論じてみたい
17 の例文
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しかし、それならヨーロッパには道徳とか責任が存在しないのかという疑問を追求していくと、他の一面において、実に深いものが存在することもまた否定できません。この問題は、将来時間があれば具体的に論じてみたいと思っています。思うに、宗教とか道徳とかいうものは、自分たちの文化に欠けているものを、逆に強調するというパラドクスをもっているのではないでしょうか。
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彼には身に覚えのある問題であった。思うさまこの問題を論じてみたいという衝動が抑えようもなく起ってきた。しかも彼は、タドゥツィオのいる前で仕事をし、書きながら少年のからだつきを手本にし、自分の文体を神のように思われるこのからだの線に合せて、かつて鷹がトロヤの牧童を天高く連れ去ったように、少年の美しさを精神的なものに移し置いてみることを望んだ。
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このようにして一連句は日本人の過去、現在、未来の生きた生活の忠実なる活動写真であり、また最も優秀なるモンタージュ映画となるのである。これについてはさらに章を改めて詳しく論じてみたいと思う。ともかくも、俳諧連句が過去においてのみならず将来においても、必然的に日本国民に独自なものであるということは、以上の不備な所説でもいくらかは了解されるであろうと思う。
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この相対立する両派は、それぞれ真理の一部をもっているものではあるが、真理の全部というわけではない。わたくしはこの章で、両者のバランスを得る方法を論じてみたい。まず最初、努力をすすめる方の立場から始めることにしよう。
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しかし、われわれが見ようとしているものが、人間のような大きなものでなく、非常に小さなものである場合には、光のエネルギーがある一定の単位の整数倍の価しかとれないということが、非常に重要な新しい制限になってくる。それが観察者としての人間の立場に重大な影響を及ぼすことになるので、以下で少したち入って論じてみたいと思う。いま、われわれが一つ一つの電子を見ようと思ったとしよう。
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陰陽町たる唱門ヶ辻子の南側にはもと小路があって、この寺院なる悲田院に通じていたというのも、その往時の関係を語っているものではあるまいか。なお府坂寄人及び西坂のことは、次号において別に論じてみたい。同じく五ヶ所唱門の一つなる瓦堂の名は、今も木辻の南の瓦堂町に遺っている。
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そして、最もしばしば、今まで誰もしたことのない見方によってそれらをとらえることを好む。わたしだって何かの問題を根本的に論じてみたいと、ふと思うこともあるが、わたしはあまりにも自分を知りすぎている。ここに一語、あそこに一語、計画もなく約束もせず、物事の片端をもぎとってきてはこれをあちこちにまき散らすとき、わたしは決してこれを人に保証しようとは望んでいないし、わたし自身もこれに執着してはいない。
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この曹操がかならず敗戦するだろうということについて、もう少し論じてみたい。
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あまり注目されてこなかったことだが、マルクスの仕事のなかに散見される小さな事実を一種の徴候としてとらえて、そのなかにひそかに顔をみせる思考の傾向を論じてみたい。
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こうして食べる玉蜀黍粒の中は、ミルクのような、そこはかとなく荒野の土の香が漂う白い液体がいっぱいに詰っていて、ハニーバンタムなどという種類でなくとも、まずその甘さに驚かされるのです。ただ、アメリカ料理の本当のおいしさは次の一品を本格的に作って味わってから論じてみたいという気がします。それはかねてから味わう機会を待ちあぐねているフィッシャー夫人の名付ける「たったひとつしかない紛うかたなき本物のコーン・オイスター」です。
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かつて鵜殿春風が囲炉裏の灰に図をかいてみせた時を回想すれば、ああ、それはまさに昨日のことのようではないか。かれとまた、この戦記をよみ図をながめて、戦争の勝敗の原因を論じてみたいとおもうものの、すでに彼はいない。わたしは一人残されて、涙が胸臆をぬらすにまかすばかりだ、と。
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ところで文部省で最初先づ云はれたことは、「若い身空で、ナンだ、けしからん」といふのでありました。右は、新聞記事を読んでの私の記臆でありまして、詳しいことは何も存じませんが、又私はこれから、此の記事に出て来る実際人物のことを云はうとは思つてゐませんが、この記事を種に、私が想像出来るだけのことを記して、以て我邦感傷主義を一寸論じてみたいのです。病気の軽重で、処分の軽重を決めたといふ校長の頭の程は、凡そ奇ッ怪なものでありますが、或ひは此の校長が、その地では人望のある、謂はば人格者かも知れないのです。
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これもいま述べた根拠からいえば、十分理由のあることでしょう。こういう見方から、次には日本文化の特質、日本人の民族性という現在にまたがる問題を、以下の二章で論じてみたいと思っています。こういう民族の形成、文化の形成の源流にさかのぼって、このような形成の過程をもった日本人を、他の大陸民族、あるいは遠くヨーロッパ文明の諸民族と比較してみると、日本人の特徴がみいだされるのではないでしょうか。
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人道なる語もその一つで、列国間にこの語を用いる場合のごときは、あまり深くその定義を穿鑿せぬほうが都合がよろしい。しかしながら一般に個人間に用いるときには、人道なる語は「多少の労力あるいは金銭を費やして他の人あるいは人に近き動物の苦しみを減ずること」すなわち利他同情の行為を意味するように見受けるから、ここにはこの意味に取って人道なるものの正体をいささか論じてみたいと思う。
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自分はノーマルであり世間の馬鹿者どもがアブノーマルだと信じている。機会とゼニとコネとがありさえすれば随筆家というくだらぬ肩書を返上して政界に打って出、天下国家を論じてみたいと空想する。政治にも人並み以上の関心があった。
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志向性も、それが意識の中で把握される限り、クオリアとして感じられる。そこで、今後の議論では、「ポインタ」を「志向性」と言い換えた上で、この概念が「私」という心的現象を解明する上でどれくらい有効か、現代脳科学の立場から論じてみたい。
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