静静

全て 副詞
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  • と矢代は暫くぼんやりとしていてからそんなに思ったほど、空はフランス色の鮮やかな空しさで静静としていた。 横光利一『旅愁』より引用
  • 見渡したところ皆誰も帽子をとり声も立てず、お詣りのように静静としているのが久慈には先ず気持ちが良かった。 横光利一『旅愁』より引用
  • 矢代は黙って静静とひとり歩いているにも拘らず、両腕はもう花でいっぱいの悸めきに似た感動に満たされ、逆にときどき立ち停っては考え込んだほどだった。 横光利一『旅愁』より引用
  • このとき葬儀で一休みしていたマキノのところへ、静静と茶を運んできた夏川を見てマキノが一目ぼれ。
  • 実に静静とした美しさで、そして、いつの間にかすべてをずり落して去っていく、恐るべき魔のような難題中のこの難題を、梶とて今、この若い栖方の頭に詰めより打ち降ろすことは忍びなかった。 横光利一『微笑』より引用
  • 連る僧たちの気詰りな沈黙も、遂に彼を打つ鞭の音に鳴り代って静静として来るうち、矢代はふと卓上の鍋の饂飩の底から、中に鋭く溌ね混った小鯛の骨を見つけた。 横光利一『旅愁』より引用
  • さまざまな色彩の花に埋まった式場に、まずフツ国首相王亜壺おうあこんが静静と登場、続いて亜トレミー仁一郎大王と王妃が姿を現わし、その後から愛一郎皇太子の姿が見えると、広場は熱狂の坩堝るつぼと化した。 泡坂妻夫『亜愛一郎の逃亡 (亜愛一郎シリーズ3)』より引用
  • その中をおおらかな速度で姿を顕して来る船首の風貌は、満場の注視を浴びるに適した偉容で、黒い船体に純白の明快な甲板は、帆に風を孕んだ宝船の近づくに似た、静静とした期待を人人に与えて美しかった。 横光利一『旅愁』より引用