蹴あい
全て
名詞
18 の例文
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これではまるで喧嘩をしに来たようなものであるが、そこへ行くと迷亭はやはり迷亭でこの談判を面白そうに聞いている。鉄枴仙人が軍鶏の蹴合いを見るような顔をして平気で聞いている。悪口の交換では到底鼻子の敵でないと自覚した主人は、しばらく沈黙を守るのやむを得ざるに至らしめられていたが、ようやく思い付いたか「あなたは寒月の方から御嬢さんに恋着したようにばかりおっしゃるが、私の聞いたんじゃ、少し違いますぜ、ねえ迷亭君」と迷亭の救いを求める。
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老悪魔は、兄弟たちが財産の分けあいで喧嘩もせずに仲よく別れたことが癪でならなかった。で、三匹の小悪魔を呼んで、こう言った。
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三階のマネキンの事務所では、競馬馬のような女の舞台女優気どりの饒舌がきこえてきた。衣裳をつけぬ女がけあいどりのように騒ぎまわっていた。このポール商会を太田ミサコの夫が事務服をつけて急がしそうに右往左往した。
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そのため家康は城を攻めたが城兵はこれを防ぎ、厳しい鉄砲の打ち掛けあいになった。家康の兵は300人討死し、城兵も200余り討死するも、家康の軍は大軍だったため崩れず、家康の兵は二、三の丸を攻め入った時、お田鶴の方と次男・辰三郎と侍女18人左右に随え城外へ討って出て粉骨を尽くすも全員討死した。
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「まあ、ほんとに絶世の美人だこと、是非、先生に肖像をかいていただいて、いつまでものこしておきたいところだわ」 楊艶芳ははねおきて、雪娥にむしゃぶりついた。鋏はとんでいるから大事はないが、まるで軍鶏の蹴合をみるような猛烈さである。あきれはててたちすくんだまま、応伯爵はそれをとめる勇気もない。
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そのくせ、相手が引くと、今度は自分も同じように引く。意地の張り合いというかエゴのぶつけあいというか、全く同じ反応をしてしまうのである。しかも、自分が相手に合わせるのではなく、相手が自分に合わせることを求めている。
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トルストイのように、全財産投げ出して家出をする人なんか滅多にいるものではない。一方、貧乏人は助けあいを主唱しても、得るものこそあれ失うものはそれほどない。
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ぼくがベアトリーチェと名づけていた少女は、その後もよく見かけた。そんなときぼくはもうなんの感動も覚えなかったが、しかしいつでも、あるなごやかなとけあい、感情的な予感を覚えた。つまり、君はぼくと結ばれている。
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洪太尉は木の根もとにうち倒れたままおそろしさのあまり上下三十六本の歯をがちがちとかみあわせ、胸の早鐘はまるで十五六個の釣瓶桶の上下するような乱調子。全身は中風病みのようになえしびれ、両脚は蹴合いに敗けた雄鶏のよう。口はただ悲鳴をあげるばかり。
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夢をみて、水にはいろうとするのは、ただ水のなかにいた卵の記憶をおっているだけだろ。もしかすると、サグの水に卵がなれるための『とけあい』をしてたのかもしれんがね。水がねばったっていってたね?
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今夜ひと夜のマイルズの安眠を台なしにしてやるだけだ。すればマイルズはベルに電話して、ベルの安眠もまた台なしになることうけあいだった。
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専制的なフランス政治のなかで、協同組合や土地の所有が自由を守るために重要であったため、互助的な協同組合の発展によって漸進的に国家を廃止するという理想を強めていった。それ故に、プルードンの思想は技芸を持った職人や土地を持った農民から支持されていたが、かれは田舎の農民や職人の助けあいが社会の革新手段として位置づける一方で、労働者の団結と闘争は犯罪であるとする反時代的な見解を持っていた。かれは労働組合からストライキ、賃金交渉、労働立法に至るまで反対し、更には女性の社会進出にも批判的であった。
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そこで、妻の愚痴には愚痴で応じた。「おれだってなあ、自分に似た女の子が欲しいと思ったことは一度だってなかったよ」 そんな不満のぶつけあいは、夜遅く、夫婦だけになったときに行なわれたが、狭いマンションゆえに子供部屋までその会話は筒抜けになっていた。そのことを、英幸も慶子も知らなかった。
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他の一方には、土嚢塁の中でカーキ服が光っていた。シャモが蹴あいをやる、その前に、まず睨めッこをして相手のすきを伺う、それのようだった。何等奪われるものを持たない乞食や、浮浪漢は強かった。
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むろん、それをあさはかと判断する人々も頑強で、議論はどんどん深みにはまっていった。高度な理念と哲学のぶつけあいから、個人的な中傷へと。しかし、会議のほうは際限なくとはいかない。
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先生はピピネラの冒険物語をそのまま筋書きにして、ピピネラの相手役や脇役には、ほかの小鳥を雇うつもりだといいました。これこそ、ドリトル先生が長いあいだあたためていた計画で、これを上演したら、ロンドンの聴衆がすっかり魅了されることは、うけあいだと思うといいました。
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アキレス氏腱は張り切って、果物ナイフの刃のように外へむかってほそく震えていた。私の眼にも判る一大きさ小さなゴブラン織りの宮廷靴が、蹴合いに勝って得意な時の鶏の足のような華奢な傲慢さで絨毯の毛波を押しつけていた。
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