過すよう

43 の用例 (0.00 秒)
  • そして二人でもう一度海峡の向うの町の料理屋で底抜けに酒を飲み、一夜を過すようなことももう出来ないのだという寂しさを感ずることを私は自分に許した。 島尾敏雄『出孤島記』より引用
  • そのうちにいつの間にか、明と早苗とは、毎日、午後の何時間かをその氷室を前にして一しょに過すようになった。 堀辰雄『菜穂子』より引用
  • さらに五日目からは部屋にいるかぎり、食事と、大小便と、睡眠以外のほとんどを、箱のままで過すようになった。 安部公房『箱男』より引用
  • どっちかって言えば、小池は東京の中だけで一生を過すように生まれついているんだから、人の生まれつきを笑うのは片輪を笑うのと一緒で、笑うほうがいけない。 半村良『およね平吉時穴道行』より引用
  • 以来、日曜日の朝の一刻を、私は先生のごつい木綿の蒲団の中で過すようになる。 外村繁『澪標』より引用
  • しかし、圭一は、常に眼鏡をかけて過すようになった。 吉村昭『一家の主』より引用
  • 酷寒の信濃追分にわざわざ正月を過すような物好きを試みたのも、理由の一つにこの新蕎麦の味があった。 福永武彦『第四随筆集 夢のように』より引用
  • 前年の夏から、彼の子供たちは夏休みの前半を、欧洲たちの滞在する葉山の旅館で過すようになっていた。 北杜夫『楡家の人びと (下)』より引用
  • どっちかって言えば、小池は東京の中だけで一生を過すように生まれついているんだから、人の生まれつきを笑うのは本人にはどうしようもないことで、笑うほうがいけない。 半村良『不可触領域』より引用
  • 私は大木さんの自叙伝風の小説『緑地ありや』の担当記者になり、約十三カ月を大木さんと密着して過すようになったのである。 矢口純『酒を愛する男の酒』より引用
  • イタリア側四人は、再びオリーブ林に出て、特設の天幕に案内され、そこで一夜を過すよう言われた。 木村裕主『ムッソリーニを逮捕せよ』より引用
  • キャロライン・ドウスンは両親が四十近くになって生まれた一人娘で、過保護で育ったせいか子供の頃から人見知りする性質たちだったが、高校の頃、突然学校に行かなくなって、一日中家でぼんやり過すようになった。 森禮子『モッキングバードのいる町』より引用
  • 私はその後足かけ八年も療養所で暮し、無事に退院してから信濃追分にある山小屋で毎年の夏を過すようになった。 福永武彦『第三随筆集 枕頭の書』より引用
  • つまり、おばさまの家を訪ねるふりをして、実際はそこを早々に切りあげ、残りの時間をいま言った女の家で過すようになさればよいわけです。 サド/澁澤龍彦訳『恋のかけひき』より引用
  • 彼女自身の領地の屋敷は、すっかり荒れはててしまっていたので、リョーヴィン夫婦が、自分たちのところで夏を過すように、説得したからであった。 トルストイ/木村浩訳『アンナ・カレーニナ』より引用
  • 彼女は買い物の往きかえりに自動販売機でコップ酒を飲む楽しさを覚えてからめきめきと酒量をあげ、夫の帰りを待つ間、酒浸りの時を過すようになった。 藤原作弥『聖母病院の友人たち ―肝炎患者の学んだこと―』より引用
  • ゼアノートは、最終的にテラとしての記憶もマスター・ゼアノートとしての記憶も失い、倒れていたところを賢者アンセムに拾われ、以後彼の弟子として過すようになった。
  • ものごとの強弱や変化を鋭敏に感じとる、大概の人がぼんやり知らずに過すようなことを、ピンと感じる、あの働きを指すのです。 岸田国士『俳優倫理』より引用
  • そして夜道は追剥強盗が出没するからと断言して、しきりにその夜は修道院で過すようにとすすめました。 佐藤正彰訳『千一夜物語 07』より引用
  • 彼をそんなにすげなく扱う姫への恋ゆえに、高貴なオーシオは、今までたのしんでいた男性的な運動も野外のスポーツもすべて捨てて、家にひきこもり、静かな音楽や、甘い歌や、情熱的な恋の歌など、女々めめしい音に耳をかたむけて、不面目にも怠惰な時を過すようになっていました。 ラム/松本恵子訳『シェイクスピア物語』より引用
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