駆け廻る
33 の例文
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戦場を縦横無尽に駆け廻った老武士にその方の知識があるわけはない。
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神秘社とかその他の水商売関係とかは道楽のようなもので、岸が自分で金をかせぎ出さねばならないようになると、露骨に軽蔑しはじめるのだった。岸は大門があてにならなくなり、職を求めて毎日駆け廻るようになった。大門はそれを尻目にあい変らず気が向くと手なずけた女たちを引きつれて遊び廻ったり、あるいは新しい女を求めて一人でどこかへ潜り込んでいったりしている。
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これに反して彼のガマズミの実なれば確かに染料になるので、そこでそれを女に贈れば為めに色ある美衣を製し得ることになるから女の喜びはまた格別なものであろう。すなわち山を終日駆け廻ってその実を蒐めるだけの値打ちは充分にある。女はかく色彩のある衣を熱愛するがゆえに従ってそれを染める料になる実を女に贈り与えるのはそこに大いに意義がある。
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そして驚いて家の中を駆け廻っている所に僕が帰って来た。
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猫の玩具には、ビー玉だの糸巻だのがあるが、新聞紙を小さく切って丸めたのが、いちばん倦きないらしい。その紙のつぶてを投げてやると、猫はあちこちへ転がし駆け廻って遊ぶ。紙のつぶてが隅っこへはいると、口でくわえて室の真中に持って来、なおしばらくじゃれて、それからつぶてを喰いやぶる。
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男具那は三刻ばかり熟睡した。山の調査に駆け廻っていた七掬脛らが戻って来たのは酉の上刻だった。陽はすでに西の山の彼方に落ち谷間は暗くなっている。
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正則に通うと言っても当時のことゆえ今のように乗物はなく、歩いていれば時間が間に合わない。それで自転車を買って一日中学校を駆け廻って勉強した。僕の家ではもと音楽が禁じられていたので、僕は小学校の時代から唱歌もやらないで通した。
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慶次郎も同行した。この辺は若年の時、滝川一益の麾下として駆け廻った土地なのである。景勝や兼続より遥かに地形に詳しかった。
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彼の女房も黒人だがアボリジンとはまったく別の顔立ちをしていた。彼らには五人の幼い子供がいて、彼らはパンツ一枚で終日庭を駆け廻っていた。ベティさんには黒い子供たち一人一人の見分けがまるでつかなかった。
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その思いがまるで火のように加十の頭の中を駆け廻る。が、それが誰の声だったのか、どうしても思い出すことが出来ない。
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大事な物も何も見分けがつかなかった。僕は皆と一緒に手当次第のものを持って、あちこち駆け廻った。長い間のようでもあれば、短い間のようでもあった。
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マイダスは喜びのあまり、気違いのようになって飛び起きました。そして部屋中を駆け廻って、何でもその辺にある物を手当り次第につかみました。彼が寝台の柱の一つをつかむと、それはたちまち丸溝のついた金の柱になりました。
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何か、順子の心の痛みが、陽子にもわかる気がした。陽子は、何といってやってよいのかわからぬ思いで、駆け廻る小馬を眺めていた。やがて小馬は、丘の下の駐車場を一周して駆け去った。
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あてもなく駆け廻る百姓の群から声がした。
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あれから飛行機で駆け廻って北海道から九州まで氷沼家の資料蒐めに夢中だったの。アリョーシャみたいに五百円ぽっちのお布施でかき集めた話と違って、もとがかかってますから、そのつもりで謹聴していただくわ。
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倭建の内部にそれを誘う淫欲の気が棲んでいたに違いなかった。その頃、丹波猪喰は情報蒐集のため、大和のあちこちを駆け廻っていた。動くのは主に夜で、昼は多武峯の洞で眠った。
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数年前の自分の姿が思い出されたのである。自分も両親のもとで、無邪気に城の中を駆け廻っていた。伊也もやがては、好むと好まざるとにかかわらず、どこかの武将に嫁ぐのであろう。
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