賢しい
全て
形容詞
42 の用例
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ついに私の魂はたまりかねて口を開き、賢しくも私に向ってかく叫んだ。
ボードレール/村上菊一郎訳『パリの憂鬱』より引用
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ウェイバーの基準に照らせば、いまこの老人はあまりにも無防備で、愚鈍に過ぎた。
時計塔の学舎の中ならば、実験用のラットですらもう少し賢しいだろう。
なぜ恨まれないのか解らない。
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虚淵玄『Fate/Zero Vol.4 「煉獄の炎」』より引用
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こうまで賢しい魂を窺い得て、頬に伝うものを拭うことも出来なかった。
子古にも、郎女の詞を伝達した。
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折口信夫『死者の書』より引用
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かうまで賢しい魂を窺ひ得て、頬に伝ふものを拭ふことも出来なかつた。
子古にも、郎女の詞を伝達した。
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折口信夫『死者の書』より引用
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またことに、かのひとの言葉の甘きに、耳傾くることなかれ。
火の酒にして、そはもっとも賢しき者の分別をも醗酵せしむればなり。
君かの女を知りもせば。
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佐藤正彰訳『千一夜物語 03』より引用
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かうまで賢しい魂を窺ひ得て、頬に傳ふものを拭ふことも出來なかつた。
子古にも、郎女の詞を傳達した。
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釈迢空『死者の書』より引用
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ジャックリーヌは茶の支度をしていたが、びっくりして茶碗を取り落としかけた。
自分の後ろで、二人が賢しい微笑をかわしてるような気がした。
振り向いてみると、二人の眼は目配せをし合っていたが、すぐに素知らぬふうをした。
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ロラン・ロマン『ジャン・クリストフ』より引用
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暴君を弁護する気はないが、器の違いは否めなかった。
ルイ十一世が無慈悲な悪党なら、ルイ十二世は賢しい小悪党にすぎない。
こうまで萎縮するべき相手ではないのである。
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佐藤賢一『王妃の離婚』より引用
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こんどは城太郎が意気ごむと、巧みに外して、また逃げるのだった。
賢しくも伊織はそうして、徐々に敵を村のほうへ誘って行こうとするらしいのである。
そして遂に、草庵の跡に近い雑木林の中へまで連れこんだ。
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吉川英治『宮本武蔵』より引用
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かうまで賢しい魂を思ふと、頬に伝ふものを拭ふことも出来なかつた。
子古にも、郎女の詞を伝達した。
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折口信夫『死者の書』より引用
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人間心理の負の面において、姉貴以上に賢しい人間はそういない。
ああ、もう、遅い。
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同人『魔法使いの夜~Wicth on the Holy Night~』より引用
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あまりに策を含みすぎた女であるから、決してシャアは本音を語ることはしていない。
むしろ、やや狡猾で賢しい若者に映るように振る舞う努力をしている。
この上に調子が良い人物であるという印象をつけ加えられれば万全だと思うのだが、さすがにシャアの性格ではそこまではできなかった。
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富野由悠季『機動戦士ガンダムⅢ』より引用
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併し、お町は夕方にでもなつたら父が帰つて来るのだらうと考へてゐた。
賢しい彼女は母だちの傍に接近して、なるたけその話振りを聞き取らうとした。
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小寺菊子『河原の対面』より引用
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しかし頭がよく、おもてむきは融和的だ。
それだけ賢しいのだから、役に立つ地下経済を大目に見るくらいのことはするはずだ。
「よろしい、では最後の議題だ」ナウはテーブルの面々に笑みをむけた。
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ヴィンジ『最果ての銀河船団(上)』より引用
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自分だけ母のちがうという事を常に心においているせいもあろうが、よく身近の侍女たちを操縦し、今の母の機げんを損なわず、妹たちからも、姉君として尊敬をうけている。
しかし、父の時政は、賢しくて美しいこの政子を、最も重荷に感じていた。
政子の気もちを汲めば、嫁ぐなら都の男へと念じているにちがいないと、その知性や日常の好みに照らしても、親の眼から察しるに難くないからであった。
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吉川英治『源頼朝(一)』より引用
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ある冬の夜に、兄は所用あって外出し、今夜は戻らないという。
兄嫁は賢しい女であるので、夫の出たあとで徐四に言った。
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岡本綺堂『中国怪奇小説集』より引用
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こんな賢しい輩を排除するには米国と同じにその出自を明らかにし、発言させるべきではないか。
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世の人の心はもう、賢しくなり過ぎて居た。
ひとり語りの物語などに、信をうちこんで聴く者はなくなつてゐる。
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折口信夫『死者の書』より引用
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もう、世の人の心は賢しくなり過ぎて居た。
独り語りの物語りなどに、信をうちこんで聴く者のある筈はなかった。
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折口信夫『死者の書』より引用
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アイヌの誇りを口にするようでは、苦しい生存競争に打ち克つことはできない、というのである。
ところが、こんな言い争いをしているうちに、観光の金儲けに早くも目をつけたのは賢しい和人たちだった。
彼らはアイヌの土産品を大量に生産して大々的に売り出した。
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上西晴治『十勝平野(下)』より引用