釘ヅケ
全て
名詞
18 の例文
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「再発火まであと五十秒」 単調なカウントダウンの声が、二百秒前からつづいていた。大ホールではほとんどの者が黙って表示窓に視線を釘づけにされていた。「あと四十秒」 エズルはホールのなかをさっと見まわした。
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まともに出迎えてくれたのはチャチャゼロと彼女の被る帽子の上に陣取るカモミールぐらい。少し離れた場所にいる楓と古さんもこの試合に目を釘付けにされている。
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ゆっくり、恐る恐る、ガウン姿の人々が階段を下りてきて、夜の闇へと逃亡した死喰い人がまだそのへんにいるのではないかと、恐々あたりを見回していた。しかしハリーの目は、いちばん高い塔の下の地面に釘づけになっていた。その芝生に横たわっている、黒く丸まった姿が見えるような気がしたが、現実には遠すぎて、見えるはずがなかった。
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「ふん、こんなん見るやつの気が知れん」 そう思ってテレビを見ていた。・・・30分後・・・ テレビに釘付けになっている自分に気がついた。
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その頃になると、サフローンが失踪したといふ風聞が、十吉の耳にもぼつぼつはいりはじめた。家が釘づけになつてゐるなどと、見て来たやうなことを言ふ人もあつた。まさかと一応は疑つてみたが、現にああした場面に偶然ゆき合はせてゐる以上、噂を否定する根拠を一ばん持たないのは却つて十吉なりに違ひなかつた。
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私はベッドの上にごろんと横になって、買ってきた雑誌をパラパラとめくった。そしてあるページに書いてあることばに目が釘づけになってしまった。
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髭を剃る間は首の所有権は全く親方の手にあるのか、はた幾分かは余の上にも存するのか、一人で疑がい出したくらい、容赦なく取り扱われる。余の首が肩の上に釘付けにされているにしてもこれでは永く持たない。彼は髪剃を揮うに当って、毫も文明の法則を解しておらん。
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ここにおる間に、あの男は、お前の気持にはずいぶんと適うておるような計画を始めおった。わしらを都市の中に釘づけにしておる強迫観念を分析しようというんじゃ。それが精神にどういうふうに課せられているかが発見できさえすれば、それを解除することもできると、あの男は信じておる。
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彼はただ、狂暴な憎悪をこめた目を相手に釘づけにしているだけだった。「そんなら言いますがね、殺したのはそこにいるあなたですよ」と彼は凶暴な口調でそうささやいた。
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瞬間、武左衛門の心に届いた右京之介の叫びをかき消そうとするように、武左衛門の身体に憑いた内藤安之介が咆哮した。魂が割れ砕けるようなその声に、誰もが皆一瞬その場に釘付けになった。武左衛門の足が床を蹴った。
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私は昨年の偵察時にカリパタールの丘から眺め暮したジェット・ストリームの脅威を思い出していた。テントに釘付けとなった私たちに出来ることは、食べることだけだった。日本の食品会社がこういうときのために作ってくれたお湯で温めるだけでいいレトルト食品がありがたかった。
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キリストを釘付けにしたのは彼等ばかりで無く、人類全体なのである。キリストを救世主と仰がなかつたものは彼ユダヤ人ばかりで無く、世界人類の大多数である。
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ジプシーはまた牛のほうへ歩き出していき、牛を小馬鹿にして、ダンスホールの踊り子のように、どちらかの足を常に地面につけて歩き、小槍の赤い柄を、歩くたびに、ぴくぴく動かした。牛は釘づけになっているのではなく、じっと彼を見つめ、ねらっていた。しかし、確実に彼をとらえ、角で突っかけられるまで、接近するのを待っていた。
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その輝きを失った目がアリスの手にしている着色写真に釘づけになった。「まあ」ともう一度言った。
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足元の畳がコトリと音をたてたのだ。吉保は恐怖のあまり、目は畳に釘づけになり、声を出すこともできない。動きが激しく、しきりと喉が渇いた。
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一か八か、やってみる他はない。いつまでも釘づけにされていては、そのうち誰かに見つかってしまう。美奈子は、慎重に、一歩踏み出そうとした。
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が、みんな一目見ると、色を変えてしまった。誰もなんともいわないで、縁側の上に釘付にされたように立っていた。碁を囲んでいた築麻市左衛門までが、立ち上ってきた。
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