閑話休題
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名詞
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尤もこの変りやすい空模様思いがけない雨なるものは昔の小説に出て来る才子佳人が割なき契を結ぶよすがとなり、また今の世にも芝居のハネから急に降出す雨を幸いそのまま人目をつつむ幌の中、しっぽり何処ぞで濡れの場を演ずるものまたなきにしもあるまい。閑話休題日和下駄の効能といわば何ぞそれ不意の雨のみに限らんや。天気つづきの冬の日といえども山の手一面赤土を捏返す霜解も何のその。
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重要度からすると全然閑話などではないけれど、まあ、そんなところで閑話休題。それはさておき、である。
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さうすると一生涯に作つた歌の数も概数が分つてくるわけである。閑話休題、さてその沢山の旅の歌の中で最も光つてゐるもう一つにこの歌を数へてよからう。大正十三年八月再度赤倉へ遊んだ時の作。
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巡査に頭撃たれて死んだあ。もっとデタラメな話がいくつもあるんだけどね、閑話休題。ともかく、くるぐるには山と会った。
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しばらく前婦人文芸の講演会が高田であって、生田花世、松田解子、森三千代の諸氏が来たそうだが、この人達が云った処によると、この地方の文化的有志は非常に素朴で純真だという話だったそうだ、尤も此の三氏の方もゴソゴソしていたのでこの有志達から女工さんと間違えられたというから、あてにはならぬ。三たび閑話休題、座談会は私と堀氏とが話しをさせられた。二人の話しが長かったもので、森氏は喋らずに済んだ。
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それは、わが国の講釈なら、例えば、聴衆が不審に思うようなことを話したときには、 「みなさんは、そんなばかなことがあるかと思われるかもしれませんが」 というところを、話本では、講釈師が予想される聴衆の声を代弁して、 「おい、講釈師よ、そんなばかなことがあるか」 というのである。このスタイルはまた、話が横道へそれてしまって、閑話休題というだけではうまく話を本題へもどせないようなときにも使われる。
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閑話休題としても、当人は閑人気分が充分で、一人で出かけることもあれば、一僕を召しつれて出て戻って来ることもある。
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閑話休題、この妙ちきりんなブラック・ホールというのが、理論ではともかく、それでは実際に存在するのかどうかという点ですが、現代の天文学の強力な武器である電波望遠鏡等の発達によって、どうやらそれらしいのが見つかったんでしてね。
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日本人が我国へ来て、柄杓が泉水飲場に鎖で取りつけられ、寒暖計が壁にねじでとめられ、靴拭いが階段に固着してあり、あらゆる旅館の内部では石鹸やタオルを盗むことを阻止する方法が講じてあるのを見たら、定めし面白がることであろう。閑話休題、我々の戎克には舟夫四人に男の子一人が乗組み、別に雑用をするために旅館から小僧が一人来た。我々は運よく、以前私が大学で教えた田原氏に働いて貰うことが出来た。
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もっともそれは、飲み水としてのそれではなく、娯楽としてのそれだったが・・・。・・・閑話休題あいかわらず、ナデシコのクルーは、月面に拘束されていた。ファーサイドグリーンのブリッジクルーは、今日も今日とて、バカンス気分である。
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熟字訓も通常の訓読みと同様に、個人的な使用から生じてそれが慣用的なものとして定着したものが現在に見られる熟字訓である。例えば、江戸時代に「閑話休題」を「それはさておき」と訓読みしていたことが知られるが、現代には定着していない。これは律令制の整備に際し、日本の地名に中国風に漢字2字の名称をつけたとき、もとの和名からかけ離れた漢字熟語を用いたためである。
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以前、博士のところへ、新兵器の技術を盗みに来た某国のスパイは、博士のところにあった押釦ばかり百種も集めて、どろんを極めたそうである。閑話休題、博士が、その押釦の一つを押すと、豆戦車の蓋がぽっかり明いた。博士はその穴から首を出して左右を見廻した。
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勝という人物にたいする疑惑と警戒心は意外に強いのである。閑話休題、海舟にとって新政府の自分にたいする疑いは、いわば毎度のことでたいして驚きはしなかったであろうが、徳川家の重役たちがそれを知っていながら海舟には黙っていたことが気に障った。しかも右の記述に続けて、海舟は次のように書いている。
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その紹介状は現に私の手元に残っていて、そうして初めて狩野氏に逢ったのは実に漱石氏の瞑目するその当夜であった。閑話休題として、その狩野氏は妻君を持たないで独身生活をつづけているという事を私は予て漱石氏から聞いていたが、春雨の降って居る門内の白い土を踏んでその玄関に立った時私はあたかも寺の庫裡にも這入ったような清い冷たい感じを受けた。玄関には支那の書物らしいものがやや乱雑に積重ねてあって、古びた毛氈のような赤い布が何物かの上に置いてあった。
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そういえば「新青年」誌上にのっている金博士の顔は、蜘蛛の精じみた風貌をもっているよ。閑話休題、金博士は、ようやく注意力の二割がたを、蜘蛛の声に向けて割いた。
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閑話休題、この事件によって、このユダヤ人青年学徒と名門貴族の女性との間に、もはや切りはなすことのできぬ宿命的つながりができあがったのは、当然であった。彼はこの二十歳年長の夫人を、終生「第二の母」と呼びつづけ、彼が不慮の死の日まで、不思議なほどに形影あいともなっている。
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馬琴はさらに他の題材を選ばなければならないことになったであろう。馬琴の口真似をすると、閑話休題、これからわたしが語ろうとするのは、その里見の家がほろびる前後のことである。忠義の先代義康は安房の侍従と呼ばれた人で、慶長八年十一月十六日、三十一歳で死んでいる。
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