鈍色の空

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  • 次々と落ちてくるそれを見上げていると、鈍色にびいろの空に吸い込まれていくようだ。 山本文緒『群青の夜の羽毛布』より引用
  • 鈍色にびいろの空を覆った無数の微細な雪が闇に溶けたとき、日暮れを知る。 篠田節子『レクイエム』より引用
  • 見上げれば、無限とも思える絶壁が暗いにび色の空へと続いている。 ベニー松山『風よ。龍に届いているか(上)』より引用
  • 双眸そうぼうは、なおひらかれて、光をうしなった視線を、雨曇りの鈍色にびいろの空へ送っていた。 柴田錬三郎『赤い影法師』より引用
  • 早朝の鈍色にびいろの空に、鉄路はまっすぐに延びているように見えた。 山田正紀『謀殺のチェス・ゲーム』より引用
  • せたくらい景色を抱くのは、その鈍色の空に押さえつけられた低い尾根だ。 岩井志麻子『ぼっけえ、きょうてえ』より引用
  • 鈍色にびいろの空に朝からちらちらと小雪の舞う、寒い日のことでした。 浅田次郎『壬生義士伝 上』より引用
  • どんな火を起こしたものか、すぐさま煙がもれ出て、明けきっていない鈍色にびいろの空へとたちのぼっていく。 井上祐美子『五王戦国志1 乱火篇』より引用
  • 雪を隠した鈍色にびいろの空は、重く山脈にのしかかっていた。 岩井志麻子『夜啼きの森』より引用
  • 前方にそそり立つはずのそれは、なぜか見当たらず、スモッグに煙る鈍色にびいろの空だけが展がった。 難波利三『てんのじ村』より引用
  • ようやくにして、投げ縄が雪の舞う鈍色にびいろの空に投げられ、嚮導犬が縛り上げられて、ことなきを得たが、なお昂奮を鎮めることはできなかった。 森敦『意味の変容』より引用
  • 一か所に石材の破片や砕けた煉瓦れんがが山をなした向こうに、半壊の建物の煙突がにび色の空を指さしている。 イネス/池央耿訳『ベルリン空輸回廊』より引用
  • 無数の雨滴が、垂直の線となって、鈍色にびいろの空から落下し、複雑なうねりを繰り返す海の表面に、縮緬皺ちりめんじわのような細かい模様を作り出している。 貴志祐介『青の炎』より引用
  • 鈍色にびいろの空が、重く厚く、広がっていた。 永瀬隼介『デッドウォーター』より引用