遮るものなく

18 の用例 (0.00 秒)
  • 水田は低く平に、雲の動く空のはずれまで遮るものなくひろがっている。 永井荷風『葛飾土産』より引用
  • 作品の後ろ側を見せず、いけ手が観客に背を向けないことが特徴で、観客は作品がゼロから展開していく様子を遮るものなく終始鑑賞できる。
  • 左右眼を遮るものなく、大ゴビのまっただ中を、ジープは五〇キロの速度で走り続ける。 井上靖『私の西域紀行(下)』より引用
  • 当時は雑草もなく、畑が作り込まれ、視野を遮るものなく海が見えていたのだろう、と式部は思う。 小野不由美『黒祠の島』より引用
  • 庭と外界の境に一種の掘割であるハハーを導入して、何遮るものなく眺望が周囲の自然に溶け込んでいくように工夫した。
  • と見ると糸はぷつりと切れて、足も、膝も遮るものなく、滝太郎の身は前へ出て、見返りもしないでと通った。 泉鏡花『黒百合』より引用
  • なんらさえぎるものなく、満月は星明かりをしたがえて地上を見渡みわたしている。 鈴木大輔『ご愁傷さまニノ宮くん 02』より引用
  • 建物から独立したチケット売り場が撤去されたことにより、広場が広々したものになり、通りから遮るものなく全容を見渡せるようになった。
  • その当時、その家からは、ダイヤモンドヘッドまで何も遮るものなく、2階からはプナホウスクールが見えたものである。
  • 広い道が爪先上りに高くなつてゐるはづれに、橋の欄干の柱が見え、晴れた空が遮るものなく遠くまでひろがつてゐて、今だに吹き荒れる烈風が猶も鋭い音をして、道の上の砂を吹きまくり、堤防の下に立つてゐる焼残りの樹木と、焦げた柱ばかりの小家を吹き倒さうとしてゐる。 永井荷風『にぎり飯』より引用
  • 白い炎になった太陽が遮るものなく真上から撲りつけている住宅地は、どの家もブラインドや厚いカーテンを閉ざして息をひそめ、大きな柩が並ぶ墓地に化したようだった。 森禮子『モッキングバードのいる町』より引用
  • やむなく、選手やフィールドを遮るものなく見渡せる地点まで遠ざかると、愛すべき選手たちは豆粒のごとくにしか見えない。 赤瀬川隼『人は道草を食って生きる』より引用
  • 水平線は灰色の霧に消えて、一望渺々びょうびょうとして遮るものなく、雲は大きな岩のように層々と重なり、海上いちめんに、なにか不吉な運命の前兆のような「唸り声」をたてている。 ストーカー/平井呈一訳『吸血鬼ドラキュラ』より引用
  • 三月の大空襲でもっとも大きな被害を受けた地区らしく、墨田区一帯は焼け焦げた木材が林立する焼け野原と化していて、遮るものなく見渡せる地平線の向こうには、富士山のいただきさえ眺望できるありさまだった。 福井晴敏『終戦のローレライ(下)』より引用
  • 車窓左側には富士山が広がり、特に御殿場駅近辺では遮るものなく、間近に迫る。
  • ここからは、カンナ・リンナのふたご山やボーデだけ、デルウスのとんがり頭が、さえぎるものなくよく見えるのだ。 久美沙織『ドラゴンクエスト5 第1巻 文庫版』より引用
  • さえぎるものなくり注ぐ陽光が全身をあぶる。 雨木シュウスケ『鋼殻のレギオス02 サイレント・トーク』より引用
  • 近き海上に高島ありといへども、玄海灘の潮は殆ど遮るものなく押寄せ来り、極まるところ、玉島川及び松浦川の水とあひ激し、あひ待ちて、この海岸に最正しき沙線をたわめたるなり。 蒲原有明『松浦あがた』より引用