青菜に塩
全て
名詞
34 の例文
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毛毬は、物静かな大女である母に叱られると、いつも青菜に塩であった。万葉に頭を小突かれ、背中をどやされ、最後は耳を引っ張られて「いてて」と情けなくつぶやきながら紅緑警察を出て、歩き出す。
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三人は、さっきの元気はどこへやら、青菜に塩で、べそをかいております。一方、おさむらいのほうは、さすがに度胸がすわっているとみえまして、となりの部屋に仇がいるというのに、大いびきで、ぐっすりとやすんでしまいました。
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おれはこの青菜に塩の犬たちを見ているうちに、ふっとあることを思いついた。そこで大声でキングに言上した。
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それが、三、四回つづいた。日曜日というと、二人は朝から青菜に塩といった態でしょげていた。十二月にはいって間もなく、二人は咳をし出した。
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午前中の計量が終わり、三人は道場の隅に座り込んでいた。三人とも計量と医師の診断をパスしたのであるが、青菜に塩といった様子である。とくに尾形の顔はいつもよりいっそう青白い。
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江戸っ子三人は、さっきの元気はどこへやら、青菜に塩で、べそをかいている。
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そのころ、有賀艦長は、 「燃料不足で、大和の主砲の訓練まで制限せねばならんのはよわった」 と古村にこぼした。「猛訓練の好きな貴様も、青菜に塩だな」 と古村は笑って言ったものだった。古村は第二水雷戦隊の旗艦を軽巡「矢矧」に決めると、「矢矧」の電探は旧式で能力が低いから、新式のものと取り換えてもらいたいと呉工廠長に要請している。
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「はっ、ぼく、二十七歳であります」 六助、すっかり青菜に塩である。愁然として恭子さんのまえに首をうなだれているところは、とんと死刑をまつ囚人みたいであった。
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無気力相撲は、現場を押えられなければ、なんとでもいい逃れができる。玉聖は青菜に塩の悲しい気分で、住みづらい部屋で日を送った。「銀」のママのところへ飲みに行く気も起こらなかった。
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帰りに寄ったのは坂本町の薬師堂で、ここでも堂守が青菜に塩の体たらくであった。
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青菜に塩をかけたようになって嘆息した。
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覇気のある少年が殆ど見られなかった。青菜に塩をかけたような状態の少年が多く、いま、行助といっしょの部屋に入っている寺西保男などはその典型であった。彼の家庭をすこしのぞいてみよう。
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しかもその人たちを良く見ると、スタッフジャンパーこそ脱いでいるものの、さっきまで受付とかお茶運びをしていた人たちなのである。県議は自分の人気と集客力のなさを思い知ったのか、先程までの元気はどこへやら、青菜に塩の落ち込み方である。聴衆あってこそのイベント、乗ろうにも乗れない。
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誰も博士が首領にたいして、あのような裏切行為をはたらいたことは知らないからよってたかって、やっと博士を、崖のうえへひっぱりあげた。このときばかりはさすがの机博士も、よっぽど肝をひやしたと見えて、青菜に塩のようにげんなりしていたが、それでも、いうことだけはいい。
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「さて、九時ですな」 と、柱時計を見あげて明石がいったので、ぎょっとして二人は顔見合わせ、たちまち青菜に塩の態になった。
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ところが、おあいにくなことに、昼顔はその色男と老人をえらんだのだ。その色男は、女と見れば水母みたいに身をふるわせる奇態な牢人で、昼顔の前に出たときには青菜に塩のごとく、さてむりむたいに裸にされると、これはまるで塩をかけられたなめくじのごときありさまであったが、笑いつつ昼顔は、これをみごとに甦らせた。老人はというと、歯のない口を吸われて、落葉の中から枯木がせり上って来たような景観を呈した。
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薬の薫は床に染み、窓を圧して、謂うべからざる冷静の趣。神社仏閣の堂と名医の室は、いかなる者にも神聖に感じられて、さすがの愛吉、ここへ入ると天窓が上らず、青菜に塩。
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