遮るものもない

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  • ここからは衣川の流れも北方の山々も何の遮るものもなく一眸に見える。 村山俊太郎『平泉紀行』より引用
  • 同時にさえぎるものもない中廊下なかろうかに七歩の間隔を置いて、男女なんによの視線はお互いの顔の上に落ちる。 夏目漱石『虞美人草』より引用
  • 大学自体が山の上にあるために、前方には遮るものもなく、大阪湾が遠望できた。 貴志祐介『十三番目の人格 ISOLA』より引用
  • その上を一気にすべりおりて、さえぎるものもないイシカリの原野に暴れて行く。 本庄陸男『石狩川』より引用
  • だがそれは遮るものもない西空に、わずかに残っている入日の名残りが眼に映ったせいかも知れなかった。 藤沢周平『隠し剣秋風抄』より引用
  • 三百六十度の遮るものもない大展望の中心に立って、全身に弾み立つ喜びをそんな形で表現している彼女は、これ以上登るところのない不満を天に訴えているように見えた。 森村誠一『棟居刑事の情熱』より引用
  • 食堂の窓は総ガラス張りで、遮るものもなく子供たちの遊ぶ様子は無声映画のように伝わってくる。 鈴木光司『らせん』より引用
  • このあたりから頂上まではガレ場で遮るものもないため、景色がすばらしい。
  • 広々としてさえぎるものもなく、信号もなく自動車も通らない。 村上春樹『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド 2』より引用
  • 蒼白い顔を月の光がさえぎるものもなく照し出した。 福永武彦『風のかたみ』より引用
  • フォロンの神曲は最早遮るものもなく、朗々と響き渡っている。 榊一郎『神曲奏界ポリフォニカ 01 ウェイワード・クリムゾン』より引用
  • それに空は高く大きく、地平線まで何ひとつ眼を遮るものもない大陸の風景が、村尾をよろこばせた。 城山三郎『忘れ得ぬ翼』より引用
  • 悲しいくらい周囲は眼をさえぎるものもない。 岡本かの子『東海道五十三次』より引用
  • 朝の太陽が、さえぎるものもない晴れわたった空から、一切を焼き尽すかのような勢いで照り耀いている。 福永武彦『風土』より引用
  • 右手の遠方に終点があって、市場らしい広告幟も遙かに見えるが、左の方は坂になっていて、今は電車も通っていないその坂の先は目を遮るものもなく白雲の浮いている大空へ消えこんでいる。 宮本百合子『日々の映り』より引用
  • そのあたりは、正午に近い太陽をさえぎるものもなく、ベンチにもひとけがなく、野球場の方から喊声かんせいが聞えて来るだけだった。 福永武彦『夢みる少年の昼と夜』より引用
  • 昔、彼が二階の窓から、樹木や家屋の混り合つた向うに眺めてゐた山が、今は何の遮るものもなく、あからさまに見渡せた。 原民喜『氷花』より引用
  • 小丘の頂きに開けた飛行場は、地球の曲面それ自体を思わせるように、遮るものもなく星空に円弧を限っていた。 イネス/池央耿訳『ベルリン空輸回廊』より引用
  • 山の裾野がさえぎるものもなく左右に広々と延びて、河岸へ届こうとするところに、水力電気らしい建物が真白に立っていた。 川端康成『雪国』より引用
  • 湯嶋の高台からは海が見えるから、人家まばらに草茫々と目にさえぎるものもないその頃の鳥越からは海が見えたかも知れぬが、ちょっとな感じがする。 内田魯庵『八犬伝談余』より引用