顏今
全て
名詞
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願はくは汝幸の中にかく大いなる勞苦を終ふるをえんことを、汝の顏今笑の閃を我に見せしは何故ぞや。
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生れしは麻布の高臺なりしが、幼くして我が家芝にうつりたれば、其邊に住みし人など多く我が記憶に殘るものなきはもとよりなれど、或日或時わが目に映じたる街の樣の不思議にも明かに思ひ浮べ得るまま、處女作「山の手の子」の舞臺を其處にとりたるなり。唐物屋の頭禿げし亭主の顏今も忘れず、繪草紙賣る店に屡々通ひしも事實なれど、その他の人はお鶴はもとより煙草屋の姉弟も皆我がほしいままに描き出せる架空の人物に過ぎざるなり。「ぼたん」の中の人々は今も世にある人にして、彼の一篇のみはまさしく我が幼き日及び我が見たる人の身の上を筆に上せたるものなるが、我が性質として後に至りよしなき事をしたりと思ふ心強く予を責むるものありき。
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