風の吹く

301 の用例 (0.01 秒)
  • 夜風の吹き渡る往来は多少胃の痛みの薄らいだ僕の神経をじょうぶにした。 芥川龍之介『或阿呆の一生・侏儒の言葉』より引用
  • それはどういう風の吹き廻しで妻の耳にはいらないとも限らない。 福永武彦『夢みる少年の昼と夜』より引用
  • 風の吹く日はそれが空中に舞い上って、四辺は真暗くなる事さえある。 大倉燁子『鳩つかひ』より引用
  • 「まったく、風の吹きようで運、不運だて」と彼はくりかえして言った。 ストウ/山屋三郎・大久保博訳『アンクル・トムズ・ケビン(上)』より引用
  • 埃りっぽい風の吹きすぎる、春の昼なかのせいだったかも知れない。 中井英夫『とらんぷ譚』より引用
  • 風の吹く日には尻尾は必ず風下の方へ向いた巣の外へ突出つきだしていた。 柳田国男『野草雑記・野鳥雑記』より引用
  • 何かを追いかけるように、さあーっと山を横に走る風の吹き過ぎた跡が見えた。 板東眞砂子『死国』より引用
  • 食慾がまるで無くなるような日が風の吹きぬける家にいてもあった。 宮本百合子『沈丁花』より引用
  • 皆、その風の吹いていった行方を考えて、当惑した表情をしていた。 坂東眞砂子『旅涯ての地(下)』より引用
  • わたしたちはかぜに、くら野原のはらから野原のはらへ、まちからまちんでゆきます。 小川未明『公園の花と毒蛾』より引用
  • お君がこうして夢中のていでいる時分に、その窓の外で風の吹くような音がしました。 中里介山『大菩薩峠』より引用
  • いっさいは彼女自身の心の風の吹き次第であって、それが国政の方法なのだった。 ストレイチー・リットン『エリザベスとエセックス』より引用
  • 風の吹いた中庭で長靴をはいた小使がシャベルで黒い地面を掘っている。 遠藤周作『海と毒薬』より引用
  • 私は冷たい風の吹きこむドアの隙間に目を当てたまま、かなり長いこと待ったように思った。 イネス/池央耿訳『孤独なスキーヤー』より引用
  • 去年はで立ちこそ違え、やはり風の吹きつける入道雲の多い日だった。 池上永一『あたしのマブイ見ませんでしたか』より引用
  • コルネリアは手紙から眼をあげると、じっと風の吹きぬける海峡を眺めた。 辻邦生『天草の雅歌』より引用
  • 風の吹きとおすところにいては仕事出来ないし、ひどくつかれるし。 宮本百合子『獄中への手紙』より引用
  • 風の吹く中、桜の下をゆく山賊が振り返ると、女は醜い鬼に変化していた。
  • 長い町を通つてこれから寒い風の吹く野に出ようとする角である。 田山花袋『ある僧の奇蹟』より引用
  • この夜の広島の風の吹き方は、確かに異常だった。 柳田邦男『空白の天気図』より引用
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