズ河から遠くないある家にひとり住まいをしている女中が、十一時ごろ二階へ寝に行った。
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スティーブンソン・ロバート・ルイス『ジーキル博士とハイド氏の怪事件』より引用
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このハイボリア諸国の名を見ていただきたい。
ずいぶんと多くのなじみのある名前を発見して驚かれる方もあるだろう。
ラテン系、ギリシャ系、アジア、アラビア系、こうした種々雑多の国語が入り混って、これらの国々や市に名がつけられているのだが、これは次のように考えていただければ、わかりが早いだろう。
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R・E・ハワード『風雲児コナン』より引用
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と大きな声で騒ぎ始めましたので、せっかく始めた静かな美しい音楽会がメチャメチャになってしまいました。
その勢いに驚いて、あつまっていた虫たちもみんな逃げてしまいました。
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夢野久作『がちゃがちゃ』より引用
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だが新らしき日本へ新らしき花を発祥させるには根のない木を植えてはいけない。
一本の松は地下にどれだけ驚くべき根を拡げているかを調べてみるがいい。
芸術はカフェーの店頭を飾るべき紙製の桜であってはならない。
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小出楢重『油絵新技法』より引用
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そうしたら中の口の格子戸に黒いものが挟まっているのを見つけ出しました。
電燈の光でよく見ると、驚いたことにはそれが僕の帽子らしいのです。
僕は夢中になって、そこにあった草履をひっかけて飛び出しました。
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有島武郎『僕の帽子のお話』より引用
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彼女は心なしか少しばかり体を動かしたように思われた。
きっと彼女は私が朝鮮の苗字をしているので驚いたのに違いないと考えた。
「あ、あ」彼女は指先を小刻みにふるわせながら呻いた。
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金史良『光の中に』より引用
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それが主に、料理の世界において使われているのを知ってまた驚いた。
そのテックスメックスとは、文字通りテキサスにおけるメキシコとの混交文化、ケイジャンとはルイジアナでのフランス系住民のエスニックをいう。
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秋野平『ロック、70年代—復刻CDに時代を聴く』より引用
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それをどこまでも追ってゆくと、大司馬の役を勤める李氏の邸に入り、台所の竈の下へ行って消えたように思われたので、鄂はふたたび矢をつがえようとするところへ、邸内の者もおどろいて駈け付けた。
主人の李公は鄂と姻戚の関係があるので、これも驚いて奥から出て来た。
鄂が怪鳥を射たという話を聞いて、李公も不思議に思った。
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岡本綺堂『中国怪奇小説集』より引用
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三人ともそれぞれ双眼鏡を目に当てて南東から北東へと水平線を偵察する。
私の視線もじっとその方向へ注がれたと言っても、誰も驚かないだろう。
しかし私のほうは眼鏡がないので沖合に何一つ認めることができない。
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ヴェルヌ/大久保和郎訳『悪魔の発明』より引用
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何度もいろんな足音が部屋の前を通りすぎた。
夢も見ずに眠った翌朝、あたしたちを驚かせるような情報が待っていた。
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小野不由美『悪霊シリーズ 5 悪霊になりたくない!』より引用