香具師
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自由自在な機智で時事問題などについて巧な解剖を試みる。こうなると香具師も一種の芸術だと思わせられることがたびたびある。そのときもわたしは彼の話を聞いていた。
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インチキを売り物にしている香具師なんかを見ると、腹が立ちましたよ。短い反物をごまかして売りつけたりするでしょう。
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香具師たちが、戸来刑四郎とたたかったことをきいても、その死闘の様相をくわしく目撃した者はほとんどいなかったし、それどころかなお彼らをヘンな奴らだという疑いをぬぐいきれなかったし、さらにこの連中を人間以下のものとみる蔑みの心を捨てきれなかったのだ。死んだ香具師と女忍者の墓は、三ノ丸の隅にある小高い丘の上であった。むろん、まわりは、芦のしげる沼で、その中に小さな円錐形を作って浮かんでいる土地だ。
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一体香具師の話を聞いて廻るというのも、ときにはなかなか面白いものである。香具師というものはあれでなかなか生やさしいものではないと思う。かれらには人をひきつけるような魅力がなければならない。
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その他、ガラス切りの道具、電気のなくなった乾電池を新品にする薬、下駄の鼻緒立て器。どれもが香具師の手に掛かると生き生きし、しかも決して高価ではない。そのうちのいくつかは誰かが買って来て、試してみると、これがうまくいったためしがない。
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日本で香具師という職業が、いつ、どのように発生したか、よくわからない。蒼空を天井とし、大道を店とする巷の商人、みずからの足に乗るキャラバン、漂泊する野のジプシーともいうべき彼らに、信頼すべき文献などがあるわけがない。
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どじょうひげの香具師がからだをかたむけて、娘の口へ耳をもっていった。
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「あのものどもを捕えろ」 と、彼はいった。六人の香具師たちが逃げ散ろうとするまえに、騎馬はそれをとり巻いた。「うぬら、何者だ」 と、ちかづいてきて馬上から叱咤したその将は、まだ三十前の若さだが、いかにも鋭い、白皙の顔をしていた。
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とまれ愛妾のお半の方と、香具師とは関係があるらしい。どんな関係だか知らないが、俺を香具師だと信じているらしい。
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年より夫婦は、ついに香具師のいうことを信じてしまいました。それに大金になりますので、つい金に心を奪われて、娘を香具師に売ることに約束をきめてしまったのであります。
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年より夫婦は、ついに香具師の言うことを信じてしまいました。それに大金になりますので、つい金に心を奪われて、娘を香具師に売ることに約束をきめてしまったのであります。
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人柄は真面目そうだが、まだ若く、貫禄がなかった。香具師の親分である文七に敵わないとお絹がいっていたのを東吾は思い出した。夏など、大きな水槽を作って、その中に、赤い腰巻一つの女を何人か泳がせる。
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そのうち、秀吉にも劣らぬ大喝采を受けたのは、ひとりの香具師であった。
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こんなに早くあの香具師が、睡眠から覚めようとは思われないが、併しあの男以外に、こんな一軒屋へ遣って来て、秘密の出入口を閉じる者は、他にあろうとは思われない。ははあ偖は香具師奴、眠ったような様子をして、その実眠っていなかったのだな。後から尾行けて来たのだな。
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はじめて彼が、いつのまにかわらじをぬいで、はだしになっていることに気がついた。「どうだ」 眼をまるくして見まもっていた七人の香具師は手をふった。
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「香具師さん、香具師さん、驚いたかい妾だよ」 女の声が聞えて来た。
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鬼っ児などを取られた者もなかった。香具師仲間の詮議の蔓はもう切れた、と、亀吉は落胆したように話した。「そうすると、因果者には何もかかり合いのねえ素人の餓鬼かな」と、半七は考えながら云った。
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