雪婆んご
17 の例文
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雪童子は鞭を鳴らし仕事にとりかかるが、雪婆んごの目をごまかして、子供の命を取る事を見逃してやる。夜になって吹雪はおさまり、雪婆んごは満足して東に去ってゆく。だれもいなくなってから、雪童子は雪に埋まった子供を掘り出して救ってやる。
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それをモチーフにした童話である。雪婆んごの手下である雪童子は、人間には目に見えない存在。話し相手に恵まれず、雪の野山で鞭を鳴らし、友達といえるのは雪狼だけ、時には人を殺すのが仕事という孤独な少年の物語である。
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雪童子はまるで電気にかかったように飛びたちました。雪婆んごがやってきたのです。ぱちっ、雪童子の革むちが鳴りました。
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雪童子はまつすぐにそつちへかけて行きました。雪婆んごのふりみだした髪が、その顔に気みわるくさはりました。峠の雪の中に、赤い毛布をかぶつたさつきの子が、風にかこまれて、もう足を雪から抜けなくなつてよろよろ倒れ、雪に手をついて、起きあがらうとして泣いてゐたのです。
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そして、風と雪と、ぼさぼさの灰のやうな雲のなかで、ほんたうに日は暮れ雪は夜ぢゆう降つて降つて降つたのです。やつと夜明けに近いころ、雪婆んごはも一度、南から北へまつすぐに馳せながら云ひました。
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そして、風と雪と、ぼさぼさの灰のような雲のなかで、ほんとうに日は暮れ雪は夜じゅう降って降って降ったのです。やっと夜明けに近いころ、雪婆んごはも一度、南から北へまっすぐに馳せながら云いました。
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雪婆んごは、遠くへ出かけて居りました。猫のやうな耳をもち、ぼやぼやした灰いろの髪をした雪婆んごは、西の山脈の、ちぢれたぎらぎらの雲を越えて、遠くへでかけてゐたのです。
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雪童子はまるで電気にかかつたやうに飛びたちました。雪婆んごがやつてきたのです。ぱちつ、雪童子の革むちが鳴りました。
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水仙月の四日に、二匹の雪狼を従えた雪童子と赤い毛布をかぶった子供が雪山で出会うところから物語が始まり、目には見えない雪童子は子供にヤドリギの枝を投げてからかい、子供は不思議そうに枝を拾って家路を急ぐが、天候が急変し、雪婆んごが別の雪童子を連れてやってくる。雪童子は鞭を鳴らし仕事にとりかかるが、雪婆んごの目をごまかして、子供の命を取る事を見逃してやる。夜になって吹雪はおさまり、雪婆んごは満足して東に去ってゆく。
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雪婆んごは、遠くへ出かけて居りました。猫のような耳をもち、ぼやぼやした灰いろの髪をした雪婆んごは、西の山脈の、ちぢれたぎらぎらの雲を越えて、遠くへでかけていたのです。
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雪婆んごは、遠くへ出かけて居りました。猫のやうな耳をもち、ぼやぼやした灰いろの髪をした雪婆んごは、西の山脈の、ちぢれたぎらぎらの雲を越えて、遠くへでかけてゐたのです。
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詩人谷川雁は、狼、赤い毛布をかぶった子供、老婆の組み合わせから、童話赤頭巾との共通性を指摘している。かつて現代の小中学生たちを十数名集めて『水仙月の四日』の実験劇をさせてみた際、野生的な容姿で革鞭を持つ雪童子の役は男の子に人気があり、女の子たちの人気が集中したのは、何と言っても白髪で猫のような耳を持ち、母性を垣間見せる雪婆んごの役であったと述べている。
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もうどこが丘だか雪けむりだか空だかさへもわからなかつたのです。聞えるものは雪婆んごのあちこち行つたり来たりして叫ぶ声、お互の革鞭の音、それからいまは雪の中をかけあるく九疋の雪狼どもの息の音ばかり、そのなかから雪童子はふと、風にけされて泣いてゐるさつきの子供の声をききました。雪童子の瞳はちよつとをかしく燃えました。
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もうどこが丘だか雪けむりだか空だかさえもわからなかったのです。聞えるものは雪婆んごのあちこち行ったり来たりして叫ぶ声、お互の革鞭の音、それからいまは雪の中をかけあるく九疋の雪狼どもの息の音ばかり、そのなかから雪童子はふと、風にけされて泣いているさっきの子供の声をききました。雪童子の瞳はちょっとおかしく燃えました。
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愛猫家の浮世絵師として知られる歌川国芳は1835年に『独道中五十三次』の岡崎之図に、猫耳を持った女性の浮世絵を遺している。日本の近代文学に残る最初の猫耳は、大正13年に宮沢賢治が発表した『水仙月の四日』に登場する猫耳の雪婆んごである。宮沢賢治が猫耳作品を発表したのと相前後して、新東宝の社長で映画プロデューサーの大蔵貢が当時人気があった講談の佐賀化け猫騒動を多数映画化し、化け猫役を演じた入江たか子らが「化け猫女優」として人気を博したが、化け猫映画では猫耳は登場しておらず、女優の髪を逆立てるなどして猫を表現していた。
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当時はあまり評価されなかった作品である。水仙月の四日に、二匹の雪狼を従えた雪童子と赤い毛布をかぶった子供が雪山で出会うところから物語が始まり、目には見えない雪童子は子供にヤドリギの枝を投げてからかい、子供は不思議そうに枝を拾って家路を急ぐが、天候が急変し、雪婆んごが別の雪童子を連れてやってくる。雪童子は鞭を鳴らし仕事にとりかかるが、雪婆んごの目をごまかして、子供の命を取る事を見逃してやる。
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