音が聞えるよう

25 の用例 (0.00 秒)
  • 人が歌っているのを聞くと、どろにまみれた軍靴ぐんかの音が聞えるような気がした。 新田次郎『孤高の人』より引用
  • 立ち止って耳を澄すと、岩角に突裂される雲の音が聞えるような気がする。 吉江喬松『木曽御嶽の両面』より引用
  • 灯が耳の近くへ来て、じいと云う音が聞えるようになってから急に神経が起って来た。 夏目漱石『坑夫』より引用
  • 思いなしか耳を澄ますと川面を渡る夜の帆船の音が聞えるようである。 久米正雄『競漕』より引用
  • 彼は、遠くに馬蹄ていの音が聞えるような気がして、いぶかしげにあたりを見廻した。 ヘッセ/永野藤夫訳『知と愛』より引用
  • もう少しで目的を果そうとしたとき、墓のはしに近く地上でのぞき込んでいる人の気配がして息の音が聞えるようだった。 エミリー・ブロンテ/大和資雄訳『嵐が丘』より引用
  • 二人連れでどんどん飛んで行くうちに、パーシウスは、彼のすぐ傍に衣摺きぬずれの音が聞えるような気がしました。 三宅幾三郎『ワンダ・ブック——少年・少女のために——』より引用
  • 富子の居ないとき、忠夫がヒサを殴打おうだする音が聞えるようになった。 松本清張『証明』より引用
  • 社会の崩れてゆく音が聞えるよう。 星新一『声の網』より引用
  • 稜線から森林の中の道へ入り、やがて下のほうに渓流の音が聞えるようになると、周囲は夜のように暗くなった。 新田次郎『槍ヶ岳開山』より引用
  • 風がその髪をなぶって、さらさらという音が聞えるように思う。 福永武彦『夢みる少年の昼と夜』より引用
  • それから善太はしょんぼり机の前に立っていたが、いつ迄も宮田君の笛の音が聞えるような気がして、遠くに気をとられていた。 坪田譲治『新編 坪田譲治童話集』より引用
  • 遠い静かな鐘の音が聞えるように思った。 ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』より引用
  • 生温なまぬるいような風が吹く晩で、じっとしていると、澄みきった耳の底へ、遠くで打っている警鐘の音が聞えるような気がする。 徳田秋声『新世帯』より引用
  • そうして瀬の音が聞えるようになった。 国枝史郎『神州纐纈城』より引用
  • これ以上眺めていると情が移りそうなので籠に戻し、冷蔵庫の下の段に入れて寝室に入ったのだが、海老の動く音が聞えるような気がして、どうにも寝つかれないのである。 向田邦子『父の詫び状』より引用
  • 牛乳屋の車の音が聞えるようだ。 ベルナノス『田舎司祭の日記』より引用
  • ジーッと耳を澄ますと、浜辺に打ち寄せてくるさざ波のかすかな音が聞えるようだった。 モーム/北川悌二訳『人間の絆(下)』より引用
  • うとうとして居ると赤が吠えながら駈け出したように思われてはっと眼が醒めたり、鍋の破片へまけてやった味噌汁をぴしゃぴしゃと嘗めて居る音が聞えるように思われたり、自分の寝て居る床の下に赤が眠って居るように思われたりしてならなかった。 長塚節『太十と其犬』より引用
  • 耳を傾けると鈴の音が聞えるようです。 中里介山『大菩薩峠』より引用
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